自分ごと組織づくり5つのポイント 【ケース5】

当ブログは社員数30人から社員数100人程度の中規模、中企業を対象としています。
人と組織の潜在力を顕在化する組織作りのプロである内海透が執筆しています。
組織作り、組織改革、組織再構築で他人ごと組織を自分ごと組織にするポイントを記しています。

【ケース5】誰も全体最適を知らない
大企業では人事異動が行われます。ゼネラリストが良いかスペシャリストが良いかの議論の余地がありますが会社全体の業務の流れを分かるという意味では良い制度だと思います。中小企業では入社して就いた仕事を退職まで全うする事も珍しくありません。

100年企業、社員数100人規模の製造業の事例をご紹介します。

私の上司の営業部長が社長になりました。営業部長としての実績は素晴らしいものがありました。個人薬局からスーパーマーケット時代、そしてドラッグストア時代の変化を先読みし各業界のキーマンへ食い込み中小企業ながら大企業と肩を並べて戦ってきました。担当バイヤーレベルではなく社長にまで食い込んでいました。スーパーマーケットの雄であったD社やドラッグストアのM社で当社商品が大手メーカーの中で取り扱われていたのはその営業部長の功績でした。しかし、入社以来40年営業の仕事しかしていなかったために営業以外の仕事を出来ませんでした。それでも何とかなったのは前社長がカリスマ社長だったからです。
前社長は30代の頃に会社存続の危機を救いました。各部門の部長はカリスマ社長にお伺いを立てて「イエス」をもらう事が仕事でした。ですので、営業部に限らずどの部門長も社長の「イエス」をもらう事がゴールでした。ポイント1で紹介した文鎮型組織そのものでした。
営業部長の社長就任時に私も社長室へ異動しました。そこで、私は新社長と他部門の部長と一緒にグループワークを行いました。拙いファシリテーションスキルながら各部門の業務の一連の流れを共有しました。その上で会社が利益を上げるための最適は何かを議論しました。検証過程で営業部からの「至急、なるべく早く」への対応ばかりだと製造計画が驚くほど変更されることを目撃しました。計画通りに製造する場合と緊急対応の場合では製造原価が1桁違う事も判明しました。私は営業出身でしたので自部門が会社の全体最適の阻害要因であることを知りたくありませんでした。しかし、営業部門に伝達して「どの程度早く対応すべきなのか?1日、2日、あるいは1週間待ってもらえないのか?」と営業部員がお客様へ確認するようになりました。

その後、独立後も多くの企業を見てきましたがどこの企業でも全体最適を知りませんでした。このため管理職会議の一部の時間で研修として実施しました。管理職層が全体最適を理解できるようになるとすぐに着手出来る事が驚くほど多くあります。まずは、全体最適を知る事の重要性を実感しています。

【自分ごとにするポイント】
製造業の製造部門であれば原料が仕入れられて製品になるまでの工程、営業部門であれば受注を受けて納品、回収までの工程、間接部門であれば伝票やお金の流れや入社から退社までの労務管理の流れなどと各部門の流れを洗い出します。ホワイトボードや模造紙上で各工程での漏れやダブりについて検証します。他部門で手伝える事を発表できるような場を醸成できれば活発な議論が出来ます。

 

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