人と組織の悩み“あるある” 【2019年11月】

毎月1回「人と組織の悩み“あるある”」と題して、
私が会社員時代を含め、この15年間に直面した人と組織の悩み“あるある”事例とその解決策を紹介いたします。
当ブログの記事「はじめての組織図」などでは組織作りの考え方をお伝えしています。
しかし、皆様の会社が直面している悩みは百社百様です。
自社だったらどうすれば良いのか?
とお悩みの皆様のお役に立てればと思い執筆しました。
皆様の会社の課題解決の参考になれば幸いです。

それでは、早速あるある事例をご紹介いたします。

私が働いていた会社の事例を紹介します。私の上司が正に営業職人でした。
私が入社した時の上司である営業部長のI氏は入社以来営業畑一筋30年でした。
スーパーやコンビニエンスストアでも販売できる一般用医薬品を新しいチャネルを開拓する職人でした。
独自の嗅覚と人脈は誰も引き継ぐことが出来ませんでした。
その職人要素を数値と図で見える化して引き継いだ方法を紹介します。
I氏は変化する流通チャネルの波に乗りました。
ダイエーなどのスーパーマーケットが勃興した時には業界の誰よりも早くバイヤーとの人脈を築きました。
その後コンビニエンスストアーが流行り始めると本部との人脈を。
ドラッグストアーが流行り始めるとバイヤーとの人脈を。という具合でした。
I氏の得意技は寝技でした(笑)
接待などの席で多くの情報を収集していました。今どきの若い人がもっとも苦手とするところです。
「俺と同じようにやれ!」は出来ません。
そこで、I氏の持っている情報を聞き取りながら人間関係の相関図を作成しました。
スーパーマーケットからドラッグストアへ転職した人たちは多くいます。
それらの人たちの相関図を見える化し共有する事で営業部内で作戦を立てやすくなりました。
店舗のレイアウトや商品構成はそれぞれのバイヤーが元いた会社でのやり方が踏襲されます。
営業で訪問する際に、どのような提案方法が好まれるかをシミュレーションした上で提案する事で採用確率が高まります。
I氏の属人要素を分解して相手のバイヤーの好みを把握出来るのが当社の競合他社に対する強みとなりました。
新しい業態へのチャレンジについては相手企業の傾向をZグラフで見える化する事で「攻めるべきか」の判断材料としました。
当時は「?」マークがついていたドン・キホーテやバラエティストアなどに積極的に攻めることが出来たのはこの傾向分析のお陰でした。
また、I氏は問屋さんよりも店頭との関係を重視していました。
この考え方を引き継ぎ各営業は店舗巡回を強化しました。
当時の業界では、問屋への押し込み販売。問屋から店舗への安売りの流れでした。
この流れを「店舗での販売増→問屋での販売増」の流れと変えました。
I氏のような深い人間関係を構築できていない一般の営業は、いきなりバイヤーへの商談は出来ません。
そこで、店頭状況についてのご報告という形で商談をするようになりました。
各店舗を近隣の競合店舗を含めて巡回したメーカーの人間として感想を交えた形の商談によりバイヤーからの信頼を獲得できるようになりました。
営業職人でなくても、「見える化」により属人要素を排除できるようになった事例として紹介しました。