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はじめての組織図

はじめての組織図

~他人ごとを自分ごとにする組織作り~

 

目次■

はじめに:その悩みは1枚の組織図で解消出来ます。
社長の悩みは尽きない

 

第1章:中小企業の悲しい現実

第1章1節.意味が分からない組織図

第1章2節.文鎮型組織図も様々

【ケーススタディ1】幹部を自分ごとにさせる

コラム:1枚の組織図で経営が見える

第1章3節.歯抜けピラミッド型組織図

コラム. 1枚の組織図で経営が見える

【ケーススタディ2】コンサルタントに翻弄されない

 

第2章:組織図は組織作りの設計図

第2章1節. 経営と現場

【ケーススタディ3】社長VS社員「このままじゃ組織崩壊です。」

第2章2節.管理職の仕事をさせる

【ケーススタディ4】管理職会議を機能させる

第2章3節. 機能別組織図の作り方(実践編)

【ケーススタディ5】誰も全体最適を知らない

第2章4節.管理会計

コラム.管理しない道を作る

 

第3章:個人の仕事を明確にして組織を動かす

第3章1節・三点セットで仕事を明確にする

第3章2節・職務記述書

第3章3節・マニュアル

【ケーススタディ6】中学生にも分かるように伝える

第3章4節・評価基準

第3章5節・仕事の棚卸

第3章6節・相手のタイプに応じた伝え方(戦国武将分類)

コラム.24時間365日の上司経験

 

第4章:見える化で実行力を高める

【ケーススタディ7】PDCA分析

第4章1節・GROWモデル

【ケーススタディ8】古参社員撃退

第4章2節・オートクラインとパラクライン

第4章3節・学習ステップ

【ケーススタディ9】定着しない今どき社員

第4章4節・進捗状況を見える化

【ケーススタディ10】食器棚で進捗状況を見える化

第4章5節・ショートインターバルコントロール

【ケーススタディ11】知的腕力を行使する

第4章6節・継続≠反復

【ケーススタディ12】退路を断つ

コラム:社長は暇になりません。

 

【人と組織に悩む中小企業の社長必読】
家業を企業に変える組織の作り方
~事業再生コンサルタントが伝授する90日で組織を作る方法~

 

当ブログの目的:人と組織に悩む中小企業の社長を対象に組織作りの方法を解説します。

社長が頑張れば頑張るほど売上が下がる。

☑社長が頑張れば頑張るほど社員が言う事を聞かない。

☑社長が頑張れば頑張るほど社員が辞める。

そんな悩みを抱えている中小企業経営者が本書を読み実践する事で社員が頑張る組織を作れるようになります。

はじめに:その悩みは1枚の組織図で解消出来ます。

内海さん、私たちの組織が崩壊寸前です。助けてください。

社長から緊急対応の相談を良く受けます。
症状は様々ですが、根本原因は1つです。

人と仕事が1枚の絵(組織図)になっていない事です。
私たちが支援する対象は30~300人規模です。
この位の規模になるとどの組織にも組織図はあります。


☑ 組織図上に描かれた人員が組織図上の自分の役割を理解していない。
 組織図上に描かれた人員が組織図上の自分の役割を出来ていない。


組織図として人員を配置しているものの配置された人員が仕事を全う出来ていないため、
社長が現場に入り込んで口酸っぱく指導、細かい指示出しを繰り返す事になっています。

何とかしたい!」との社長の思いが強くなり厳しい口調で接してしまう。
その結果、パワハラと言われ社員の定着率が悪化する。
少ない社員で現場を回さなくてはいけないため、
職場環境はブラック企業状態となり労基に駆け込む社員も発生する。


そのような負の連鎖の窮境に追い込まれた企業の組織再構築の最初の一手が
「組織図」の確認作業です。
大げさではなく1枚の組織図が組織を救います。
本書では組織図を組織作りの設計図と置き換えて人と組織の潜在力を顕在化する組織作りの方法について解説します。

社長の悩みは尽きない

私が30代半ばの頃の実体験です。100年企業100人規模の会社員時代に上司の営業部長が社長になりました。私は社長側近として社長室に異動となりました。それまで、「社長はゴール」だと思っていたのですが、全く違いました。

「何でこんなに言っても分からないんだ!」「そんなことまでオレに聞くなよ~」と、目先の事に振り回されつつ、「この先どうしたものか?」と将来を考えなければならない。
「社長って大変な仕事だな~」を肌身に染みて実感しました。
(サラリーマンのゴールが社長だなんて飛んでもない話です。)社長と一緒に経営の現場で苦楽を共にしました。当時の会社員時代の経験を他でも活かすべく独立しました。
その後、12年以上、1800社以上を支援してきました。

「何で私にばかりこんなにも悩みが降りかかるんだろう?」

「私だけ特別不遇、不幸なのでは?」

とお悩みの経営者の方に毎回必ずお伝えしてきた事が、「社長の悩みは社長を辞める時まで尽きません。」という事です。企業の成長に合わせて社長には違う悩みが降りかかる事を事前に知っておくだけで気持ちに余裕を持てます。

 

企業は創業から一直線の右肩上がりでは成長できません。成長の踊り場で力を蓄え、次のステージへと成長します。

創業時に頭を悩ませるのは、「売上」です。0を1にするには、膨大なパワーが必要です。創業期の会社に熱気があるのは、1つの目標=売上に向けて全社員が一丸となっているからです。昼は営業活動。夜は資料作成や商品開発。会社に泊まり込む事もしばしばです。しかし、ある程度売上を上げる仕組みが整ってくると、違う悩みが経営者を襲います。

それは、組織化や仕組化です。

創業期の熱病にとりつかれて働いていた仲間とは違う人種が入社してきます。創業メンバーとの仕事に対する取組み意識の違いなどに困惑し、「なぜ、出来ないんだ!」と怒りをぶちまけてしまう。益々溝が深まる。場合によっては、労基(労働基準監督署)に走り込まれて「パワハラ」と訴えられたりと…。

これまでの創業メンバーでは起こらなかった問題が噴出する。なだめようと飲み会に誘うと「それは、仕事なんですか?残業代出るんですか?」とこちらが萎えるような返答しか返ってこない。

このような問題に振り回される時期は、会社を組織にしなくてはいけない時期に突入したと考えるべきです。

・経営層は何をすべきか?

・管理職は何をすべきか?

・現場は何をすべきか?

を明確にし、これまでのやり方を変える時期です。

当ブログでは組織化しようと考えている会社が真っ先にやらなくてはいけない事として組織図の作り方を解説します。たかが組織図ですが、社長の意思を込めた組織図を作成する事で組織を動かす事が出来るようになります。大げさではなく「たった1枚の組織図」で組織化の悩みが解消されます。

 

アフリカに

「早く行きたいなら一人で、遠くへ行きたいならみんなで行け

(If You Want To Go Fast, Go Alone. If You Want To Go Far, Go Together)」

という諺があります。

人はより遠くへ行くために組織を作ったはずです。

あなたが組織を作り社員と共に遠くを目指すのであれば当ブログが参考になるでしょう。

 

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※読者の皆様から多くのご感想を頂いています。
(一部抜粋してご紹介いたします。)

・会社を息子に引き継がせようと思っています。
そのための参考にしたいと思います。

・組織内の課題抽出、解決法を学ぶ上でそもそも
組織の在り方自体の参考にさせて頂こうと考えております。

・大変わかりやすいものでした。
10年目の今だからもう1度必要と感じています。

・「はじめての組織図の作り方」の記事を拝見し、
自社(30人規模)
の実情と照らし合わせ興味を持ちました。
組織図の作り方、参考にさせていただきます。

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第1章 中小企業の悲しい現実

「凄いパワー、素晴らしい気づかい、早い仕事。誰よりも早く出社し誰よりも遅くまで働く。他を寄せ付けない圧倒的存在感。」の創業社長とお会いするとこちらもその魅力に引き込まれます。ただし、彼らの魅力はあくまでも個人としての魅力です。そのようなスゴイ社長の会社でも「いつか会社を組織化したいと考えつつ「どうしたものか?」と立ち止まっている会社が多くあります。これまで私は1800人以上の中小企業経営者とお会いしてきました。経営相談を受けると多くの中小企業では組織図がない状態でした。中小企業が次のステージに昇れずに踊り場でもがいている課題の一つに組織化があります。

社員の定着率が悪い。

☑人が育たない。

☑結局社長が全部やってしまう

を繰り返す中小企業の悲しい現実の解決策は、まず組織図を作る事です。

しかし、誰も正しい組織図の作り方を教えてくれません。大企業などの組織で働いたことが無い創業経営者は考え方自体が分からないのです。

だからと言って、社長が全て抱え込んでいつまでも走り続けるわけには行きません。本書では組織図を作る考え方、その後の組織の作り方について解説します。

 

第1章1節 意味不明な組織図

組織図は会社の機能を見える化した図です。論理的に構成されているはずです。しかし、論理が破綻した組織図を見かけます。縦の指示命令系統と横の機能連携に漏れやダブりがあるからです。

 


あるファミリー企業の社長に
「社長と常務と専務の違いは何ですか?」
と尋ねても大抵は納得できる答えが返ってきません。
社長夫人である専務はやっている仕事は給与計算だけです。
取締役会にも参加しません。
給与計算の仕事も創業期からやっていたと理由で社員数50人になった今でも昔ながらのやり方です。

営業職では対外的権威付けのための役職名がずらりと並びます。
営業部長、営業統括部長、特命営業担当部長となれば
誰が偉いのか、誰が誰の上司なのか分かりません。

これまでの流れで役職を増産した結果組織図は横に広がる文鎮型になってしまいます。
本来の会社機能を絞り込むと「作る・サービスする」部門と「売る」部門と間接部門になります。社員数30人程度であれば横に広げず指示命令系統を明確にしたいものです。

意味不明な組織図になるは、組織機能を前提に考えるのではなく今いる人の配置を中心に考えてしまうからです。組織図には意味があります。

あなたの会社の組織図は意味不明な組織図になっていませんか?

 

 

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自社(30人規模)
の実情と照らし合わせ興味を持ちました。
組織図の作り方、参考にさせていただきます。

 

第1章2節 文鎮(鍋蓋)型組織図も様々

「トップと現場との階層が少ないため、意思決定が早い。」のが文鎮型組織のメリットです。また、自発社員が多ければ組織は自発的に活動しやすくなります。その一方で全ては社長の判断待ちとなるため、指示待ち社員を増産しがちです。社長の強力なリーダーシップで引っ張る中小企業の場合は文鎮型組織は機能します。が経営責任と現場の運営責任については見える組織図にしたいものです。日本の人件費高騰、人材難は深刻です。コマ=指示待ち社員だけで経営できる時代ではなくなって来ています。

 

文鎮型組織の特徴は、会議に参加する人数が多い事です。
トップの「現場の情報を知りたい。決定したい。即、実行させたい」意図が反映されます。
現場からの会議の参加人数を増やす事でトップは現場を把握できるようになります。
入社間もない社員も「勉強のため」との理由で会議に参加させます。
参加する社員は自分が参加する理由を分からず取りあえず参加します。
参加者が多いので時間がかかります。
何かを決めて欲しい幹部社員は会議の場ではなく社長個人へ通りやすいお伺いを立てるようになります。
その結果、管理者が育たずトップの現場への介入が当たり前になります。
トップが介入する現場は自分たちで考えません。
それは、トップに聞けば即座に正解が返ってくるからです。

言われた事はやるけど、自分たちで考えない組織」だとトップが認識している組織は概ねこの状態です。

 

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・組織内の課題抽出、解決法を学ぶ上でそもそも
組織の在り方自体の参考にさせて頂こうと考えております。

・大変わかりやすいものでした。
10年目の今だからもう1度必要と感じています。

・「はじめての組織図の作り方」の記事を拝見し、
自社(30人規模)
の実情と照らし合わせ興味を持ちました。
組織図の作り方、参考にさせていただきます。

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【ケーススタディ1】幹部を自分ごとにさせる


創業60年を越える地域の優良企業。現社長が3代目です。
社員数50人規模。月2回の定例会議の参加者が22人という典型的な文鎮型組織の事例です。

「指示待ち社員をどうにかしたい」というご相談を受けました。
最初の会議にはオブザーバーとして参加しました。
2回目の会議後に幹部会議参加者を選出しなおしました。
本来は各部門責任者だけとしたかったのですが、専任担当という特別職の方もいたので3~6回目の会議には参加者を各部門の責任者と専任担当の参加に限定しました。
月2回の幹部会議の同日に各部門の責任者はそれまで参加していた担当者と部門会議を行うようにしました。部門会議では部門責任者が部門の各担当者から情報を吸い上げるようにしました。
私が立ち会った理由は部門責任者が責任者としてどのような情報が必要なのかを把握できるようにするためでした。
各部門の責任者は部門会議の結果を持って幹部会議に参加するようになりました。
幹部会議では部門責任者が自部門に関する事の本当の意味での責任者として発言出来るようになりました。
7回目(4ヶ月)以降は各部門責任者だけが幹部会議に参加するようになりました。
社長は幹部会議で必要な情報収集と指示出しが出来るようになりました。

この会社の場合は緊急対応ではありませんでしたので着実に経営と現場を分離しました。


(ある訪問日のスケジュール)

【自分ごと組織へのポイント】
この組織の場合は、管理職層が育っていない状態でした。管理職に情報を集約し責任と権限を持たせる事で管理職が管理職の役割を理解しました。その結果、現場は自ら考え行動するようになりました。会議という名称ですが実質は管理職研修です。各部門の課題解決を通して管理職とは何かを理解させる事がポイントです。

コラム:1枚の組織図で経営が見える

多くの上場企業ではIR情報で組織図を掲載しています。組織図を見れば、この企業は何をしたいのかが明確な意思として伝わってきます。また、「〇部門」が強いなどの企業の強みが分かります。「△部門」を強化しているのは△の市場を狙っているなどの経営基本方針が分かります。会社の沿革と合わせて読み解く事で〇部門のトップが次期社長候補になるのかも見えてきます。人事異動ではテコ入れなのか失脚なのかも明らかになります。組織図1枚で経営が見えます。

私たちが事業再生コンサルタントとして現場に入る前に最初に組織図を徹底的に読み込みました。

「この部署何やってるの?」

「この人、ここにもいるよね?」

「あれ、この間が無いのは変だよね?」とプロジェクトチームで組織機能についてディスカッションを行います。その上で、現場に入り込みます。現場の動きと組織図の配置の矛盾を見出します。改善のヒントは組織図を読み込む事が第一歩でした。

一方、多くの中小企業には残念ながら組織図がありません。あっても、「なんちゃって組織図」しか無いのが現状です。あれば、改善の着眼点になるのですが、無ければ問題が起きている事すら気づきません。

無い場合には第2章以降の組織図の作り方をご覧頂き是非作ってみてください。「組織図はあるよ」という方も第1章をご覧いただき、自社の不備な点があれば修正を加えてください。

 

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そのための参考にしたいと思います。

・組織内の課題抽出、解決法を学ぶ上でそもそも
組織の在り方自体の参考にさせて頂こうと考えております。

・大変わかりやすいものでした。
10年目の今だからもう1度必要と感じています。

・「はじめての組織図の作り方」の記事を拝見し、
自社(30人規模)
の実情と照らし合わせ興味を持ちました。
組織図の作り方、参考にさせていただきます。

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第1章3節 歯抜けピラミッド型組織図

中小企業では一人の人がいくつかの仕事を兼務する事は当たり前です。
一人の人が営業部門の仕事で受注して配送部門の仕事で配送を行う事などは良くある事です。
仕事の機能である各部門は漏れとダブりが無いように作る。
専任者を置けない部門には兼任者の名前を( )で記入すると整合性がある組織図が描けます。

また、製造を外部に依頼するのであれば、製造(外部:〇〇社)で良いのです。
しかし、製造の責任者が歯抜けだと品質、在庫について誰が責任を負うのかが不明となります。その結果誰も責任を取らなくなります。歯抜け部分がマーケティングや商品開発などの会社の頭脳部分の場合もあるでしょう。(頭脳は自社、作業は外注にしたいのですが)その場合でも必ず組織図に盛り込みましょう。

「〇〇だけ。」の良いところ取り。商品企画などの華やかな仕事をする職人が陥りがちです。「私は考えるだけ。」「私は指示するだけ。」であとは現場が作る。現場が変なものを作ってもそれは現場が悪い。私には関係ない。という他責スタンス。責任の所在を明らかにする必要があります。

 

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【ケーススタディ2】コンサルタントに翻弄されない

商品開発やブランディング、広報などの仕事では外部コンサルタントの力を借りる事があります。自分たちに出来ない事を頼むので一つ間違うとコンサルタントに振り回されてしまいます。私が会社員時代に自社の開発商品を外部コンサルタントに依頼しました。当時は企画部長が他社同様商品を追随して商品開発していました。しかし、高級路線を開発したいとの意向で外部に依頼する方向となりました。
人伝で紹介してもらった方は〇〇や△△などのブランドを手掛けた方でした。
本社の部長会議の席にジャケパン(ジャケットとパンツ)姿で颯爽とあらわれました。外部環境に関する独自視点の分析やこれまでの実績について格好良くプレゼンしました。横文字を格好良く使い、ブランドロゴなどのデザインを提示されると「何となくスゴイな」と感じました。各部長はすっかりその気にさせられていました。その場で社長が「うちの商品が売られている店頭に行きましたか?」と尋ねました。
「〇〇と△△のドラッグストアの店頭を訪問しました。価格訴求の中で苦戦している現状は良く分かりました。」と答えました。
そこからは、現場をベースにした議論が出来るようになりました。
コンサルタントはこちらの知らない世界を見せてくれる人です。
しかし、こちらの世界を理解しようとしない人は押し付けばかりになります。

 

【自分ごと組織へのポイント】

外注先ではなくパートナーとして動くコンサルタントと付き合う事がコンサルタントにとっても自分ごとにさせる事が出来ます。組織図の中でコンサルタントが担う役割や参加する会議体を明示することで自分ごとにさせることが出来ます。

私は会社員から独立してコンサルタントになりました。会社では経営企画室に在籍していました。独立してからも経営企画室(外部:内海)と社内の組織図に自分の役割を記入していました。現在関与させて頂いている企業にも組織図の中に私の役割を反映させているところがあります。外部コンサルタントを非常にうまく使っています。

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第2章 組織図は会社作りの設計図

組織作りの基本的な考え方について解説します。
なかなか組織化出来ないのは設計図を描かずにいきなり組織を作ろうとするからです。
一方で現状からの積み上げ思考ではいつまでたっても組織は出来ません。
それは、一つのことが「出来るようになったら」次のステップへと進めようとするからです。
「良い人が来てくれたら…」「〇〇が出来るようになったら。」と「たられば」を期待するだけでは組織は出来ません。

「本来のあるべき姿と現状の差」を見える化し、その差異を埋めるための方法手段を打つPDCAサイクルで組織を作っていきます。あるべき姿を描いてから優先順位を決めて空白部分を描いていく。そのためにも設計図としての組織図が重要です。

組織を作ろう!しっかりさせよう!と考える時期は社長一人では全体を見渡せない規模になった時です。起業時から一緒にやってきた仲間と新しく入ってきた社員とで同じことを言っても動きが違うようになります。自分が現場から立ち上げたのに現場の質が下がっている。見過ごせないので口を出す。しかし、新しい社員は動かない。現場に直接指示を出し過ぎると現場への干渉、パワハラと言われてしまいます。経営と現場を分離する必要があります。そのために組織作りが必要となります。

とは言え実際に私どもの所へ相談に来られる方は「何かあってから」の方が圧倒的に多いです。「組織作りがうまく行かずどうにかしてほしい。」「このままだと組織が崩壊してしまう。」と急を要する状況の方が圧倒的に多いです。仕方ありません。誰も組織の作り方を教えてくれる人はいませんので。

※「やばい」状況の方はお気軽にご連絡ください。

 

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第2章1節 経営と現場

組織全体としてPDCAサイクルを回します。
経営が決定する。
現場が実行する。
現場が検証・改善する。
その結果を経営が検証する。

大きなPDCAサイクルを回すために組織は経営と現場に分かれます。
管理職が不在の会社の場合は全て社長が意思決定を行う事になりますが今後組織化を考える上で知っておきたい事です。


組織が機能しないのは、PDCAを同じ人(社長だけ)が回しているからです。
30人を超える規模になってきたら、社長は決定と検証が仕事になります。
社長が忙しく働き過ぎているのは実行の現場が好きだからです。
社長は現場を離れなさいとは良く言われる事です。
しかし、本当に現場を離れるとはどういう事なのかイメージが付きづらいです。
私たちは社長に社長の出番を部門長(管理職)会議までと決定して現場には口出ししないよう依頼しています。
全く会話するなとは言いません。挨拶や世間話までのレベルの会話です。
褒める時にはこの限りではありません。
進んでどんどん褒めてください。

 

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【ケーススタディ3】社長vs社員「このままじゃ組織崩壊です」

6月のある土曜日の午後にNPO法人の理事長から相談の電話を受けました。
彼らとは地域での清掃活動などのボランティア仲間です。
傍目には順調な経営状況に見えていました。
一度会って話しましょうという事で御茶ノ水の喫茶店でお会いしました。
「私たち、福祉バカなんです。福祉の事は大好きで一所懸命出来るけど、経営となると無知なんです。今、うちの法人は組織崩壊寸前なんです。内海さんはコンサルタントって聞きました。教えてください。助けてください。」

そのまま喫茶店での作戦会議は6時間を超えていました。
翌日の日曜日朝7時に臨時理事会を招集しました。
その法人は創業から理事長が引っ張っていたのですが、現場がついて行けない状態になっていました。職員数は40人を越えて組織化を考えなければいけない時期でした。
しかし、トップは新しい事業を軌道に乗せるべく相変わらず引っ張っていました。
間接部門は事務局長一人で全てを対応していました。
緊急対応として「人・サービス・金」の経営三資源を各理事に振り分けました。

 

三理事が人・サービス・金の機能を担当し各事業所に入り込み横串を差し込む事で組織の立て直しを図りV字回復しました。翌年3月には次年度以降の中期計画を策定し現在は新事業展開へと新しいビジョンを描いています。

ポイントは、理事長は現場へ介入しない。(理事長には引きはがされたとも言われましたが。)理事管理職会議を毎週定期的に行う事で理事長対社員の対立の構図を拭い去る事が出来ました。

 

【自分ごと組織へのポイント】

創業時からのメンバー8名(内5名が理事)は自分ごととして捉えていました。その後入社した職員は他人ごととして捉えていました。新しく入った現場の職員に対して理事長が指導する事が組織崩壊の原因となっていました。理事長以外の7名が管理職や横串として現場へ入る事で理念の浸透を図り自分ごととさせました。組織のトップが現場へ介入しない体制を作る事がポイントです。

 

第2章2節 管理職の仕事をさせる

組織化の最も重要なポイントです。経営と現場を分離させる会議体は管理職会議です。
現場のPDCAの計画作りと検証の場が管理職会議です。
現場に寄りすぎる管理職は部下からは支持されますが経営の意思を現場に落とし込めません。
一方で経営に寄りすぎる管理職は部下を動かせません。
前述【ケーススタディ1】のとおり管理職会議を管理職研修として管理職の仕事をさせるようにします。

【ケーススタディ4】管理職会議を機能させるには

管理職会議を機能させるためには記憶ではなく、記録の蓄積が重要です。
体験・経験したことが無い人(新しく入ってきた人)に物事を伝えるには自分の主観的な記憶だけで伝えられません。
また、記憶は人による差異が大きくなります。
記録として残すことで一度に多くの人が物事を共有できるようになります。

当社のお客様には下記の会議議案シートと議事録の活用を勧めています。
(ただし、その会社のレベルを見定めた上でとなりますが。

会議で何を話し合うべきか?決定すべき事なのか?共有すべき事なのか?
どのような流れで話し合うべきかがこのシート1枚で完結します。
その後、議事録としてまとめるのにも適しています。
当社が支援した顧客の管理職会議が機能するのは
この会議議案シートをフォーマットとして使っているからです。

 

管理職会議を機能させる手順

  • 会議の目的を定義します。
  • 下記議案シートを使用して会議を開催します。
  • 議案シートに決定事項を記入し議事録とします。

 

議案シートについて

記載事項

  • NO(通し番号)
  • 日付
  • (議案作成者の)氏名
  • 議案:〇〇の件、〇〇について
  • 目的について1.意思決定 2.情報共有について明らかにします。
  • 背景・経緯(意図・根拠)

議案としてあげるに至った背景や経緯について詳細に記入します。

会議に出席している人は発議者がどのような経緯で議案として提出しているかが不明です。文章が長くなっても構わないのでこの部分で共有させましょう。

なお、当議案シートは会議の3日前までに作成するようにさせています。それは会議当日にこの背景や経緯の説明に時間を割かないためです。

7.課題

意思決定の場合には何らかの課題があります。「〇〇を実行したいのだがこのような課題がある。このように解決したいと考えているが以下に続きます。」

8.機会・脅威

これはチャンスです。もしくは、今手を打たなくてはこのような脅威となるでしょう。

9.目標

進めるにあたって定量的な目標を設定します。頑張りますではなく具体的目標があるから行動できます。

10.アクションプラン

どのように実行するのか?について担当者と期限を明確にします。

11.経済性

費用対効果について、及び検証方法について

 

ある会社では経営会議を決定機関、管理職会議を検証機関と決定しました。
30人程度の規模であれば、どちらも一緒になりがちです。
あえて2つの会議体とすることで意思決定が迅速となりました。

 

【自分ごとにするポイント】
組織化とは「人と人との関係性での仕事のやり方」から「合理的な仕事のやり方」への転換です。関係性の中では空気を読む事が重要です。「何が正しいか?」ではなく「誰が正しいか?(誰につくと良いか?)になりがちです。
一方空気を読まない合理的な仕事のやり方では「何が正しいか?」について議論出来る組織基盤を構築します。その際に必要とされるのが論理的思考です。「なぜ」を正しく伝えて「どうするのか?」を共有する事が可能となります。そのためのツールとして議案シートを活用します。

しかし、急に論理的になれと言われてもなかなか出来ません。月1回の管理職会議以外に隔週程度で議案の作り方の検証を各部門を対象に行います。

「こんな感じで意味通じるでしょうか?」などを管理職相互でやり取り出来るようになると自ら学習する組織の礎になります。

 

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※読者の皆様から多くのご感想を頂いています。
(一部抜粋してご紹介いたします。)

・会社を息子に引き継がせようと思っています。
そのための参考にしたいと思います。

・組織内の課題抽出、解決法を学ぶ上でそもそも
組織の在り方自体の参考にさせて頂こうと考えております。

・大変わかりやすいものでした。
10年目の今だからもう1度必要と感じています。

・「はじめての組織図の作り方」の記事を拝見し、
自社(30人規模)
の実情と照らし合わせ興味を持ちました。
組織図の作り方、参考にさせていただきます。

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第2章3節 機能別組織図の作り方(実践編)

これまで組織図の作り方の考え方について解説しました。
以下では、実践編として貴社への落とし込み方を具体的に解説します。

【ケーススタディ5】誰も全体最適を知らない

大企業では人事異動が行われます。
ゼネラリストが良いかスペシャリストが良いかの議論の余地がありますが会社全体の業務の流れを分かるという意味では良い制度だと思います。
中小企業では入社して就いた仕事を退職まで全うする事も珍しくありません。

100年企業、社員数100人規模の製造業の事例をご紹介します。
私の上司の営業部長が社長になりました。営業部長としての実績は素晴らしいものがありました。個人薬局からスーパーマーケット時代、そしてドラッグストア時代の変化を先読みし各業界のキーマンへ食い込み中小企業ながら大企業と肩を並べて戦ってきました。担当バイヤーレベルではなく社長にまで食い込んでいました。スーパーマーケットの雄であったD社やドラッグストアのM社で当社商品が大手メーカーの中で取り扱われていたのはその営業部長の功績でした。

しかし、入社以来40年営業の仕事しかしていなかったために営業以外の仕事を出来ませんでした。それでも何とかなったのは前社長がカリスマ社長だったからです。前社長は30代の頃に会社存続の危機を救いました。各部門の部長はカリスマ社長にお伺いを立てて「イエス」をもらう事が仕事でした。ですので、営業部に限らずどの部門長も社長の「イエス」をもらう事がゴールでした。ポイント1で紹介した文鎮型組織そのものでした。

営業部長の社長就任時に私も社長室へ異動しました。そこで、私は新社長と他部門の部長と一緒にグループワークを行いました。拙いファシリテーションスキルながら各部門の業務の一連の流れを共有しました。その上で会社が利益を上げるための最適は何かを議論しました。検証過程で営業部からの「至急、なるべく早く」への対応ばかりだと製造計画が驚くほど変更されることを目撃しました。計画通りに製造する場合と緊急対応の場合では製造原価が1桁違う事も判明しました。

私は営業出身でしたので自部門が会社の全体最適の阻害要因であることを知りたくありませんでした。しかし、営業部門に伝達して「どの程度早く対応すべきなのか?1日、2日、あるいは1週間待ってもらえないのか?」と営業部員がお客様へ確認するようになりました。

その後、独立後も多くの企業を見てきましたがどこの企業でも全体最適を知りませんでした。このため管理職会議の一部の時間で研修として実施しました。管理職層が全体最適を理解できるようになるとすぐに着手出来る事が驚くほど多くあります。まずは、全体最適を知る事の重要性を実感しています。

【自分ごとにするポイント】
製造業の製造部門であれば原料が仕入れられて製品になるまでの工程、営業部門であれば受注を受けて納品、回収までの工程、間接部門であれば伝票の流れや入社から退職までの流れなどと各部門の流れを洗い出します。ホワイトボードや模造紙上で各工程での漏れやダブりについて検証します。他部門で手伝える事を発表できるような場を醸成できれば活発な議論が出来ます。

 

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第2章4節 管理会計

各事業所や事業部ごとに収入と支出を管理する仕組みです。
管理職が収入と支出の責任者になります。
具体的な方法については「アメーバ経営」関連の書籍を読むと分かりやすいでしょう。
製造業などでは仕入→加工→販売→流通などの機能に応じた組織になっています。
それぞれの機能部門ごとに原価と売上を設定します。
最初は按分設定で行いながら修正を加えていきます。


私が監事を務めているNPO法人での管理会計の導入例を紹介します。
福祉は補助金事業です。
利用者が〇人来たら〇円と決まっています。
私が関与したばかりで本部が采配していた頃は、
「今月は〇円だった。良かった~。」のレベルでした。
しかし、管理会計を導入するようになってからは、
「今月は〇人に来てもらうために〇〇をします。」
と数字に対する執着が出て来ました。
管理会計の導入の効果です。

コラム:管理しない道を作る

「どうすれば管理職になれるか?」に真剣に取り組んでも出来ない人がいます。
本人の適正と本人の志向です。

専門職としての道を歩ませた事例を紹介します。

創業10年、企業規模30名のサービス業です。
その新任課長はいつも忙しそうでした。手帳に付せんを貼り、ノートパソコンを持ち歩き、携帯で電話しています。テキパキと自分の事をこなしています。専門職としては出来る人でした。管理職になったので「自分で仕事を抱えこまない事」を目標に掲げました。全て部下に振り管理職となるつもりでした。しかし、一向に手を離さずに抱えたままでした。彼の理想の上司像は元の上司でした。その元上司は切れ味鋭いスペシャリストでした。一方で社内では、「人に振りすぎ」「自己中」との評価もありました。しかし、仕事内容は完璧で同業他社からも一目置かれる存在でした。また、創業時からの役員だったのでお咎めなしの状態でした。新人の管理職は元の上司の真似をしたくても部下に仕事を振れず抱え込むようになりました。週間予定を立てさせ結果を記入させました。週次の個別面談で予定した仕事が出来ずに結果が合致しないのかを検証しました。仕事を部下に強制的に降ってもまた自分で仕事を見つけて取り組んでしまいます。

そこで、本人に迫りました。

「専門職として仕事に向かうのが良いのか?管理職として事業所の管理をするのが良いのか?」しばらく考えた末に「専門職の道を歩みたい。」となりました。彼の元上司と共に業界団体での発表や外部講師を務めるようになりました。彼にとっての自分ごとは仕事でした。その会社内に不満はありませんでした。部下を持たない専門職としての道を歩んでもらう事になりました。

向き、不向きはあります。課題に直面させて事実として「向いていない」事を本人に自覚させました。そのうえで本人の意向を聞きました。管理職失格ではなく専門職合格への道筋を歩ませる事で本人が納得しました。「自分はできない」事を本人にさせ続ける事は酷であると同時に会社としての損失です。

 

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第3章 個人の仕事を明確にして組織を動かす

組織図を作っただけでは組織は動きません。組織図は設計図です。その組織図にのっとり動くのは人です。動かすのは社長です。本章では組織を構成する人を動かす方法について解説します。

 

第3章1節 職務記述書・マニュアル・評価基準の三点セット

「人に仕事がつくのではなく仕事に人がつくようにしたい。」との相談を良く受けます。そのために何をしているのですか?

と尋ねても、「何度も言ってるんですけどね~」と答えにならない答えが返ってきます。

職務記述書で何をするのかを明確化。
マニュアルでどうやるのかを明確化

評価基準で評価する。

スッキリですね。
「それが出来れば苦労しないよ。だからコンサルタントは机上の空論ばかりで困るんだよ。」
ええ、そうです。皆さんが出来れば私の出る幕はありません。分かっちゃいるけどなかなか出来ないから私たちがお手伝いしてるんです。

余談になりますが、
コンサルタントには2通りあります。
魚釣りに例えると、魚を釣ってあげる仕事をする人=代書屋さんや代行屋さんです。

補助金や助成金などの書類(経営計画までも)を代わりに書く仕事。

税金の申告を代わりにやってくれる税理士さんや営業代行などの仕事。

私は、魚の釣り方を教える仕事をしています。

 

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第3章2節 職務記述書で職務を明確化

私は中小企業でしか働いたことがありません。職務記述書は外資系企業では当たり前とされているものですが現物を見た事がありませんでした。長谷川先生に現物を見せてもらいました。見た瞬間に、なぜ、日本の企業では使わないのか不思議でなりませんでした。大企業ではなく中小企業には必須です。以降、当社では職務記述書を推奨しています。

しかし、前述の通り全体から部分へブレイクダウンするのが難しい中小企業では、マニュアルと評価基準を基に職務記述書を固めていきます。

営業部長の場合、職務記述書で何をやるのかを営業マニュアルでどうやるのかを評価基準でどこまで出来れば出来たのかを明記します。

一度使ってみると非常に分かりやすいです。

「あなたの仕事は〇〇です。具体的に▽▽を期待しています。いつまでに〇〇の結果を出してください。」と明確に出来るのです。

当社では、コンサルティングの案件のゴール設定に使っています。お客様にとって費用対効果が分かりやすいからです。

 

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第3章3節 マニュアル

「何事も小さな仕事に分けてしまえば、特に難しくない。」

とはマクドナルドの仕組みを作ったレイクロックの言葉です。

彼は、業務用ジューサーのセールスマンを経て50代でマクドナルド兄弟からハンバーガーショップの権利を買い取り、フランチャイズ展開で世界的企業に育て上げました。マクドナルドの味はマクドナルド兄弟。仕組みはレイクロックが作り上げました。組織化とは仕組作りに他なりません。新入社員をぶらぶら遊ばせる事なくすぐに仕事を出来るようにするためにマニュアルは欠かせません。出来ない人が出来るようにするためには、「箸の上げ下ろしレベル」まで分解されている必要があります。出来れば「見てすぐに分かる」イラストや動画で解説出来れば尚良いでしょう。仕事を人に教えるときや標準的な仕事を共有化するためにマニュアルを作成している会社は多い。しかし、マニュアルのレベルがまちまちだったり、ずいぶん前に一度作って更新がされていなかったりします。せっかくマニュアルを作っても使われないのであれば意味がありません。随時更新して使えるマニュアルとしたいものです。あなたの会社では箸の上げ下ろしレベルに分解されたマニュアルを用意し更新していますか?

 

マニュアルの作り方(理論編)

箸の上げ下ろしに分解したマニュアルを作成、運用する。

・手順・道具・コツ

本書は中小企業の組織化マニュアルとも言えるでしょう。マニュアルは、それを理解できれば誰でも同じように再現できる方法です。「〇さんだから出来る」=属人的要素を排し、正しい手順通り行う事で誰もが再現可能となります。

マニュアル作りには欠かせない3つの要素があります。

  • 手順、2.道具、3.コツです。

例えば、掃除を例に説明します。

1.の手順は、上から下に掃除をする。天井から床にかけて掃除をする。なぜならゴミは上には上がらず下に溜まるからです。また、真ん中から四隅に向けて掃除する。ゴミは隅に溜まりやすいからです。一つ一つの手順が理に適っているため誰が行っても同じように掃除が出来るのです。

2.の道具ははたき、ほうき、ちりとり、掃除機、雑巾、洗剤、空雑巾、ワックスなど手順に応じて決まります。

3.コツ(独自の方法)については昔であれば一子相伝的に現場を一緒に経験しないと伝わらない事とされていました。しかし、現在ではこのコツをどのように社内で素早く共有できるかが会社の競争力の源泉となっています。前述の掃除の会社では、毎週木曜日の早朝勉強会で気づきを共有しパートさんも月1回の研修会でコツを共有しています。

余談だがコツとは骨の事です。表からは見えない本質的な部分でもっとも大事な事との意味が語源です。

本来は、OJTのように現場を一緒に経験する事が一番望ましいのですが、研修などで事例を通じてコツに触れる事が可能となりまする。あなたの会社ではコツをどのように共有させることが出来るでしょうか?

・コツ:出来ることに分解する。マニュアルの目的は教育です。最初から全ての仕事を出来る人はいません。何も出来ない所からスタートします。にも関わらず、最初から全て出来ることを期待してしまう。学校を卒業したばかりの新入社員には名刺交換の仕方や挨拶などの当たり前の事から教える。そして、営業であれば上司と同行してお客様の所へ訪問する。一つ一つの出来る事の精度を高める。それら出来る事を高い精度で組み合わせていくのが仕事です。名刺交換と挨拶ができるようになれば飛び込み営業は出来る。会社の説明、商品の説明が出来るようになれば一人でお客様を訪問させる事が出来る。出来なかった事を一所懸命練習すれば良い。「やった事の無い事」は出来ないのだから仕方がない。ただ、出来ると思える事が高い精度で出来ているかが問題です。他の人に「どうだ!」と自信を持って見せられる水準である。分解された一つの部分を出来るようになると自信を持って次のステップに進める。中途半端な水準で次のステップに進んでも、全てが中途半端なままとなります。

 

マニュアルの作り方(実践編)

・動きのある仕事

普段の仕事をカメラやスマホで撮影する事から始めても良いでしょう。スクラム社ではシートの加工を写真で撮影しマニュアル化しています。もっともオーソドックスなマニュアルの作成方法です。

なかなか時間が取れない方はあえて○○教室を開催する事で自分たちを追い込む事が可能となります。ゼネック社ではサボンちゃんの楽々お掃除教室を地域で月1回開催しています。毎回掃除のコツを伝えています。一般の人に掃除のコツを教えつつ自分たちはその素材を基に研修し社内のレベルを高めています。

最近は動画や写真の編集も簡単に出来るようになりました。内部向けであればスマートフォン1台で撮影したものをマニュアルとして活用しても良いでしょう。

 

・動きが見えづらい仕事

パソコン上の仕事など動きが見えづらい仕事の場合はプリントスクリーンを使うと分かりやすいでしょう。当社の「ユーチューブを使って検索上位になる方法」のセミナー資料です。プリントスクリーンで画面を切り取りウインドウズ標準装備のペイントを使ってマニュアル化しています。

・動きが見えない仕事

最近はこの仕事が増えています。考える仕事です。当社のようなコンサルティングなども動きが見えません。大きな流れは、現状分析→課題抽出→解決策立案→提案→実行です。

しかし、課題のレベルや優先順位などはコンサルタントの経験値や相手の危機意識で変化します。また、伝え方も相手によって変わります。コンサルタントのこれまでの背景により理解度も違います。それでも全体の流れやポイントについて自分が伝えられる事は全て言語化するしかないと考えています。私が恵まれている事は自分のやり方を伝える事が不自然ではない事です。

最後は口伝(くでん)口伝えで伝えるしかありません。

 

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【ケーススタディ6】中学生にも分かるように伝える

人間には、自分に興味・関心のない事は理解しようとしない習性があります。
中学生頃までに自分の趣味・嗜好が定まります。
逆説になりますが、自分に興味・関心の無いことは中学生レベルの知識・情報しか持っていないと理解した方が伝わりやすいのです。
中学生レベルは比喩的な表現ですが、誰かに話をする前に、「この内容で中学生に伝わるだろうか?」と振り返る事であなたの伝えたい事が伝わりやすくなります。

中学生にも分かるように伝えるには抽象的なままでは相手に伝わりません。
具体化して伝えます。
そのためには5W2Hを明確化する事が大事です。
あなたは周囲の人に5W2Hを明確にして伝えていますか?抽象的なまま伝えていないでしょうか?

小学生の国語で作文を書くときには、
「5W1Hを使って相手にわかるように伝えなさい。」と習いました。
伝わる文章として例に出される新聞記事は5W1Hが明確です。

5W1Hとは、いつ(when)、どこで(where)、誰が(who)、何を(what)、なぜ(why)、どのように(how)の事です。ビジネスの世界では、いくら(How much)が欠かせません。事実を事実として伝えるために5W2Hはどれだけ徹底しても徹底しすぎるという事はありません。

1.まず、書き言葉で5W2Hを明確にします。

2.話し言葉でも5W2Hをモレなく伝えます。  

最初から話し言葉で5W2Hをモレなく伝えることは意外と難しいものです。
初めは書き言葉でモレなく伝えるようにします。
各書類を5W2Hを表示する書式にして癖付けします。
また、中学生に伝わるように伝えようとすることで、文章も平易になります。

5W2Hの中で特に重要な要素が「なぜ=Why」です。
相手を動かすときに、なぜそうして欲しいのか?を言葉として伝えなくては伝わりません。
相手は方法手段を聞くとそこで理解したつもりになるからです。

「言われたことしかやらない」と嘆いている上司は部下に対して、なぜ動いてほしいのかの意図・目的を伝えていません。
ある会社の営業部長に聞いた話です。
彼はその会社の売上責任者なのですが、
「部下を動かして予算を達成しなくてはいけないのはわかっています。部下が動かないのです。部下の話をちゃんと聞いていますよ。自発的に行動してもらうように質問をしていますよ。だけど、部下が動かないんです。売り上げ予算が高すぎるというのが一番の問題だと思いますが。」
彼が言いたいことは部下がダメだということと会社の目標が高すぎると言う事だけです。
残念ながら、彼の部下は動きません。
なぜなら、彼自身が売り上げ予算を他人事として捉えているからです。
自分がなぜこの予算を達成しなくてはいけないのか?
を理解していなくて部下を動かすことなど出来るわけがありません。
なぜを他人に伝えるためには自分自身が肚に落としていなければ言えないからです。

そもそも論として、社長がこの営業部長に対して「なぜ、この売り上げ目標なのか?」を伝えていない事が問題です。
正しい5W2Hとは、いつ、どこで、誰が、何をどのように、どれだけやるのか。
の4W2Hのそれぞれの項目について「なぜ」なのか明確に答えられるはずです。
あなた自身が「なぜ」を自分に説明できないのであれば、部下を動かすことはできません。

5W2Hを正しく伝える事で、会話が具体的になり、ズレがなくなります。何度も説明する必要がなくなります。1回のミーティングの質が向上します。

 

【自分ごとにするポイント】

会議の議事録をエクセルで作成します。
エクセルの最上列に 誰 何を  なぜ と記入しながら下段へと記録すると話の流れが見えるようになります。管理職会議などで書記を交代する事で5W2Hを漏らさないトレーニングの場としています。

※実は、当原稿は私の中学3年生の息子に校正してもらいました。「熟す?→こなす」「伍して→肩を並べて」のようにいくつも分かりにくい表現がありました。相手が分かってくれるだろうという私の独りよがりが判明しました。

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第3章4節 評価基準

1.基準に合致した人材を採用する

前節で取り上げた「したい事、出来る事、すべき事」を採用条件として提示します。面接時に確認します。何が出来れば基準を満たすのかを明確にしておきます。

2.今いる人材を基準に達するまで教育する

第4章以降で取り上げる人材育成の方法です。基準を明確にしないので部下はいつまで経っても「何が正解か」分からないのです。上司にとっても、いつまで経っても出来ない部下なのです。

「敷居が高く面倒くさい。」のが人事評価制度の仕組みです。
が、当社では3段階程度の基準で始める事を進めています。
ある仕事について
「上司と一緒に出来る」「一人で出来る」「指導出来る」
の3段階を基準とするのであれば取り組みやすいでしょう。

3.基準を超える人材が来る仕組みを作る

部下に惚れられる上司。人が来たくなる会社を作る。惚れられる事です。

徳川家康の大将の戒めを紹介します。

 

大将の戒め   徳川 家康

大将というものは

敬われているようでその実家来に
絶えず落ち度を探られているものだ
恐れられているようで侮られ
親しまれているようで疎んじられ
好かれているようで憎まれているものじゃ

大将というものは

絶えず勉強せねばならぬし
礼儀もわきまえねばならね
よい家来を持とうと思うなら
わが食を減らしても
家来にひもじい思いをさせてはならぬ
自分ひとりでは何も出きぬ
これが三十二年間つくづく
思い知らされた家康が経験ぞ
家来というものは
禄でつないでならず、機嫌をとってはならず、
遠ざけてはならず、近づけてはならず、
怒らせてはならず、油断させてはならぬものだ
「ではどうすればよいので」

家来は惚れさせねばならぬものよ

回り道に見えて近道です。

 

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第3章5節 仕事の棚卸

上記3点セットを作成する際に全体から部分へ落とし込むのはなかなか難しいものです。そこで、部分から全体へと組み立てるために仕事の棚卸の実施をお勧めします。

全体から部分と部分から全体を繰り返す事で職務記述書とマニュアルは作成しやすくなります。

まず、仕事の棚卸を実施します。

手順

1.仕事の棚卸シートにルーティン(毎日、毎週、毎月行っている)業務を記入します。

2.思いつく限りの業務を記入する。

3.右欄に「誰の仕事」かの振り分けを行う。

・道具:仕事の棚卸シート

・コツ:1回の仕事の棚卸で全ての業務を洗い出すのは難しいものです。月1回程度定期的な日程を決めて何度も繰り返す。

 

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第3章6節 相手に応じた伝え方(戦国武将分類)

戦国武将になぞらえて行動パターンを分類する方法です。
日本では血液型分類が好まれます。
一般的には、A型は神経質、O型は大雑把、B型は自己中心、AB型はマイペースのように分類しています。
血液型の分類方法は科学的根拠が無いため、実際の仕事の場面では使えません。
私の血液型はA型ですが、仕事のある部分では非常に細かいのですがプライベートは大雑把で自己中心的です。
いつも違和感を感じていました。

 

ソーシャルスタイル分類

1968年アメリカの社会学者デビッド・メリルとロジャー・リードが、対象者の言動の表れ方で人間の社会的特性を分類しました。以後、人間関係を科学的に捉えるツールとして多くの企業や組織で活用されているのがこのソーシャルスタイルによる分類方法をご紹介します。人間は4つのソーシャルスタイルに分けられます。元々はアメリカ海軍が潜水艦の乗組員同士の円滑なコミュニケーションを図るため考案されたモデルです。似たタイプは人間関係のトラブルが少なく、敵対するタイプはトラブルの発生確率が高いと言われています。何カ月も同じ艦内で生活を共にする乗組員同士のタイプをバランス良く配置することで帰還率が高まったとも言われています。
この分類方法では、自己主張が強いかそうでないか。の思考開放度の軸と感情表現が豊かかそうでないか。の感情開放度の軸の2軸で4つのパターンに分類します。

 

 

左上の織田信長タイプの特徴は

・感情は出さないが、メリハリがあり力強い話し方をする

・しっかり目を合わせて話す

・短めの文章で、結論からはっきりと断定的に話す

・決断が速い

・大筋をつかんだら、より短時間に結果を出そうとどんどん進めていく

・人間関係より、仕事、課題を重視する

 

 

左下の明智光秀タイプの特徴は

・感情を出さないで、穏やかな声で淡々と話す

・論理的で、順序立てた話し方をする

・冷静でビジネスライクな印象

・慎重で細かなことも見落とさない

・人間関係より、仕事、課題を重視する

 

 

右上の豊臣秀吉タイプの特徴は

・言葉・声・態度などすべてを使い、豊かに主張し、感情を表現する

・しっかりと視線をとらえ、感情を込めてアップテンポで話す

・まわりを巻き込みその気にさせ、楽しませる話し方

・直感的に決断するので、即決即断

・まずは強い人間関係を築くことにエネルギーをかける

 

 

右下の徳川家康タイプの特徴は

・声にも態度にも、穏やかに感情をにじませる

・皆に目配りをしながら、同意を得るように、ゆっくり話す

・問い掛けるように、相談を持ちかけるように話す

・皆を励まし、サポートすることが得意

・仕事、課題に取りかかる前に、まずは、人間関係を築く

 

 

下記でご自身のタイプを自己診断しましょう。

 

Q1.あなたは以下の軸でみるとA,Bのどちらに近いですか?

A                  B

話し好き・・・・・・・・・・・・・物静か

速いペース・・・・・・ゆっくりしたペース

主導権を取る・・・・・・まわりに合わせる

相手の目を見る・・・・・相手から目を外す

支配する・・・・・・・・・・・・・・従う

断言する・・・・・・・・・・・問いかける

競争的・・・・・・・・・・・・・・協力的

外交的・・・・・・・・・・・・・・内向的

自己主張する・・・・・・・自己主張しない

合計

あてはまるものに〇をつけA、Bの合計欄に数を記入してください。

 

Q2あなたは以下の軸でみると1,2のどちらに近いですか?

1                   2

冷静・・・・・・・・・・・・興奮しやすい

ゆっくり・・・・・・・・・・・・・・活発

仕事優先・・・・・・・・・・・・友人優先

クールな表情・・・・・・・・・温かい表情

気持ちを抑える・・・・・・・気持ちを表す

落ち着きがある・・・・・・・・・にぎやか

事実を重んじる・・・・・・意見を重んじる

感情に左右されない・・・感情に動かされる

声のトーンが一定・・・・抑揚のある話し方

合計

 

あてはまるものに〇をつけ1、2の合計欄に数を記入してください。

その上で前掲の図にあてはめてご自身のスタイルを診断してください。

AとBの数でAが多ければ思考開放度が高いと言えます。
1と2の数で1が多ければ感情開放度が低いと言えます。
この場合は、信長タイプと分類出来ます。
あなたはどのタイプでしたか?
上述の各タイプの特徴を考えて伝え方を変化させてみてください。
私は、会社員時代に自分と違う3タイプの部下を育成しました。
「普通はこうだろう」「自分ならこうする」が全く通じませんでした。
上記の各タイプに当てはめて伝え方を変えると伝わり方が驚く程変化しました。

左側の人との会話では結論を重視すると効果的に伝わります。
論理的に思考する人が多いため、なかなか結論に辿り着かない会話が苦手です。
一方、右側の人との会話では共感を重視する事が効果的です。
感情豊かな人が多いため、「いきなり結論」を投げかけるのではなく、周囲の人がどう思っているのか。人を話題にする事がコミュニケーションを良好にするカギとなります。
ただし、役割が人を変えたり育てたりします。
元々は左上の信長タイプではない人が、「社長に就任する事」で短く力強い言葉を使うようになる。結果へ執着するようになる。などの例は良く見られます。

 

【自分ごとにするポイント】
同じタイプは「馬が合う」ので理解が早く、対角線の相手が自分がもっとも苦手な相手となります。上記のセルフチェックを行い社内で共有します。本音で話し合える場を作れたら「自分のどこが苦手だった?」とか「何が分かりにくかった?」などとタイプを越えたコミュニケーションが出来るようになります。

 

コラム:24時間365日の上司経験

私が部下育成が出来るようになったと実感したのは33歳の時でした。
当時の私は新入社員の教育係として同時に3人の部下を引き受けました。
その3人が全くタイプが違っていました。

私は秀吉タイプで、入社した3人は信長タイプ、光秀タイプ、家康タイプでした。
信長タイプの部下は、自分で勝手に自分なりに目標を決めて勝手に突っ走っていきます。
光秀タイプの部下は、私の発言や行動に対して逐一質問して自分が納得しない限り動きません。
家康タイプの部下は、私が困っている事が無いか、チームの和が乱れていないか気にし過ぎて自分からは動き出せません。

当時私は社宅に住んでいました。
その社宅は寮も併設されていました。
私は1階で、新入社員が3階に住んでいました。
信長タイプや光秀タイプは自分の考え方を持っているので、
「みんなと一緒」に価値を置きません。
当時の私は、部下を誘わない事はダメな事だと思っていたのですが、
必要な時に正しく目的を伝える事で十分に彼らは動ける事を身を持って知る事が出来ました。
一方、家康タイプは、人と共感する機会を多く持つ事に価値を持ちます。用事が無くても電話を掛けたり、声をかけたりする事が彼にとって大事な事だと分かりました。

24時間365日一緒にいる事で、上司と部下の適正な距離感をつかむことが出来るようになりました。以前の会社で「部下が悪い、上司が悪い、会社が悪い」と逃げ出すように会社を辞めた自分でしたがタイプに応じた接し方を身に着けたので上手に部下育成が出来るようになりました。

 

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・会社を息子に引き継がせようと思っています。
そのための参考にしたいと思います。

・組織内の課題抽出、解決法を学ぶ上でそもそも
組織の在り方自体の参考にさせて頂こうと考えております。

・大変わかりやすいものでした。
10年目の今だからもう1度必要と感じています。

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組織図の作り方、参考にさせていただきます。
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第4章 見える化で実行力を強化する

上司と部下が対面すると部下は上司に何か言われると「責められている」と感じます。

しかし、対象物を共有しながらの会話ではアイデアが湧いてきます。これは、正対する1対1のコミュニケーションではなく「模造紙上の問題」を客観的に捉える事が出来るため、 問題は何かを認識、共有しやすくなるからです。「誰が悪いか?の犯人捜しではなく、何が悪いか?の問題探し」へと視点を切り替えるのに効果的です。本章では物事の問題の見える化と進捗状況の見える化により部下に「自分ごと」化させる方法を解説します。また、この見える化で発見された改善策では着手できることはすぐに着手するようになります。

【ケーススタディ7】PDCA分析

お客様の会社の目標達成までの帳票類を全て貼りだします。
事業所(部門)別予算、
個人別予算などの目標に関する資料は数多くあります。
また、実績に関する資料も多くあります。
しかし、具体的な計画や実行量に関する帳票類が欠如している会社がほとんどです。

私たちはパートナーとして一緒に問題解決を図るスタンスで見える化しています。
(提案を聞くよ。とおっしゃる寛大な経営者の方でもコンサルタントから「ダメ出し」ばかりではやる気も失せる事でしょう。)

良い問題解決の第一歩は敵対となりがちな正対ではなく共に問題解決するための場を作ることです。問題を共通の課題とする事が出来るようになると、部下がこれまで言えなかったアイデアや改善を提案するようになります。

自分ごととして捉える第一歩です。

 

【自分ごとにするポイント】

まずは、ホワイトボードや壁面を中心に置いて会話をしてみる。「私はこう思う。」で会話をリードする事がポイントです。部下が「私は~」と言えるような場を整える事に留意します。

 

第4章1節 GROWモデル

GROWモデルでゴールを目指します。

GROWとは、
・G=Goal
・R=Reality
・O=Option

・W=Willの略です。

ゴールと現状の差異を常に見える化し考えさせ実行させるサイクルを定着化させていきます。

GROW質問例

1.GOALのQ:あなたの今月の目標は?

     (本人に自覚させる)

2.R=RealityのQ:それに対して現状はどうですか?

    (オープン質問で広げる)

3.O=OptionのQ:どうすれば達成できますか?

    (オープン質問で、複数の対策を考えさせる)

4.W=WillのQ:では、何から始めようか?

     (オープン質問で、最初の一歩行動、実行量を問いかける。)

     ( クローズ質問で部下に実行宣言させる)

 

※「間」

問いかけで自ら考え、実行出来る部下を育てます。
人は質問されると、答えます。質問の種類によって考えさせ、実行力を高める事が出来ます。
「魚を釣ってやるのではなく、釣り方を教えてあげる。」と説明しています。
以下でそれらの質問の方法について解説します。

 

1・選択肢を広げる
オープン質問と呼ばれる質問の種類です。

「はい、いいえ。」で答えられるのではなく、答えが人によって違います。「あなたはどうしたら良いと思いますか?」
と問われると、「私はこうしたら良いと思います。」
と答えます。

質問の種類は、本書で何度も出てきた5W2Hを使います。
いつまでにやりますか?
どこでやりますか?
誰がやりますか?
何をやりますか?
どのようにやりますか?
と方法を考えさせます。
その上で、

なぜ、その日なのか?なぜ、そこなのか?
なぜ、その人なのか?なぜ、それなのか?
なぜ、その方法なのか?

を問いかける事で自ら考えるようになります。

 

2・考えさせる
問いかけた後で特に重要なのが待つ事です。

なかなか、自分なりに考えたことが無い人にとっては、突然
「あなたはどうしたら良いと思いますか?」と問われても、答えに窮します。そこで、問い詰めるのではなく、一呼吸待ちます。
この間を取る事で、部下は考えても良いんだと理解します。

3・復唱させる

問いかけと復唱で部下に「自分の仕事」として自覚させる
人の話を聞いただけでは、「自分の仕事」として自覚させる道半ばです。部下本人が自分の言葉で話せるようになってようやく自覚出来た状態です。人間は人の話を聞いただけでは、概念としての理解に留まるからです。頭では分かる状態です。
それを自分の言葉で復唱し直す過程で、自分の理解度と不明点、相違点を整理するからです。

4・行動へつなげる
最後に、行動が具体的になったところで、

「じゃ、次回のミーティングの時には〇〇を達成しているって事だよね?」と確認します。
「はい、達成しています。」
「楽しみにしているよ。」と声をかけて終了します。

部下に自分の言葉で発言させてください。
部下は「やらされる」仕事としてではなく、「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。

こうして、上司が「やれ!」と怒鳴るのではなく、部下の自発性を引き出せるようになるのです。

 

 

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・大変わかりやすいものでした。
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【ケーススタディ8】古参社員撃退

後継社長が悩み苦しむ課題の一つに言う事を聞かない年上の部下の対処があります。
特に前社長から可愛がられていた事を自負し後継社長に対して「面従腹背」の態度で接するので手を焼きます。
(正直辞めさせたいと思いつつも力で辞めさせると社内に悪影響を及ぼすので手をこまねいているという相談は良く受けます。)
このような古参社員に対しては「事実」で対処するしかありません。
以下では創業70年3代目の製造業の事例を紹介します。

その会社では前社長が亡くなり後継社長が40代で事業を引き継ぎました。
後継社長の悩みは言う事を聞かない営業所長の対処法でした。
この会社では営業マンは実績を上げると営業車(自家用車)を会社が支給しその他諸々の手当をつけて優遇していました。
病院や接骨院業界のルートセールスが中心ですので営業は関係性重視の仕事です。
会社員としての営業というより個人の営業代理店のような性格を帯びています。
業界は小規模の個人事業者が中心で担当地域内での競合が激しい状況でした。
待遇が悪いと競合他社へ転職したり独立する業界です。
前社長も営業所長の引き留めに苦労した結果、特別扱いとなっていました。
60歳代後半の営業所長は自分の営業所を私物化していました。
朝はお客様先への直行、夕方は直帰で会社の経費で毎日のようにお客様と飲み歩いていました。

日中どのような仕事をしていたかは誰も把握できていませんでした。

前社長同様後継社長も営業所長の対応には困っていました。
私が後継社長と知り合ったのは彼らが組織再構築を図っている時でした。
当時は、毎月1回の営業会議にすら理由をつけて参加していない状況でした。
そこで、営業部長から文書(メール)で連絡しました。
(その後に記録として残すためです。)全く参加しませんでした。
そこで、営業部長と私とで営業所を訪問する事にしました。
これまでは、営業部長を飛び越えて社長が直接営業所長と話していたので営業部長にとっても営業所長にとってもはじめての経験でした。
営業部長には年上の部下でどう対処して良いか分からず後継社長任せでした。
「あなたにとって年上でも部下には違いないので毅然とした態度で臨んでください。それに、外部の人間が同席していると営業所長は絶対に穏やかな態度で接してきますよ。」
と落ち着かせながら営業所へ向かいました。
(営業部長も40代で後継社長と同年代です。)

営業所長は後継社長ではなく営業部長が来ているのをいぶかしがりながらも穏やかに出迎えてくれました。世間話や前社長の話などの話の端々に後継社長が来るべきだと匂わせていました。

「○○所長、20年近く営業所の責任を担われて大変ですよね。しかも、息子みたいな営業部長が上司というのはやりにくい事も多いかと思われます。しかし、当社は組織として強くなりたいとの意思を表明しました。だから、営業部長から連絡するという当然の筋道で対応しました。人生の先輩としてご理解頂けますよね。また、今後の事を考えると社長が現場を離れる事の意味もご理解頂けると思います。面白くない事もあるかと思いますがご理解ください。」
とあくまでも下手に話を切り出しました。

「当然の事ですよ。私のような老いぼれがいつまでものさばっているのではなく若い子たちに頑張ってもらいたいですからね。」と営業所長が答えました。

(何度もこのような場面に遭遇していますが具体的な話が出るまでは穏やかに進みます。特に営業職の方は対人スキルが高いので感情をあらわにすることはありません。)

そこで、営業部長に具体的な指示を出してもらいます。

「○○所長には、3つだけ約束してほしいのです。1つ目は毎月の営業会議に参加して欲しい事です。2つ目は営業所員の日報を取りまとめて私へ報告してほしい事です。3つ目が直行直帰の連絡です。(一度に多くの事柄だと進まないので3つ程度を限度とします。3つの場合は簡単な事から難しい事の順番にします。)」と営業部長から指示出しをしてもらいます。

○○営業所長は「分かりましたよ。営業会議には参加しますよ。部下の日報もまとめて出しますよ。ただ、忙しいので週でまとめても良いですか?直行直帰についても別に問題ないですよ。だけど、毎日だと出来ないのでこれも合わせて週でまとめる形で良いですか?」と返答しました。(大事な事はこれで終わりにしない事です。復唱して確認します。)

「ご理解ありがとうございます。次回の営業会議は〇月〇日〇時~本社で開催されます。参加されるとの理解で宜しいですね。所員の日報と所長の直行直帰については毎週月曜日の午前中までにとりまとめてメールにて営業部長に送ってください。よろしいですか?」と私が畳みかけます。

「分かりましたよ。その程度の事であれば。」と○○営業所長は答えました。

「ありがとうございます。社長への報告もありますので記録として残したいです。私宛に○○営業所長からメールで今決定した事を記録として送ってください。」としつこく食い下がります。営業所長にとっては面倒くさいながらも追い返す事が出来るのでその場でメール返信しました。

(画像はサンプルです)

その後、時間が経つにつれ報告書が遅れ、連絡が無くなるようになります。

営業部長は、その後もしつこく営業所長に事実で事実を追求します。年上の部下であってもやっていない事実を突きつけられると抵抗は出来ません。

この後は「辞める」を切り札に出してきましたが、辞めるまでに部下への引継ぎスケジュールを作成させて部下への引継ぎを完了させました。

実況中継のため長くなりました。当事者である自分たちだけで対処するのは難しい事です。私たちは外部の人間ですので嫌われ役になる事は厭いません。

 

【自分ごとにするポイント】

好き嫌いの感情ではなく事実をもとに判断します。出来るか出来ないかについては高等な事(向いていない事)以外は教えれば出来るようになりますが、「やるかやらないか」については事実の記録で追及します。全ての古参社員を撃退するのではなく決めたことをやらない古参社員を撃退するのが目的です。

 

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第4章2節 オートクラインとパラクライン


人間が物事を理解する際にオートクラインとパラクラインと呼ばれる仕組みがあります。自分が発した言葉を最初に聞くのは自分です。言葉に出しながら、その言葉を聞いて理解を深めているのです。突然質問されて、「あれ?自分は何でこんなことを言ってるんだろう?」と感じた経験はありませんか?

本人が自覚していない事が他人からの質問により気づき、引き出されるのです。私が質問を多用するのはこうした理由からです。

問いかけが重要な理由としてもう一点、上司であるあなたと部下とでは知識・経験・情報量が違います。しかし、上司は自分の過去を全ては覚えていません。自分にも出来なかった事、知らなかった事が過去にあり、失敗した経験があったはずです。

あなたの経験上、あなたには、部下がこれから行おうとしている事が予想できます。部下がこれから行おうとしている事が失敗につながる事まで予想できます。だから、あなたは部下がそうならないようにアドバイスをするのでしょう。しかし、経験したことの無い部下にとっては全てが未知の事です。あなたが伝えたことは「頭の中」では理解出来ても、実際には「何を言っているのか分からない」のです。

そこで、あなたは部下に問いかけてください。
「それをやるとどうなるんだろうか?」

「実現させるためには何が問題になるだろうか?」
部下に問いかけながら、不明瞭な点を明らかにしてください。
そして、部下にまとめさせて自分の言葉で発言させてください。

部下は「やらされる」仕事としてではなく、「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。

 

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第4章3節 学習ステップ

 

物事を全く知らない段階から出来るようになるには学習の4ステップと呼ばれる段階があります。

1.出来ない事を知らない=無知→2.知る →3.意識して出来る →4.無意識に出来るの4段階です。

これらの各ステップを知ったうえで人材育成プログラムを作って欲しい。学校を卒業したての新入社員であれば、ほとんどの事が「1」の状態です。中途入社の社員で同業他社で同様の仕事をしていた場合でも自社については新入社員同様です。新入社員に比べたら時間は少なくて済むが上記のステップを経る事になります。上記のステップを踏まえたうえで教育するプログラムが必要となります。

・手順

1.知識情報を提供し概要を理解させる

2.知っているが出来ていない事を実感させる

3.出来るまで量稽古を積ませる

4.無意識にできるレベルに体に覚えこませる

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ褒めてやらねば、人は動かじ。」は山本五十六の言葉。出来ないから出来るへのステップアップで重要なことは上司の率先垂範と量稽古です。

自動車の運転免許を取得した時のことを思い出してほしい。初めて教習所に行ったときにどのような気持ちだったでしょうか?「みんな運転しているんだから自分でも運転できるだろう。」と思いつつも不安だったでしょう。学科で知識や情報を教えられ、横に教官が乗った状態で教習所内のコースを何度も運転した事でしょう。知らない=無知の状態から知識を得て安全な場所で何度も運転することでようやく「意識すれば出来る」状態になりました。更に何度も運転することで無意識に運転できるようになりました。無事に免許を取得し、プライベートで運転したり仕事で運転する事を繰り返し無意識で運転できるようになりました。音楽を聴いたり、会話をしたりしながら長距離ドライブにも行けるようになりました。

仕事も同様です。最初はスーツにネクタイ姿もままらなず「おっかなびっくり」で出社した時期があったはずです。上司や先輩に教わりながら仕事を覚えていきました。やがて一人で無意識に仕事が出来るようになったのです。随分昔の事で忘れた人もいるかもしれませんが。このように新しい物事を知り出来るようになるためには必ず学習ステップの階段を登ります。

上司は部下が今どの段階にいるのかを知ったうえで教育して欲しいものです。

 

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【ケーススタディ9】定着しない今どき社員

当社のお客様は3K職場が非常に多いのが特徴です。
当社がこれまで関わった業種の中で牧場、畜産加工業、製造業、金属加工業、建設業、建設機材リース業、家事代行業、ハウスクリーニング業、福祉業などは3k職場と言われています。
現場で働く人の定着率を高めたいのはどの企業も同じです。
今回は私が見ていて最も過酷だと思われる牧場の定着率向上の事例について紹介します。

皆さんのご想像通り「相手が生き物」です。生き物は休みません。しかも牛が成長するまでには3年ほどかかります。日本の畜産業のほとんどが家族経営です。子牛を買ってきて育てて出荷する形式が一般的です。種付け、出産、哺乳などは24時間体制ですので家族経営の牧場は敬遠します。

一貫生産の牧場では全ての業務を分担して行います。

種付け(人工授精)や出産対応の部署、生後間もない赤ちゃん牛への哺乳部門。
子牛から成牛にするための育成部門、より大きく育てる肥育部門に分かれます。
牧場長は病気の牛がいないか目を光らせます。
牧場の仕事に憧れて就職希望する人は一定数います。
が、なかなか定着しません。
経験が無い人が出来る仕事は肉体労働などに限られるからです。

いざ働いてみると牛との触れ合いなどへの憧れ以前に大きな牛をもっと大きくする重労働と向き合わなくてはいけません。
数十キロもある藁を集めて牛に食べさせることが仕事です。
軽トラックの荷台に餌を積んでは降ろす事を1日に何度も繰り返す単純作業です。
新人が来ては数か月で辞めていく。早い人では3日と持たないのも無理からぬことです。

私が同行調査した日は7月にしては涼しい1日でした。
しかし、作業服を着て半日一緒に歩いただけで汗まみれで着替えが必要なほどでした。
(全く肉体労働せずに同行するだけでです。)
担当者は黙々と段取り良く仕事を進めます。
「一人前になるのにどれくらいかかるか?」と聞いたところ
「3年くらいかかりますよ。餌を食べさせるだけではなく牛の様子を見ながら異変に気が付かないとダメですからね。」との事でした。
「マニュアルはあるのか?」と尋ねたところ
「ありませんよ。見て覚えるしかないです。」との答えでした。

同行調査の結果を経営陣に報告し牧場の仕事のマニュアルと教育プログラムを作成する事となりました。

短期間で辞めてしまう人は誰に相談したら良いかも分からないまま辞めてしまっているのではないか?との仮説を立てました。
最初の1週間は牧場全体の仕事の流れや牛が産まれてから市場へ行くまでの流れを概観させるようにしました。
次の1週間からはそれぞれの部署で先輩と一緒に働くようにして1か月間で全部署を経験出来るようにしました。

2か月目からようやく肥育部門で先輩について牛に餌を食べさせる仕事をさせるようにしました。肥育部門の仕事は変わらず肉体労働ですが牧場全体の仕事を知り自分の役割を理解し自分の将来像が見えてきたことが離職率低減の大きな理由でしょう。

 

【自分ごとにするポイント】

学習ステップを踏まえた教育プログラムを作成する事がポイントです。
物事を全く知らない段階から出来るようになるには学習ステップと呼ばれる段階を昇ります。
人材育成の際にこのステップを知らないと「何で出来ないんだ!」と怒鳴り散らす事になります。

 

第4章4節 進捗状況を見える化

進捗状況を見える化する事で実行力を高める事が出来ます。上司の言うことに口では「はい」と答えながら行動しない面従腹背社員が多い会社では効果的です。「私は危機感を持って仕事をしています。」と言うのは誰でも言えます。口が上手な人や演技が上手な人はより「らしく」見せる事が出来ます。本当に危機感を感じていても伝える事が下手な人は傍から見れば、「あいつ、危機感ねえな。」となります。(世渡り下手)とも言えます。意識は見えないからです。問題や進捗状況を見える化することで意識の見える化が可能となります。
あなたの会社では危機を見せる事で行動に繋げていますか?

もっとも簡単な方法は目標対実績の進捗状況の見える化です。東日本大震災の時の夏に電力消費予想が毎日テレビで流れていました。視聴者は知らず知らず節電の意識付けがされていました。黄色や赤の色は目に飛び込んできます。自社でも色分けした進捗確認表で社員に見える化します。A4の用紙に今月の目標と実績を記入しクリアファイルに挟み込みます。

毎日の目標を朝出社時に記入します。退社時に実績をクリアファイルの上から記入します。目標を達成したら青、達成できなければ赤で記入するだけです。

・道具:クリアファイル進捗確認表

・コツ:瞬時に見える場所、見える形で実施します。「パソコンを開かなくては見えない。」や、印刷したものを貼り付けるのでは継続できないからです。誰にも見える場所で誰でも簡単に更新できる方法で実行する事がコツです。

【ケーススタディ10】食器棚で進捗状況を見える化

川崎市にある新聞販売店では、食器棚の脇に物品販売の目標と実績を対比しています。昨今の少子高齢化や紙離れ、活字離れの影響もあり新聞購読者を増加させるには厳しい社会環境が続いています。彼らの会社では新たな売上の確保のために物販に力を入れています。しかし、新聞以外の販売の経験もノウハウもないため、「頑張ろう!」の掛け声だけでは人は動きません。皆の見える台所の棚にクリアファイルを貼り更新する事で目標達成に対する意識付を行っています。

見える化による成果は、見えると動けるを実感できる事。今まで数字は他人事だった社員の目の色が変わる。これまで導入した企業では必ず実績が向上した。過去の事例では前年比140%以上の売上実績を計上した会社もあった。次はあなたの会社の番です。

 

【自分ごとにするポイント】
クリアファイルへ数字を記入する時に部下と一緒に実施します。
「どの辺だとみんなが見てくれるかな?」
などと声をかけながら一緒にやると自分ごととしやすいです。

 

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第4章5節 ショートインターバルコントロール

週次の進捗確認で計画と行動と結果のズレを極小化します。短期間に修正改善を実行する事で目標達成の確度を高めます。1週間ごとの途中指標を定めることにより、「なぜ、出来ないんだ!」と怒鳴りたてるのではなく、上司と部下とで改善策立案が可能となります。1カ月単位で進捗状況を確認すると修正、改善が後手に回り時として「取り返し」が付かないこともあります。1週間程度の短期間であれば修正、改善を繰り返す事で計画を実現できます。私たち外部のコンサルタントが効果を発揮するのは、週一回程度定期的に訪問するため外圧として機能するからです

【ケーススタディ11】知的腕力を行使する

ある会社の新規開拓プロジェクトで、期日までに担当者がテレアポをしていなかった。「今すぐ電話しなさい。」と伝え担当者は渋々電話した。担当者が電話している間は会議を中断した。自分が電話しなかった事で他の参加者に迷惑をかけた事を自覚させた。その日以降、担当者は決めた事は必ず実行するようになった。このような強制力を働かせる必要がある。

私たちは、客観的に計画との進捗状況を確認します。前回訪問後に突発的なアクシデントが起こっても、決めた日程に訪問し、決めた事が出来ていたかを確認するだけです。出来ていなければ、「今すぐやりなさい。」と厳しく知的腕力を発揮します。

知的腕力を行使できるようになると、部下に対する接し方にメリハリがつきます。硬軟両方の対応で部下の力を引き出し伸ばすことが可能となります。

【自分ごとにするポイント】

ポイントは事実で叱る事です。ケーススタディ7と同様です。
「やったかやっていないか?」に焦点をあてます。

 

第4章6節 継続≠反復

千日が鍛、万日が錬。という言葉があります。宮本武蔵の五輪書が出典です。石の上にも三年=鍛。その道を極めるには三十年=錬。

私の会社員時代の上司が60歳頃に言っていたことを思い出します。接待が終わりお客様をタクシーに乗せた後、山の上ホテルのワインバーで飲んだ時の事でした。「俺はずっと営業一筋でやってきた。ようやく最近だよ。営業って仕事がこんな感じだな~。って分かってきたのは。」その上司は、それまでの薬局ルートから量販店ルート、コンビニルートを開拓した業界では知らない人はいないほどの人でした。いつも自信を持って堂々とした仕事ぶりでした。30歳そこそこで営業として自信をもっていた私はこの話を聞かされてショックでした。他にも、ローマは一日にして成らず。など古今東西継続に関する諺は多くあります。継続する事が難しいからこそ、こうした諺があります。

私はセミナーの最後に受講者の皆様にお伝えする事があります。
「継続と反復は違います。」
毎日、同じことを続けるのは継続ではありません。それは反復です。
毎日、改善を続ける事が継続です。

ある会社の事業承継の支援をさせて頂いた時に、会長と社長(親子)と飲む機会がありました。その席で会長(父親)が私に向かいつつも息子の社長に伝えた言葉があります。
「毎日その日を振り返り、今日1日上手くいったことと上手くいかなかったことを振り返った。うまくいかなかったことについては明日はどうしようか?を考えて寝る事にした。酔っ払って帰ってきても寝る前にこの事だけは考えた。他に大した事は出来なかったけど50年間毎日続けたから今があるんです。」本書でお伝えしたかった事は組織図で組織を設計し企業が永続するための方法です。
組織図は作って終わりではありません。最初は1ヶ月に1度程度見直し機能、責任者、職務内容について加筆・修正の改善を加えてください。

どうか皆さんに置かれましては、
短期決戦ではなく長期的に生き残る組織を作り上げて欲しいものです。

皆様のお役立てれば幸いです。

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※読者の皆様から多くのご感想を頂いています。
(一部抜粋してご紹介いたします。)

・会社を息子に引き継がせようと思っています。
そのための参考にしたいと思います。

・組織内の課題抽出、解決法を学ぶ上でそもそも
組織の在り方自体の参考にさせて頂こうと考えております。

・大変わかりやすいものでした。
10年目の今だからもう1度必要と感じています。

・「はじめての組織図の作り方」の記事を拝見し、
自社(30人規模)
の実情と照らし合わせ興味を持ちました。
組織図の作り方、参考にさせていただきます。
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【ケーススタディ12】退路を断つ

責任者自らが部下を招集し「発表会」を開催することが最も効果的です。
後継社長の場合は新規開拓や新事業のキックオフが良いでしょう。

一方部下にとっては「ただでさえ忙しい中、上司の発表に付き合わされる」
という否定的な状況を敢えて作りだすことになります。
それでも実行する事で上司の本気度が伝わります。
年度経営計画発表会などの場があれば最適です。

週次、月次の営業会議であっても、招集前に事前に目的を告知することで「いつもと違う感」を演出することが出来るため効果を発揮させることが可能となります。

ただし、「あなたが本気で無いと部下には伝わります。」

あなた自身のコミットメントが試されます。

実際に上司の宣言がうまく部下に伝わった場合は

「いつもの部下の顔が良く見えなくなって足が震えてきたんですよ。何かとんでもないものに憑かれたようでした。発表が終わった後には、もう後には引けない。って感じで自分自身が何か吹っ切れたようでした。それにしてもあんなに疲れたことは今までありませんでした。」と言った感想になるようです。

一貫生産の牧場では都内のオーナーシェフの新規開拓を目標としました。営業本部長が全社員の前で発表しました。「自分で食材を仕入れて調理している、味の分かるシェフであれば一度でも食べてもらえば、他の肉との味の違いが必ず分かるはずだ。」そこで、DMではアンケート形式で希望部位を問う形にしました。食材を探しているオーナーシェフは想定以上に多く、また、当初、こちらが想定していた部位とは違う部位の希望が多くありました。実際にサンプルを試食したシェフには好評でその後の受注へと繋がりました。しかし、最初からうまく行ったわけではありませんでした。シェフと商談できるのは1日に2時間だけ。本部長一人で訪問していては対応出来ません。週次のアクションプランを見える化していたので他の営業部員が手分けして商談に行きました。

 

【自分ごとにするポイント】

リーダーが自分ごととして発表し退路を断つことです。
工程を見える化すると周囲に必ず伝わります。
他の社員もリーダーの動きを自分ごととするようになります。
テレビや映画の主人公に感情移入するようになります。裏返しになりますが嘘や演技は必ずばれます。(役者じゃなくリアルなんでね。)

 

 

コラム:社長は暇になりません。

強力なリーダーシップでぐいぐいと引っ張っていく。組織が成長していくのであれば良いのだが、膨張であればその先は崩壊しかありません。社員数が30人を越えた頃に現れるのが組織化の問題です。これまでは全ての案件に対してトップが判断していたのが現場の管理職に判断させなくてはいけなくなる。そこで判断を委ねる仕組みを導入しなくては社長も現場も疲れてしまいます。私たちが毎回実施している原則が経営の会議体と現場代表の会議体の2つを両輪のように回す事です。

強烈なリーダーシップを持つカリスマ社長が参加できるのは部門長会議までと決定してしまいます。部門長・管理職レベルで通常の業務のPDCAサイクルを回せるようにする事が組織化と直結します。

よく、「社長は暇になるのでは?」との質問を受けます。

しかし、実際は決して暇にはなりません。

理念浸透させるためには、これまで言語化されていなかった創業の背景から現在までの経緯の言語化作業があります。パワーポイントで作成しても良いですし、エクセルの表を埋める形で作成しても良いでしょう。創業メンバーが知っているけど後から入った人が知らない事を言語化して伝えるコンテンツを作成する作業です。

それ以外には、外部に対する広報活動もあります。社内向けのコンテンツを編集しなおして外部向けに作成します。また、我が社は何を目指すのか?について将来ビジョンを指し示すのも社長の仕事です。ビジョンを描くのはデスクワークだけでは完了しません。現場を離れてもやる事は多く暇にはなりません。

私たちが現場を離れた社長に出す宿題の一例です。

・当社の理念は?(当社は何のために存在するのか?)

 →エピソードや他の事例などで言語化する。

・当社は何を目指すのか?(VISION)

 →夢的な内容だけではなく、5年後の外部環境を予想し計画まで落とし込む。

・同業他社との違いは?

 →数値化、見える化して全社員が外部で発信出来るようなツールを作成する。

・今後の自社の人材採用・育成計画は?

 →人が来たくなる会社を伝えるツールを作成、情報発信する。

・新商品や新サービスの開発

 →現場を離れた視点だから出来る事があります。具体的計画に落とし込みましょう。

他にも現場を離れるからこそ出来る事が多々あります。

冒頭に申し上げた通り、社長の悩みは尽きません。

現場を離れて新たな悩みに飛び込みましょう。

 

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・会社を息子に引き継がせようと思っています。
そのための参考にしたいと思います。

・組織内の課題抽出、解決法を学ぶ上でそもそも
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