組織改革 方法 中小企業

組織改革 方法 中小企業 19.マニュアル

第4章3節.2・マニュアル

当ブログの対象。社員数30~100名の中規模企業。創業社長のカリスマとパワーで急拡大した組織や社長が代替わりしたばかりの組織。部門間の縦割り。トップと現場とのギャップが大きい。などでお困りの経営者、幹部、意欲ある中堅社員(チェンジリーダー)。

 

「何事も小さな仕事に分けてしまえば、特に難しくない。」

とはマクドナルドの仕組みを作ったレイクロックの言葉です。

彼は、業務用ジューサーのセールスマンを経て50代でマクドナルド兄弟からハンバーガーショップの権利を買い取り、フランチャイズ展開で世界的企業に育て上げました。マクドナルドの味はマクドナルド兄弟。仕組みはレイクロックが作り上げました。組織化とは仕組作りに他なりません。新入社員をぶらぶら遊ばせる事なくすぐに仕事を出来るようにするためにマニュアルは欠かせません。出来ない人が出来るようにするためには、「箸の上げ下ろしレベル」まで分解されている必要があります。出来れば「見てすぐに分かる」イラストや動画で解説出来れば尚良いでしょう。仕事を人に教えるときや標準的な仕事を共有化するためにマニュアルを作成している会社は多い。しかし、マニュアルのレベルがまちまちだったり、ずいぶん前に一度作って更新がされていなかったりします。せっかくマニュアルを作っても使われないのであれば意味がありません。随時更新して使えるマニュアルとしたいものです。あなたの会社では箸の上げ下ろしレベルに分解されたマニュアルを用意し更新していますか?

マニュアルはそれを理解できれば誰でも同じように再現できる方法です。「〇さんだから出来る」の属人的要素を排し、正しい手順通り行う事で誰もが再現可能となる方法です。

マニュアル作りには欠かせない3つの要素があります。

1.手順、2.道具、3.コツです。例えば、掃除を例として解説します。掃除の手順は上から下に(天井から床にかけて)掃除をします。なぜならゴミは上には上がらず下に溜まるからです。また、真ん中から四隅に向けて掃除する。ゴミは隅に溜まりやすいからです。一つ一つの手順が理に適っているため誰が行っても同じように掃除が出来るのです。道具については、ほこりを集めるホウキや塵取りを最初に使い用途に応じた洗剤や雑巾を使い汚れを落とします。最後にワックスなどで磨きます。場所によっては乾拭きをします。コツ(独自の方法)については昔であれば一子相伝的に現場を一緒に経験しないと伝わらない事とされていました。しかし、現在ではこのコツをどのように社内で素早く共有できるかが会社の競争力の源泉となります。江戸川区の会社では、毎週木曜日の早朝勉強会で気づきを共有しパートさんも月1回の研修会でコツを共有している。

余談になりますが、コツとは骨の事です。表からは見えない本質的な部分でもっとも大事な事との意味が語源です。本来は、OJTのように現場を一緒に経験する事が一番望ましいのですが、事例を通じてコツに触れる事が可能となります。
あなたの会社ではコツをどのように共有していますか?

マニュアルの目的は教育です。最初から全ての仕事を誰にも教わらずに出来る人はいません。皆、何も出来ない所からスタートします。にも関わらず、最初から全て出来ることを期待してしまう。学校を卒業したばかりの新入社員には名刺交換の仕方や挨拶などの当たり前の事から教えます。そして、営業であれば上司と同行してお客様の所へ訪問します。一つ一つの出来る事の精度を高めていきます。それら出来る事を高い精度で組み合わせていくのが仕事です。昭和の時代であれば名刺交換と挨拶ができるようになれば飛び込み営業をさせていました。会社の説明、商品の説明が出来るようになれば一人でお客様を訪問させました。習うより慣れろでした。前述の外周ステップを思い出してください。誰も最初から出来る人はいません。マニュアルを使うことにより標準的な仕事を知る事が出来るようになります。

 

ただし、いきなりマニュアルを作るのはなかなか難しく挫折しやすい物です。まずは、事項でお伝えする仕事の棚卸を実施します。そこで洗い出された仕事を箸の上げ下ろしレベルに分解してマニュアルにします。

 

組織改革 方法 中小企業 18.職務記述書

第4章3節.1・職務記述書

当ブログの対象。社員数30~100名の中規模企業。創業社長のカリスマとパワーで急拡大した組織や社長が代替わりしたばかりの組織。部門間の縦割り。トップと現場とのギャップが大きい。などでお困りの経営者、幹部、意欲ある中堅社員(チェンジリーダー)。

 

仕事を規定するのに最適なツールが職務記述書です。私は中小企業でしか働いたことがありません。職務記述書は外資系企業では当たり前とされているものですが現物を見た事がありませんでした。会社力研究所代表で「社長のノート」などベストセラーもある私の師匠の長谷川先生に現物を見せてもらいました。見た瞬間に、「なぜ、日本の企業では使わないのか?」不思議でなりませんでした。大企業ではなく中企業には必須です。以降、当社では職務記述書を推奨しています。

下記は中規模企業の営業課長の職務記述書とマニュアルをイメージして作成しています。

 

 

職 務 記 述 書

 

作成年月日                         XXXX年XX月XX日

職      名                         営業課長

担  当  者                         氏  名

上      司                         営業部長

 

1.職務のサイズ

1) 担当部署年間売上       XXXX年目標       XXXXXXX百万円

2) 監督する部下の数       XX人

3) 年間経費予算額          別紙経費予算通り

 

  1. 職位の目的

XXX社の営業活動を行うために、営業の○○の担当について効率よい運営・管理を行う。 売上を最大にするために、売上計画・代理店(顧客)政策・人員政策などを計画、立案し、営業部会に提案、承認を得た上で、課員を指揮して課の目標を達成する。

 

  1. 職務内容

1)短期長期にわたるXXX社の販売・市場占有率並びに利益目標達成のため、担当営業課員を組織化し、実行・管理する。

2)売上目標並びに、○○目標数を部員に割り当てると同時に、目標を達成することを命令する。 課員が割り当てられた目標を達成するために、計画を立案するに当たって、適切な助言をする。

3)課員が既存の顧客と常に良好な関係を維持すると同時に、新規の顧客を積極的に開拓することを指揮・監督する。

4)最も効率的で効果的な流通網を念頭に、いつも整備を怠らない。

5)営業部長と協力して、取引制度を整備、適切な利益を確保すると同時に、顧客との友好な関係を維持する。

6)販売活動を効率的に行うため、課員を指揮して計画を立案し、実行する。

7)部門経費を効率的に活用し、利益を最適、且つ最大にするように管理する。

8)目標を達成するために、効率的な運営を心掛け、常に優秀な人材を教育する。

9) 市場調査を実施して、市場・顧客や競合他社の動向について分析、計画に反映させる。

10) セールスマニュアルに従って上司への報告を行う。

 

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上記を参考にして自分の仕事は何か?
を洗い出してください。

中規模企業の場合は、課の分け方は地区割や製品・サービスによる分け方。課員1~5名程度でしょう。売上以外に粗利を目標にされている事もあるでしょう。目標として数字として示されるものは残らず明記しましょう。

経費予算については、移動交通費と若干の交際接待費以外は上司や社長と相談となっている場合が多いでしょう。それでも経費予算を算出し課長が管理する事で会社自体を管理会計が出来る会社へと変革する礎となります。見えない部分ですが何とか定量化したいものです。

私の場合は、新聞図書費として課予算を月間2万円にしました。その予算で部下に毎月1冊、本を読ませました。「ありがた迷惑」だったかもしれません。私の考え方として部下育成のためには部下に本を読ませる事が大事だと考えたからです。あなたも課長として成し遂げたい事があると思います。予算の中で計上し実現してください。

 

 

 

組織改革 方法 中小企業 17.三点セット(職務記述書、マニュアル、評価基準)

第4章3節・三点セット(職務記述書、マニュアル、評価基準)

当ブログは、人と組織の問題に悩んでいる中規模企業経営者、経営幹部を対象に執筆しています。事業承継、世代交代、部門間の縦割り、トップと現場のギャップに「このままではいけない」と思いつつ...ではどうすればよいのか?堂々巡り。当社12年1,800社以上の実績が証明する中堅と現場を巻き込む組織改革法がお役に立つでしょう。

 

仕事を明確化するのに必須な三点セットがあります。職務記述書、マニュアル、評価基準です。以下でこの三点セットについて解説します。

1枚の組織図で経営が見える

コラム:1枚の組織図で経営が見える

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多くの上場企業ではIR情報で組織図を掲載しています。組織図を見れば、この企業は何をしたいのかが明確な意思として伝わってきます。また、「○部門」が強いなどの企業の強みが分かります。「△部門」を強化しているのは△の市場を狙っているなどの経営基本方針が分かります。会社の沿革と合わせて読み解く事で○部門のトップが次期社長候補になるのかも見えてきます。人事異動ではテコ入れなのか失脚なのかも明らかになります。組織図1枚で経営が見えます。

私たちが事業再生コンサルタントとして現場に入る前に最初に組織図を徹底的に読み込みました。

「この部署何やってるの?」

「この人、ここにもいるよね?」

「あれ、この間が無いのは変だよね?」とプロジェクトチームで組織機能についてディスカッションを行います。その上で、現場に入り込みます。現場の動きと組織図の配置の矛盾を見出します。改善のヒントは組織図を読み込む事が第一歩でした。

一方、多くの中小企業には残念ながら組織図がありません。あっても、「なんちゃって組織図」しか無いのが現状です。あれば、改善の着眼点になるのですが、無ければ問題が起きている事すら気づきません。

組織改革 方法 中小企業 16.組織図

第4章2節・組織図

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組織改革 方法 中小企業 15.会議体(経営会議と管理職会議)

第4章1節・会議体(経営会議と管理職会議)

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組織改革 方法 中小企業 14.経営と現場を分離する組織構築法

第4章:経営と現場を分離する組織構築法

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組織改革以前の組織構築が課題となっています。出来る社長が出来すぎるがゆえ全てを自分でやってしまう。社長は経営、管理職は現場と分離させます。会議体とその運営方法、三点セット(職務記述書、マニュアル、評価基準)について解説します。

組織改革 方法 中小企業 13.チェンジリーダーの役割

第3章5節.チェンジリーダーの役割

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組織を変える先頭を走るチェンジリーダー。格好良いヒーロー、ヒロインのイメージですが楽な仕事ではありません。変える事はこれまでの仲間に嫌われる仕事です。今まで当たり前にやっていた事を否定しなくてはいけません。生粋の生え抜きの人が担う役割としては重たいものです。

だからでしょうか、余所者、若者、馬鹿者がその役割を担う事が多いです。と言うのは、現状に適応し現状を是と言わない事が出来る人だけがチェンジリーダーの役割を担えるのです。新入社員以降生え抜きの社員は「現状は是」と言う事に違和感を持ちません。中途入社、外部の人間などがチェンジリーダーとなる事が多いのは上記の理由です。

私が100年企業のチェンジリーダーとなったのは生え抜き社員ばかりの環境の中で中途入社した経歴も理由の一つになりました。

トップの腹の括り方も大事です。部下にとっては「はしごを外される。」事が一番の恐怖だからです。これをやられた部下は会社を辞めるしかなくなります。

しかし、逆説ですが、チェンジリーダーとして腹を括って会社を変える事が出来る人間は外に出ても仕事が出来る人です。会社に見切りをつけてご自身の道を切り開くのもありです。

 

組織改革 方法 中小企業 12.トップは肚を括り退路を断て!

 

第3章4節.トップは肚を括り退路を断て!

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組織改革はトップにとって大きな試練です。昨日の自分を否定しなくてはなりません。現状は是であったものを否定しなくてはなりません。組織改革が頓挫する最大の理由はトップのブレです。変革の途中で何度もトップの本気度が試されます。そのたびに振り回されていたら組織改革は出来ません。最初に決めたゴールは現在地と違います。そのゴールに到達するまで止めない!途中で止める事=変革を志した一部の社員のはしごを外す事となってしまいます

それだけなら良いですが、トップの信頼が完全に失われます。次はありません。

 

 

 

組織改革 方法 中小企業 11.諦めの壁

第3章3節.諦めの壁

当ブログは、人と組織の問題に悩んでいる中規模企業経営者、経営幹部を対象に執筆しています。事業承継、世代交代、部門間の縦割り、トップと現場のギャップに「このままではいけない」と思いつつ...ではどうすればよいのか?堂々巡り。当社12年1,800社以上の実績が証明する中堅と現場を巻き込む組織改革法がお役に立つでしょう。

 

私たちコンサルタントは企業の問題や課題に直面する事が仕事です。

中小企業が抱える問題や課題は、ほとんどが人が原因です。人が持つ変化を拒む壁を取り払うのが私たちの仕事です。変化を拒む壁には3つの壁があります。1つ目は認識の壁です。人間は自分の見たいように物事を見て、聞きたいように聞くため、会社の目標は、個人の認識の違いにより都合よく解釈される事になります。理解していると思っている事も、各人の思い込みにより、違った認識となります。現在の状況が変化を必要と認識している人とそうでない人とが同じ会社の中にいれば、会社全体の変化を起こせるわけがありません。私たちは、認識が違う前提で企業の中に入り込みます。そして、「あなたの認識は違っていますよ。」と事実を根拠として本人に気付かせます。2つ目は行動の壁です。人は物事を認識し行動します。しかし、過去に失敗体験があると、行動しなくなります。また、過去の成功体験があれば成功体験に固執してしまい変化を拒んでしまいます。失敗の恐怖心を取り除く事と成功体験に固執している事実を事実として伝えて変化の触媒になります。

3つ目は仕組みの壁です。会社に仕組みが無ければ個人個人が勝手に成果を求めて行動します。個人商店の集まりになってしまいます。組織としての効率は上がりません。誰もが当たり前のことを当たり前に出来る仕組みを構築する事が必要となります。

上記の3つの壁が、社員の心理に「諦めの壁」を作ります。入社した当時には持っていたであろう「良い仕事をしたい」「成功したい」という思いが、いつの間にか自ら「諦めの壁」を作って変化を拒むようになるのです。「粉骨砕身頑張ります。」と言っていた社員が3ヶ月もすれば何事もなかったかのように「会社がダメ。上司がダメ。社長がダメ。」というようになります。骨は削らなくてもせめて皮くらい削れよと思いますが。失敗はとりかえしのつかないものではなく、そこから学ぶべきもの、と見ることができる人たちだけが、成長できるのです。