組織の作り方1~中小企業の社長が組織化を考える時に読むブログ~

組織の作り方

 

はじめに:社長、その仕事は社長の仕事ではありません

私が30代半ばの頃の実体験です。
100年企業100人規模の会社員時代に上司の営業部長が社長になりました。
私は社長側近として社長室に異動となりました。

上司の営業部長は営業職人としては業界では知る人ぞ知るスゴイ方でした。
しかし、社長としては初心者です。
生意気なようですが、私は社長が営業部長の仕事をするたびに
「社長、その仕事は社長の仕事ではありません。」と言っていました。
(そこまで言える信頼関係があったからとは言え、毎回言うのは疲れました。)

その後、独立しても「社長、その仕事は社長の仕事ではありません。」を何度も申し上げました。
やがて、私が言わなくても良い方法を発見しました。
それが、仕事の棚卸です。
自分で自分の仕事の棚卸を行いご自身で気づいてくれます。
当ブログでは、私が独立し多くの企業経営者をサポートする中で発見した自分で気づいて自分で実行する仕組みをご紹介しています。

「課長には課長の仕事をしてもらいたいんだ。」
と社長が何度も言わずに気が付けば課長が課長の仕事をしている。

そのような仕組みの作り方をご紹介しています。
個人個人の仕事を見える化する仕事の見える化3点セット

マニュアル

職務記述書

評価基準

を完成させる。

そして、それぞれの仕事を明確にした組織図を完成させる事が当ブログの成果物です。

上記の仕事の見える化3点セットと組織図を作成する過程でPDCAサイクルの回し方を習得してもらう事がもう一つのゴールとなります。

「その仕事は社長の仕事ではありません。」と上から言うのは私の仕事ではありません。

1社でも多くの会社が仕組みに則って組織を作ってくださるのが私の望むところです。
当ブログが貴社の組織作りに役立てば幸いです。

第1章:誰も組織の作り方を教えてくれなかった

私はこれまで2,000人以上の経営者の方々とお会いしました。

組織の話をして
「うん、分かる」と肌感覚として理解できるのは
50人以上の組織で中間管理職以上の経験をされた方々です。
私は社員100人(パートさんは100人以上)規模の会社で社長の側近をしていました。
その規模の会社でも自部門以外を知らない人ばかりで組織を分かる人はいませんでした。
入社以来40年近く営業畑一筋の社長、同じく製造現場一筋の製造部長、技術部長、企画部長が役員でした。
私は営業課長の頃から独学で1日1冊ビジネス書を読み、MBAやコーチングなどの勉強をしていました。
他部門や関連会社の社員とも仲が良かったため、私が取締役会の議事進行まで行う事になりました。
同時に毎月、全社員との個別面談を実施しました。
現場の不平不満を吸い上げつつ組織のあるべき姿を社長と共に描きました。

会社として業績を上げなくてはならない社長の責任を全うしつつも、
仕事に対する多様な価値観、多様な個人の環境やバックグラウンドを知る事で組織のあるべき姿は何度も迷宮に入りました。
(社長とのミーティング後に眠れずに、社宅近所の公園で缶ビールを片手に思い悩んだ夜は数知れずでした。)

最終的には会社の理念の実現を目指しつつも一人一人が自分の強みを活かし自己実現できる組織をあるべき姿像と設定しました。

他の取締役と共有するために人事制度の構築を共通テーマにしました。
現場叩き上げの経営陣がチームとして機能しました。

私のお客様の会社は100人未満の会社がほとんどです。
社長をはじめ経営陣も現場叩き上げの方ばかりです。どの会社も組織のあるべき姿を描き切れていません。

それなのに、自分が社長を務める会社の組織を作らなければなりません。
誰かに教えてもらうにしても教えてくれる人がいません。
見よう見まねの手探りでやっているのが現状です。

ですので、私たちが組織作りについて支援させて頂いています。

しかしながら、
組織作りは更地に家を建てるようにはいきません。
既に何らかの組織がある状態です。
機能的かと言えばそうではなく、なんとなく組織っぽく作られた状態かと思います。

一旦全てを解体してゼロから作るわけにはいきません。
そこで、当社のコンサルティングでは、現在経営陣や管理職として働いている人たちに自分たちで自分たちの出来ていない事に気づいてもらい自分たちで修正していく方法を採っています。

組織の悩みは人の悩みと直結します。
その結果百社百様となっています。

しかし、根本的な課題は人と仕事が明確になっていない事です。
仕事の見える化3点セットを作成する。
機能する組織を作る。

その過程を経営陣や管理職が共有する事でPDCAサイクルを肚落ちさせる。
事が組織作りの基本原則です。

本章では、私がこれまで出会った人と組織に関する悩みを組織図の形で紹介します。

皆さんの会社が抱えている人と組織の悩みと照らし合わせてください。

人は他人の事は客観視出来ても自分の事となるとなかなか出来ません。

反面教師として頂ければ幸いです。

その上で、仕事を見える化した機能的な組織を作って頂ければ幸いです。

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第1章1節.機能不全な組織

人が集まり組織が形成されます。機能ごとに小さな組織(=部門)が形成されます。
例えば、小売店の場合は「仕入」「販売」機能が最小単位の部門となります。
町の個人商店の魚屋さんや八百屋さんでは仕入も販売も同じ人=社長=店主がやります。

仕入の機能=安くて良い物を探してきて適量を仕入れる。

販売の機能=仕入れた商品を最適なお客様に最適なタイミングで販売する。

社長の頭の中と機能が直結して全体最適となります。

業績が良くなると多店舗展開を始め販売機能から組織化が始まります。
社員の中から店長を配置するようになります。
(店長と呼ばれますが明確な責任や権限は不明確です。全ては社長決裁です。)
さらに、社長は大きなトラックを買って一度に効率よく仕入れられるようにします。
店長の中から目利きが出来る人を仕入担当にします。

このように成長しても社員数30人程度の規模までは社長の目が届き、全ては社長決裁のため機能不全にはなっていないように見えます。

しかし、組織として考えると愕然とします。

仕入の機能は「今までと同じように社長に言われた物を仕入れる機能」です。

販売の機能は「今までと同じように社長が指示した物を売る機能」です。

出来の良い仕入れ担当者は、「今までより安く仕入れる」事を実行しているかもしれませんし、
販売担当者は「今まで以上に売る」事を実行しているかもしれません。

が、誰も考えず誰も責任を取らない無責任体制の組織となっています。
ここから問題が滝のように発生するのです。

☑ 販売した商品に不具合があった。

さらに店舗の担当者の応対が悪くて得意客が来なくなった。

☑ そのクレーム発生を仕入が知らなかった。

同様の商品を仕入れ更なるクレームを発生させた。

☑ 社長に対しても報告が上がらなかった。

別の機会に社長がそのお客様と会った時にお詫びする事が出来なかった。

☑ 適正な在庫管理が出来ない。

在庫過剰店と品切れ店があり大きな機会損失を引き起こす。

☑ 特定の店で社員が定着せず次々と辞める。

☑ 他の安く良い仕入先を探さないため商品の質が競合店より劣っている。

☑ 社長は上記の問題解決に走り回っている間に資金繰りが逼迫する。

☑ 一番手をかけて面倒を見て信頼していた仕入担当者が辞める。

と負の連鎖が止まらない状況となります。
当社へ相談頂くのは上記のような症状が出てからです。
あなたの会社ではそれぞれの機能を担う各部門が目的をもって働いていますか?
この時点で読んでおくと良い参考書籍を紹介します。

「はじめの一歩を踏み出そう」マイケル・E. ガーバー (著)
です。
ピザ屋さんを起業した起業家の物語で組織化、仕組化を分かりやすく解説しています。

第1章2節.文鎮型組織

「社長と現場との階層が少ないため、意思決定が早い。」のが文鎮型組織のメリットです。
また、自発社員が多ければ組織は自発的に活動しやすくなります。
その一方で全ては社長の判断待ちとなるため、指示待ち社員を増産しがちです。
社長の強力なリーダーシップで引っ張る中小企業の場合には文鎮型組織は機能します。
が、経営責任と現場の運営責任については見える組織図にしたいものです。
日本の中小企業の人材難は深刻です。コマ=指示待ち社員だけで経営できる時代ではなくなって来ています。

また、文鎮型組織の特徴は、会議に参加する人数が多い事です。
社長が「現場の情報を知りたい。決定したい。即、実行させたい」意図が反映されるからです。
現場からの会議の参加人数を増やす事で社長は現場を把握できるようになります。
結果として社長の現場への介入が当たり前になります。
社長が介入する現場の管理職は自分たちで考えずに社長に判断を預けた方が怒られません。
誰も考えない現場を作る事になってしまいます。
「言われた事はやるけど、自分たちで考えない組織」
だと社長が認識している組織は概ねこの状態です。

もう一つの特徴は、社長が部門長を兼任している事です。
部長(と呼ばれている人)はいるけれど、実際は社長が兼務している。
そのような部門長は自分の職責を全うしなくなります。上記と同様に社長に全てを委ねた方が楽だからです。

第1章3節.歯抜けピラミッド型組織

社員数が少ない中小企業では歯抜けとなるのは当たり前です。
歯が抜ける部分は誰かが兼務する事で補っています。
問題は歯抜けの部分が機能の部分の場合です。
製造を外部に依頼するのであれば、製造(外部:○○社)で良いのです。
しかし、製造の部分が歯抜けだと品質、在庫について誰が責任を負うのかが不明となります。
その結果誰も責任を取らなくなります。
また、歯抜け部分がマーケティングや商品開発などの会社の頭脳部分の場合もあるでしょう。
(本来は頭脳は自社、作業は外注にしたいのですが)その場合でも必ず組織図に盛り込みましょう。

そして管理者を明確にしましょう。
コンサルタントなデザイナーなどは社長と直接やり取りをします。
私は経営企画や総務部門の責任者と情報を共有した上で社長と話しをするようにします。
が、時々見かけるのが社長とだけコミュニケーションを取る外部の人間です。
デザイナーとしてどれだけ社長に評価されてもその部門の人が動かなければ商品化出来ません。
当たり前の事なのですが、外部の人間はあなたの会社の組織の事を分かっていません。

 

第1章4節.縦割り組織

組織として成熟を迎え体裁は整っているものの機能不全に陥るのが縦割りです。
各部門長が他部門に対し自部門の優位を保つため社内での政治が行われます。
中~大規模の組織で散見されます。
また、新しい組織より成熟した組織で起こりがちです。
健全な部門間競争であれば良いのですが、
悪い事を隠蔽したり他部門の足を引っ張ったりと「敵は内にあり」の状態になるので厄介です。
以前日産がV字回復を果たした時にカルロス・ゴーン氏が使ったクロスファンクショナル(部門横断)チームによる全社課題解決の方法が効果的です。
縦割り組織に対して横串を差し込む方法です。
「人・物・金」などの経営資源について部門横断で横串を入れます。
私が採り入れるのは「人事制度」の整備をテーマにする方法です。
部門間や上下間の給料について部門横断プロジェクトチームメンバーで仕事の棚卸を実施し難易度と給料を整理します。

第1章5節.機能する組織とは

 

コラム. 1枚の組織図で経営が見える

組織図を見れば、この企業は何をしたいのかが明確な意思として伝わってきます。

「○部門」が強いなどの企業の強みが分かります。
「△部門」を強化しているのは△の市場を狙っているなどの経営基本方針が分かります。
会社の沿革と合わせて読み解く事で○部門のトップが次期社長候補になるのかも見えてきます。
人事異動ではテコ入れなのか失脚なのかも明らかになります。
組織図1枚で経営の意思が見えるのです。

同時に総務などの管理部門のレベルが明らかになります。
社内資料としての組織図ですが、「伝わる組織図を作れるのか、取りあえず作っただけの組織図」なのかは一目で分かります。社長の組織に対する考え方も垣間見えます。

私たちが事業再生コンサルタントとして現場に入る前に最初に組織図を徹底的に読み込みました。

「この部署何やってるの?」

「この人、ここにもいるよね?」

「あれ、この部門とこの部門の繋ぐ機能が無いのは変だよね?」とプロジェクトチームで組織機能についてディスカッションを行います。その上で、現場に入り込みます。現場の動きと組織図の配置の矛盾を見出します。改善のヒントは組織図を読み込む事が第一歩です。

多くの中小企業には残念ながら組織図がありません。あっても、「なんちゃって組織図」しか無いのが現状です。あれば、改善の着眼点になるのですが、無ければ問題が起きている事すら気づきません。

また、どのように組織図を作れば良いのか分かりません。
以下で組織図の作り方について解説します。
ご覧頂き是非作ってみてください。

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では仕事を明確にする三点セットの完成をゴールに設定しています。
経営チームメンバーが仕事の棚卸から職務記述書までを一緒に作成するプログラムです。
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はじめに:社長、その仕事は社長の仕事ではありません

第1章:誰も組織の作り方を教えてくれなかった

第1章1節.機能不全な組織

第1章2節.文鎮型組織

第1章3節.歯抜けピラミッド型組織

第1章4節.縦割り組織

第1章5節.機能する組織とは

コラム. 1枚の組織図で経営が見える

組織の作り方2

第2章:PDCAサイクルを回しながら組織を作る。

第2章1節.学習ステップ

第2章2節.アクションプランシート

第2章3節.ショートインターバルコントロール

第2章4節.見える化進捗確認

組織の作り方3

第3章:仕事を見える化する

第3章1節. 仕事の棚卸

第3章2節.職務記述書・マニュアル・評価基準の3点セット

第3章3節.職務記述書

第3章4節.マニュアル

第3章4-1.マニュアルの作り方(理論編)

第3章4―2.マニュアルの作り方(実践編)

第3章5節.評価基準

コラム.創業70年企業の“自分ごと組織”作り

組織の作り方4

第4章:使える組織図の作り方

第4章1節.経営と現場

第4章2節.組織の各機能を整理する

第4章3節.機能別組織図の考え方

第4章3節.1・提供する:企画・開発と提供(製造・サービス)

第4章3節.2・売る:マーケティングと営業

第4章3節.3・人:人事と労務

第4章3節.4・金:財務と経理

第4章3節.4-1管理会計

第4章4節.定期改訂

第4章5節.マネジメント会議