組織図作り方 考え方 中小企業

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はじめての組織図の作り方

はじめての組織図

~家業を企業にするための組織作りの設計図~

 

目次■

はじめに:その悩みは1枚の組織図で解消出来ます。

第1章:中小企業の悲しい現実

第1章1節.意味が分からない組織図

第1章2節.文鎮型組織図も様々

第1章3節.歯抜けピラミッド型組織図

コラム. 1枚の組織図で経営が見える

第2章:組織図は組織作りの設計図

第2章1節. 経営と現場

第2章2節.組織は戦略に従う

第2章3節. 機能別組織図の作り方

第2章3節.1・提供する:開発と提供(製造・サービス)

第2章3節.2・売る:マーケティングと営業

第2章3節.3・人:人事と労務

第2章3節.4・金:財務と経理

第3章:個人の仕事を明確にし組織を動かす

第3章1節.三点セットで仕事を明確にする

第3章2節・職務記述書

第3章3節・マニュアル

第3章3節1・手順

第3章3節2・道具

第3章3節3・コツ

第3章3節4・評価基準

第3章4節・仮説と検証で精度を高める

第3章5節・行動パターンを踏まえた適材適所

第4章.組織力を高める会議

第4章1節・目的別会議体

第4章2節・会議運営の手順・道具・コツ

第4章2節1・手順

第4章2節2・道具

第4章2節3・コツ

第4章3節・実行力を高める

第4章3節1・GROWモデル

第4章3節2・学習ステップ

第4章3節3・進捗状況を見える化

第4章3節4・ショートインターバル

第5章横串で全体最適を図る

 

【人と組織に悩む中小企業の社長、営業部長必読】
家業を企業に変える組織の作り方
~事業再生コンサルタントが伝授する90日で組織を作る方法~

 

本書の目的:人と組織に悩む中小企業の社長を対象に組織作りの方法を解説します。

☑社長が頑張れば頑張るほど売上が下がる。

☑社長が頑張れば頑張るほど社員が言う事を聞かない。

☑社長が頑張れば頑張るほど社員が辞める。

そんな悩みを抱えている中小企業経営者が本書を読み実践する事で社員が頑張る組織を作れるようになります。

 

はじめに:その悩みは1枚の組織図で解消出来ます。

私が30代半ばの頃の実体験です。100年企業100人規模の会社員時代に上司の営業部長が社長になりました。私は社長側近として社長室に異動となりました。それまで、「社長はゴール」だと思っていたのですが、全く違いました。

「何でこんなに言っても分からないんだ!」「そんなことまでオレに聞くなよ~」と、目先の事に振り回されつつ、「この先どうしたものか?」と将来を考えなければならない。「社長って大変な仕事だな~」を肌身に染みて実感しました。(サラリーマンのゴールが社長だなんて飛んでもない話です。)社長と一緒に経営の現場で苦楽を共にしました。当時の会社員時代の経験を他でも活かすべく独立しました。その後、12年以上、1800社以上を支援、指導してきました。

「何で私にばかりこんなにも悩みが降りかかるんだろう?」

「私だけ特別不遇、不幸なのでは?」

とお悩みの経営者の方に毎回必ずお伝えしてきた事が、「社長の悩みは社長を辞める時まで尽きません。」という事です。企業の成長に合わせて社長には違う悩みが降りかかる事を事前に知っておくだけで気持ちに余裕を持てます。

 

企業は創業から一直線の右肩上がりでは成長できません。成長の踊り場で力を蓄え、次のステージへと成長します。

創業時に頭を悩ませるのは、「売上」です。0を1にするには、膨大なパワーが必要です。創業期の会社に熱気があるのは、1つの目標=売上に向けて全社員が一丸となっているからです。昼は営業活動。夜は資料作成や商品開発。会社に泊まり込む事もしばしばです。しかし、ある程度売上を上げる仕組みが整ってくると、違う悩みが経営者を襲います。それは、組織化や仕組化です。創業期の熱病にとりつかれて働いていた仲間とは違う人種が入社してきます。創業メンバーとの仕事に対する取組み意識の違いなどに困惑し、「なぜ、出来ないんだ!」と怒りをぶちまけてしまう。益々溝が深まる。場合によっては、労基(労働基準監督署)に走り込まれて「パワハラ」と訴えられたりと…。

これまでの創業メンバーでは起こらなかった問題が噴出する。なだめようと飲み会に誘うと「それは、仕事なんですか?残業代出るんですか?」とこちらが萎えるような返答しか返ってこない。

このような問題に振り回される時期は、会社を組織にしなくてはいけない時期に突入したと考えるべきです。

・経営層は何をすべきか?

・管理職は何をすべきか?

・現場は何をすべきか?

を明確にし、これまでのやり方を変える時期です。

当ブログでは組織化しようと考えている会社が真っ先にやらなくてはいけない事として組織図の作り方を解説します。たかが組織図ですが、社長の意思を込めた組織図を作成する事で組織を動かす事が出来るようになります。大げさではなく「たった1枚の組織図」で組織化の悩みが解消されます。

 

アフリカに

「早く行きたいなら一人で、遠くへ行きたいならみんなで行け

(If You Want To Go Fast, Go Alone. If You Want To Go Far, Go Together)」

という諺があります。

人はより遠くへ行くために組織を作ったはずです。

あなたが組織を作り社員と共に遠くを目指すのであれば当ブログが参考になるでしょう。

 

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第1章:中小企業の悲しい現実

「凄いパワー、素晴らしい気づかい、早い仕事。誰よりも早く出社し誰よりも遅くまで働く。他を寄せ付けない圧倒的存在感。」の創業社長とお会いするとこちらもその魅力に引き込まれます。ただし、彼らの魅力はあくまでも個人としての魅力です。そのようなスゴイ社長の会社でも「いつか会社を組織化したいと考えつつ「どうしたものか?」と立ち止まっている会社が多くあります。これまで私は1800人以上の中小企業経営者とお会いしてきました。経営相談を受けると多くの中小企業では組織図がない状態でした。中小企業が次のステージに昇れずに踊り場でもがいている課題の一つに組織化があります。

☑社員の定着率が悪い。

☑人が育たない。

☑結局社長が全部やってしまう

を繰り返す中小企業の悲しい現実の解決策は、まず組織図を作る事です。

しかし、誰も正しい組織図の作り方を教えてくれません。大企業などの組織で働いたことが無い創業経営者は考え方自体が分からないのです。

だからと言って、社長が全て抱え込んでいつまでも走り続けるわけには行きません。本書では組織図を作る考え方、その後の組織の作り方について解説します。

 

第1章1節.意味が分からない組織図

組織図は会社の機能を見える化した図です。論理的に構成されているはずです。しかし、論理が破綻した組織図を見かけます。縦の指示命令系統と横の機能連携に漏れやダブりがあるからです。経営と現場の境界線を正しく引き機能を正しく連携させるための組織作りの設計図が組織図です。

 

 

例)日本人は未成年と成人に分けられます。

は論理的です。全ての日本人はどちらかに所属します。

bbb

例)日本人は学生と社会人に分けられます。

は、社会人の定義が曖昧なので、アルバイトは?主婦は?定年退職者は?と漏れている人が現れます。一方、社会人向け大学などもあるためダブる人も現れます。論理的と言えません。

中小企業では一人の人がいくつかの仕事を兼務する事は当たり前です。
一人の人が営業部門の仕事で受注して配送部門の仕事で配送を行う事などは良くある事です。

仕事の機能である部門は漏れとダブりが無いように作る。
人が仕事を兼務すると整理すると中小企業でも論理的な整合性がある組織図が描けます。
意味不明な組織図になってしまうのは、組織の機能を前提に考えるのではなく
今いる人を中心に考えてしまうからです。

組織図には意味があります。
あなたの会社の組織図は意味をなしていますか?

 

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第1章2節.文鎮(鍋蓋)型組織図も様々

「トップと現場との階層が少ないため、意思決定が早い。」のが文鎮型組織のメリットです。また、自発社員が多ければ組織は自発的に活動しやすくなります。その一方で全ては社長の判断待ちとなるため、指示待ち社員を増産しがちです。社長の強力なリーダーシップで引っ張る中小企業の場合は文鎮型組織は機能します。が経営責任と現場の運営責任については見える組織図にしたいものです。日本の人件費高騰、人材難は深刻です。コマ=指示待ち社員だけで経営できる時代ではなくなって来ています。

文鎮型組織の特徴は、会議に参加する人数が多い事です。トップが「現場の情報を知りたい。決定したい。即、実行させたい」意図が反映されます。このため、現場からの会議の参加人数を増やす事でトップは現場を把握できるようになります。その結果、トップの現場への介入が当たり前になります。トップが介入する現場は自分たちで考えない現場になってしまいます。

それは、出来るトップに聞けば即座に正解が返ってくるからです。「言われた事はやるけど、自分たちで考えない組織」だとトップが認識している組織は概ねこの状態です。

もう一つの特徴は、トップが部門長を兼任している事です。部長(と呼ばれている人)はいるけれど、実際は社長が兼務している。そのような部門長は自分の職責を全うしません。上記と同様の理由です。

 

第1章3節.歯抜けピラミッド型組織図

社員数が少ない組織では歯抜けは当たり前です。しかし、歯が抜ける部分は誰かが兼務する事で補います。問題は歯抜けの部分が機能の部分の場合です。製造を外部に依頼するのであれば、製造(外部:○○社)で良いのです。しかし、製造の部分が歯抜けだと品質、在庫について誰が責任を負うのかが不明となります。その結果誰も責任を取らなくなります。また、歯抜け部分がマーケティングや商品開発などの会社の頭脳部分の場合もあるでしょう。(本来は頭脳は自社、作業は外注にしたいのですが)その場合でも必ず組織図に盛り込みましょう。組織図とは機能と責任が見える化された設計図なのですから。

 

「○○だけ。」の良いところ取り。商品企画などの華やかな仕事をする人が陥りがちです。「私は考えるだけ。」「私は指示するだけ。」であとは現場が作る。現場が変なものを作ってもそれは現場が悪い。私には関係ない。という他責スタンス。責任の所在を明らかにする必要があります。

 

 

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コラム:1枚の組織図で経営が見える

多くの上場企業ではIR情報で組織図を掲載しています。組織図を見れば、この企業は何をしたいのかが明確な意思として伝わってきます。また、「○部門」が強いなどの企業の強みが分かります。「△部門」を強化しているのは△の市場を狙っているなどの経営基本方針が分かります。会社の沿革と合わせて読み解く事で○部門のトップが次期社長候補になるのかも見えてきます。人事異動ではテコ入れなのか失脚なのかも明らかになります。組織図1枚で経営が見えます。

私たちが事業再生コンサルタントとして現場に入る前に最初に組織図を徹底的に読み込みました。

「この部署何やってるの?」

「この人、ここにもいるよね?」

「あれ、この間が無いのは変だよね?」とプロジェクトチームで組織機能についてディスカッションを行います。その上で、現場に入り込みます。現場の動きと組織図の配置の矛盾を見出します。改善のヒントは組織図を読み込む事が第一歩でした。

一方、多くの中小企業には残念ながら組織図がありません。あっても、「なんちゃって組織図」しか無いのが現状です。あれば、改善の着眼点になるのですが、無ければ問題が起きている事すら気づきません。

無い場合には第2章以降の組織図の作り方をご覧頂き是非作ってみてください。「組織図はあるよ」という方も第1章をご覧いただき、自社の不備な点があれば修正を加えてください。

 

第2章:組織図は会社作りの設計図

組織図を作る時の考え方について解説します。

なかなか組織化出来ないのは設計図を描かずにいきなり組織を作ろうとするからです。現状からの積み上げ思考では組織作りに時間がかかります。それは、「出来るようになったら」次のステップへ進むからです。「本来のあるべき姿と現状の差」が見えるとその差異を埋めるために頑張る方がスピーディーです。あるべき姿を描いてから優先順位を決めて空白部分を描いていく。そのためにも設計図が重要です。

人・モノ・金の経営三資源をどのように機能させるのかを組織図で表します。
中小企業では黄色の現場の部分をいかに効率よく機能させるかが重要です。
社長は黄色い部分を部下に任せ、白い部分=考える部分を担う。
そのためにも黄色部分のマニュアル化が重要です。
黄色い部分のマニュアルを作り、
部下が出来るように教育するのが組織化を目指す社長の最初の仕事です。

 

私の師匠の長谷川先生は、

「どのような組織が最適か?」

との問いに対して、

「経営者が経営しやすい組織が良い組織だ。」と答えています。

 

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第2章1節. 経営と現場

組織全体としてPDCAサイクルを回します。

経営が決定する。

現場が実行する。

現場が検証・改善する。
その結果を経営が検証する。

大きなPDCAサイクルを回すために組織は経営と現場に分かれます。

管理職が不在の会社の場合は全て社長が意思決定を行う事になりますが今後組織化を考える上で知っておきたい事です。

組織と意思決定の関連性

社長と社員数名の時代は社長が意思決定+動く+検証+改善。社員は動く。

社長と社員10名~の時代は社長が意思決定。社員は動く+検証+改善。社長が検証。

社長と社員10名~管理職ありの時代は、社長が意思決定。管理職は部門意思決定+動く+検証+改善。社員は動く+検証+改善。

社長と役員+管理職

と組織の成長に応じて意思決定・実行・検証の場が移ります。

しかし、変わらないのは組織全体でPDCAを回す事です。

組織が機能しないのは、PDCAを同じ人(社長だけ)が回しているからです。

30人を超える規模になってきたら、社長は決定と検証が仕事になります。

社長が忙しく働き過ぎているのは実行に重きを置いているからではありませんか?

 

社長は現場を離れなさいとは良く言われる事です。しかし、本当に現場を離れるとはどういう事なのかイメージが付きづらいですね。

 

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第2章2節. 機能別組織図の作り方(実践編)

これまで組織図の作り方の考え方について解説しました。以下では、実践編として貴社への落とし込み方を具体的に解説します。

 

第2章2節.1・提供する:開発と提供(製造・サービス)

私が中小企業に一番期待しているのが「開発」です。真にイノベーションを起こし世の中を変えて欲しいです。私は事業再生コンサルタントを行っていたので、中小企業には、人・モノ・金の資源が乏しいのは重々承知しています。それでも新商品開発を行って欲しいのです。目先を変えて誤魔化し補助金や助成金でお金を貰う。そんな小手先の商売は止めて欲しいです。お客様にとって良い物、世の中を変えるものを作り出して欲しいです。そのためには「うんと」勉強しなくてはいけません。が、それが出来るのが中小企業だと思います。大企業が過去の「モデルチェンジ」で茶を濁している間に「アイデア」と「スピード」で大企業をぎゃふんと言わしてください。一方、過剰品質で大企業と競うのはやめましょう。中小企業の「おもてなし」「ホスピタリティ」は素晴らしいのですが、それらは全てコストです。マスコミなどで取り上げられれば良いでしょう。しかし、、毎回同じ労力をかけて同じ値段で過剰サービスに陥っている事例を多く見かけます。単純労働はどんどんAI(人工知能)にシフトします。師匠の長谷川先生は「AIが進化しても経営者の勘」には勝てない。経営者は勘を磨きなさい。と仰っていました。プラウドフット代表の長谷川社長とお会いした時に「これからは大抵の仕事はAIに置き換わる。一方で手足を動かし「感覚」を伝える原始的な仕事は誰もやらない。原始的な仕事を知的にやる事がコンサルティング会社の生き残る道だ。」と仰っていました。

AIと戦う事なく人間に出来る、原始的、感覚的な仕事を磨く事がこれから益々重要となります。

 

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第2章2節.2・売る:マーケティングと営業

認識から購入までの心理変化5段階と営業活動及びツールサミュエル・ローランド・ホールがRetail Advertising and Sellingにて紹介したAIDMA理論を日本の中小企業の現場に合わせたのが当社考案の心理変化に応じた営業ステップです。焼き鳥屋が煙を外に出して、香ばしい香りで人を誘うのは人間の嗅覚に訴えるからです。テレビコマーシャルに綺麗なお姉さんが出るのはオッサンの男性性に訴えるからです。太っている人がダイエット食品を買うのは、ビフォーアフターのPOPや写真などの広告を見て自分もそうなりたいと思うからです。人間に心理変化を引き起こし購入させるまでのステップを理解し、組み立てる事で売上を向上させることが可能となります。

大企業などでは、マーケティングと営業を分けている場合が多くあります。営業については販売会社や代理店などにさせるケースも多くあります。中小企業では販売会社を除いてマーケティングと営業を一貫して自社で行います。社長や経営幹部は自社のマーケティングを徹底的に考える。その上で営業活動は「マニュアル化」して「誰にでも」出来るように落とし込みます。

マーケティングと営業の違い

マーケティングと営業の言葉の違いについて再定義します。
マーケティングとは市場と自社の商品・サービスを適合させていくことです。「Market+ing」と理解すると理解しやすいです。上記の心理ステップではお客様が当社商品・サービスを認識し、関心を持ち欲しくなるまでの3ステップに該当します。営業とは見込顧客と自社の商品・サービスと合致させる事です。見込顧客の潜在的な悩みや欲求を解決できる商品・サービスを顕在化させて決断させる事です。上記の各ステップを中小企業では自社内で完結させる事が望まれます。だからこそ商品開発とマーケティングは経営が考えなければなりません。

 

第2章2節.3・人を支える:人事と労務

経営3資源の中で、人に関する項目です。2017年現在ではもっとも重要なテーマです。「良い人が来ない」どころか、「人が来ない」から仕事はあっても潰れる状況になっています。どのように採用・育成するのかを考える事が人事の仕事です。
採用した人材の労働時間管理や環境整備は労務管理として行います。「中小企業だからそんなに大げさに考えなくても良いのではないか」と言う方もいます。「だから、中小企業どまりなんですよ。

毎年30万人以上の人口が減少している日本。日経新聞で特集されていた記事「大廃業時代の足音:中小「後継未定」127万社」は現実です。人を採用するためのマーケティングが必要です。そのためには、自社が何を行っているのか?何を目指しているのか?計画的な情報発信が必要となります。これまでのように学校を回って担当者との関係を築いて… では遅すぎます。「出来の良い子」は自分の頭で就職先を探すようになります。ただでさえ中小企業の採用は難しい状況下で益々差が広がるでしょう。

 

また、労務管理=仕事の成果と支払う給料も一律ではなくなります。自社の考え方と合う人材と個別契約となるでしょう。短時間正社員の雇用も当たり前となるでしょう。

政治と財界がもたもたして追いつかない状況となりそうですね。外資に優秀な人材をもっていかれて日本は本当に空洞化してしまう危機感を持っています。

 

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第2章2節.4・お金を支える:財務と経理

財務の視点はとても重要ですが中小企業では何をどう考えれば良いか分かる人はほとんどいません。中小企業経営者がPL(損益計算書)は読めても、BS(貸借対照表)が苦手な人が多いためでしょう。財務はまさにBS(貸借対照表)活動です。どこでお金を調達し、どのように活かすかが財務の仕事です。経理の仕事は、売上からかかった経費を記録をする事が主な仕事。間違いなく記録する事が最重要です。しかし、黒字倒産という言葉があるように損益計算書だけを見ていても会社の存続は出来ません。社長が財務視点を勉強する事で生き残る会社を作る事が出来るようになります。また、税務会計と管理会計の考え方の違いについても押さえておきたいポイントです。

日本の中小企業の会計はほとんどが税金の計算のための税務会計です。税理士さんは税金の金額を算出する事が仕事です。社長は利益を出す事が仕事です。利益を出すためには管理会計の考え方が必要です。各部門に予算を割り当てる。目標と実績の乖離をなくすために活動する。管理会計の考え方を全社に導入する事で利益を出せる体質に変わります。

最近読んだ本でとても参考になる考え方をご紹介します。

投資に関する意思決定(投資の決定)と、その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)と、そして運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策) が財務の仕事~ざっくりわかるファイナンス:石野雄一(著)より引用。

 

第3章:組織を動かす

組織図を作っても、組織は動きません。組織図は設計図です。動くのは人。動かすのは社長です。本章では組織を動かす方法について解説します。

 

第3章1節.職務記述書・マニュアル・評価基準の三点セット

「人に仕事がつくのではなく仕事に人がつくようにしたい。」との相談を良く受けます。そのために何をしているのですか?

と尋ねても、「何度も言ってるんですけどね~」と答えにならない答えが返ってきます。

職務記述書で何をするのかを明確化。
マニュアルでどうやるのかを明確化

評価基準で評価する。

スッキリですね。
「それが出来れば苦労しないよ。だからコンサルタントは机上の空論ばかりで困るんだよ。」
ええ、そうです。皆さんが出来れば私の出る幕はありません。分かっちゃいるけどなかなか出来ないから私たちがお手伝いしてるんです。

余談になりますが、
コンサルタントには2通りあります。
魚釣りに例えると、魚を釣ってあげる仕事をする人=代書屋さんや代行屋さんです。

補助金や助成金などの書類(経営計画までも)を代わりに書く仕事。

税金の申告を代わりにやってくれる税理士さんや営業代行などの仕事。

私は、魚の釣り方を教える仕事をしています。

 

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第3章1節.1・職務記述書で職務を明確化

私は中小企業でしか働いたことがありません。職務記述書は外資系企業では当たり前とされているものですが現物を見た事がありませんでした。長谷川先生に現物を見せてもらいました。見た瞬間に、なぜ、日本の企業では使わないのか不思議でなりませんでした。大企業ではなく中小企業には必須です。以降、当社では職務記述書を推奨しています。

しかし、前述の通り全体から部分へブレイクダウンするのが難しい中小企業では、マニュアルと評価基準を基に職務記述書を固めていきます。

営業部長の場合、職務記述書で何をやるのかを営業マニュアルでどうやるのかを評価基準でどこまで出来れば出来たのかを明記します。

一度使ってみると非常に分かりやすいです。

「あなたの仕事は○○です。具体的に▽▽を期待しています。いつまでに〇○の結果を出してください。」と明確に出来るのです。

当社では、コンサルティングの案件のゴール設定に使っています。お客様にとって費用対効果が分かりやすいからです。

 

 

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第3章1節.2・マニュアル

「何事も小さな仕事に分けてしまえば、特に難しくない。」

とはマクドナルドの仕組みを作ったレイクロックの言葉です。

彼は、業務用ジューサーのセールスマンを経て50代でマクドナルド兄弟からハンバーガーショップの権利を買い取り、フランチャイズ展開で世界的企業に育て上げました。マクドナルドの味はマクドナルド兄弟。仕組みはレイクロックが作り上げました。組織化とは仕組作りに他なりません。新入社員をぶらぶら遊ばせる事なくすぐに仕事を出来るようにするためにマニュアルは欠かせません。出来ない人が出来るようにするためには、「箸の上げ下ろしレベル」まで分解されている必要があります。出来れば「見てすぐに分かる」イラストや動画で解説出来れば尚良いでしょう。仕事を人に教えるときや標準的な仕事を共有化するためにマニュアルを作成している会社は多い。しかし、マニュアルのレベルがまちまちだったり、ずいぶん前に一度作って更新がされていなかったりします。せっかくマニュアルを作っても使われないのであれば意味がありません。随時更新して使えるマニュアルとしたいものです。あなたの会社では箸の上げ下ろしレベルに分解されたマニュアルを用意し更新していますか?

 

マニュアルの作り方(理論編)

箸の上げ下ろしに分解したマニュアルを作成、運用する。

・手順・道具・コツ

本書は中小企業の組織化マニュアルとも言えるでしょう。マニュアルは、それを理解できれば誰でも同じように再現できる方法です。「〇さんだから出来る」=属人的要素を排し、正しい手順通り行う事で誰もが再現可能となります。

マニュアル作りには欠かせない3つの要素があります。

  • 手順、2.道具、3.コツです。

例えば、掃除を例に説明します。

1.の手順は、上から下に掃除をする。天井から床にかけて掃除をする。なぜならゴミは上には上がらず下に溜まるからです。また、真ん中から四隅に向けて掃除する。ゴミは隅に溜まりやすいからです。一つ一つの手順が理に適っているため誰が行っても同じように掃除が出来るのです。

2.の道具ははたき、ほうき、ちりとり、掃除機、雑巾、洗剤、空雑巾、ワックスなど手順に応じて決まります。

3.コツ(独自の方法)については昔であれば一子相伝的に現場を一緒に経験しないと伝わらない事とされていました。しかし、現在ではこのコツをどのように社内で素早く共有できるかが会社の競争力の源泉となっています。前述の掃除の会社では、毎週木曜日の早朝勉強会で気づきを共有しパートさんも月1回の研修会でコツを共有しています。

余談だがコツとは骨の事です。表からは見えない本質的な部分でもっとも大事な事との意味が語源です。

本来は、OJTのように現場を一緒に経験する事が一番望ましいのですが、研修などで事例を通じてコツに触れる事が可能となりまする。あなたの会社ではコツをどのように共有させることが出来るでしょうか?

・コツ:出来ることに分解する。マニュアルの目的は教育です。最初から全ての仕事を出来る人はいません。何も出来ない所からスタートします。にも関わらず、最初から全て出来ることを期待してしまう。学校を卒業したばかりの新入社員には名刺交換の仕方や挨拶などの当たり前の事から教える。そして、営業であれば上司と同行してお客様の所へ訪問する。一つ一つの出来る事の精度を高める。それら出来る事を高い精度で組み合わせていくのが仕事です。名刺交換と挨拶ができるようになれば飛び込み営業は出来る。会社の説明、商品の説明が出来るようになれば一人でお客様を訪問させる事が出来る。出来なかった事を一所懸命練習すれば良い。「やった事の無い事」は出来ないのだから仕方がない。ただ、出来ると思える事が高い精度で出来ているかが問題です。他の人に「どうだ!」と自信を持って見せられる水準である。分解された一つの部分を出来るようになると自信を持って次のステップに進める。中途半端な水準で次のステップに進んでも、全てが中途半端なままとなります。

 

マニュアルの作り方(実践編)

・動きのある仕事

普段の仕事をカメラやスマホで撮影する事から始めても良いでしょう。スクラム社ではシートの加工を写真で撮影しマニュアル化しています。もっともオーソドックスなマニュアルの作成方法です。

 

なかなか時間が取れない方はあえて○○教室を開催する事で自分たちを追い込む事が可能となります。ゼネック社ではサボンちゃんの楽々お掃除教室を地域で月1回開催しています。毎回掃除のコツを伝えています。一般の人に掃除のコツを教えつつ自分たちはその素材を基に研修し社内のレベルを高めています。

最近は動画や写真の編集も簡単に出来るようになりました。内部向けであればスマートフォン1台で撮影したものをマニュアルとして活用しても良いでしょう。

 

・動きが見えづらい仕事

パソコン上の仕事など動きが見えづらい仕事の場合はプリントスクリーンを使うと分かりやすいでしょう。当社の「ユーチューブを使って検索上位になる方法」のセミナー資料です。プリントスクリーンで画面を切り取りウインドウズ標準装備のペイントを使ってマニュアル化しています。

 

・動きが見えない仕事

最近はこの仕事が増えています。考える仕事です。当社のようなコンサルティングなども動きが見えません。大きな流れは、現状分析→課題抽出→解決策立案→提案→実行です。

しかし、課題のレベルや優先順位などはコンサルタントの経験値や相手の危機意識で変化します。また、伝え方も相手によって変わります。コンサルタントのこれまでの背景により理解度も違います。それでも全体の流れやポイントについて自分が伝えられる事は全て言語化するしかないと考えています。私が恵まれている事は自分のやり方を伝える事が不自然ではない事です。

最後は口伝(くでん)口伝えで伝えるしかありません。

 

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第3章1節.3・評価基準

1.基準に合致した人材を採用する

前節で取り上げた「したい事、出来る事、すべき事」を採用条件として提示します。面接時に確認します。何が出来れば基準を満たすのかを明確にしておきます。

2.今いる人材を基準に達するまで教育する

第4章以降で取り上げる人材育成の方法です。基準を明確にしないので部下はいつまで経っても「何が正解か」分からないのです。上司にとっても、いつまで経っても出来ない部下なのです。

 

「敷居が高く面倒くさい。」のが人事評価制度の仕組みです。

が、当社では3段階程度の基準で始める事を進めています。

ある仕事について

「上司と一緒に出来る」「一人で出来る」「指導出来る」

 

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3.基準を超える人材が来る仕組みを作る

部下に惚れられる上司。人が来たくなる会社を作る。惚れられる事です。

徳川家康の大将の戒めを紹介します。

 

大将の戒め   徳川 家康
大将というものは

敬われているようでその実家来に
絶えず落ち度を探られているものだ
恐れられているようで侮られ
親しまれているようで疎んじられ
好かれているようで憎まれているものじゃ

大将というものは

絶えず勉強せねばならぬし
礼儀もわきまえねばならね
よい家来を持とうと思うなら
わが食を減らしても
家来にひもじい思いをさせてはならぬ
自分ひとりでは何も出きぬ
これが三十二年間つくづく
思い知らされた家康が経験ぞ
家来というものは
禄でつないでならず、機嫌をとってはならず、
遠ざけてはならず、近づけてはならず、
怒らせてはならず、油断させてはならぬものだ
「ではどうすればよいので」

家来は惚れさせねばならぬものよ
回り道に見えて近道です。

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第3章2節.GROWモデル

GROWモデルでゴールを目指します。

GROWとは、G=Goal、R=Reality、O=Option

W=Willの略です。

ゴールと現状の差異を常に見える化し考えさせ実行させるサイクルを定着化させていきます。

GROW質問例

1.GOALのQ:あなたの今月の目標は?

(本人に自覚させる)

2.R=RealityのQ:それに対して現状はどうですか?

(オープン質問で広げる)

3.O=OptionのQ:どうすれば達成できますか?

(オープン質問で、複数の対策を考えさせる)

4.W=WillのQ:では、何から始めようか?

(オープン質問で、最初の一歩行動、実行量を問いかける。)

(クローズ質問で部下に実行宣言させる)

※「間」

問いかけで自ら考え、実行出来る部下を育てます。
人は質問されると、答えます。質問の種類によって考えさせ、実行力を高める事が出来ます。
「魚を釣ってやるのではなく、釣り方を教えてあげる。」と説明しています。
以下でそれらの質問の方法について解説します。

1・選択肢を広げる
オープン質問と呼ばれる質問の種類です。
「はい、いいえ。」で答えられるのではなく、答えが人によって違います。「あなたはどうしたら良いと思いますか?」
と問われると、「私はこうしたら良いと思います。」
と答えます。

質問の種類は、本書で何度も出てきた5W2Hを使います。
いつまでにやりますか?
どこでやりますか?
誰がやりますか?
何をやりますか?
どのようにやりますか?
と方法を考えさせます。
その上で、

なぜ、その日なのか?なぜ、そこなのか?
なぜ、その人なのか?なぜ、それなのか?
なぜ、その方法なのか?

を問いかける事で自ら考えるようになります。

 

2・考えさせる
問いかけた後で特に重要なのが待つ事です。
なかなか、自分なりに考えたことが無い人にとっては、突然
「あなたはどうしたら良いと思いますか?」と問われても、答えに窮します。そこで、問い詰めるのではなく、一呼吸待ちます。
この間を取る事で、部下は考えても良いんだと理解します。

3・復唱させる

問いかけと復唱で部下に「自分の仕事」として自覚させる
人の話を聞いただけでは、「自分の仕事」として自覚させる道半ばです。部下本人が自分の言葉で話せるようになってようやく自覚出来た状態です。人間は人の話を聞いただけでは、概念としての理解に留まるからです。頭では分かる状態です。
それを自分の言葉で復唱し直す過程で、自分の理解度と不明点、相違点を整理するからです。

4・行動へつなげる
最後に、行動が具体的になったところで、
「じゃ、次回のミーティングの時には〇〇を達成しているって事だよね?」と確認します。
「はい、達成しています。」
「楽しみにしているよ。」と声をかけて終了します。

部下に自分の言葉で発言させてください。
部下は「やらされる」仕事としてではなく、「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。

こうして、上司が「やれ!」と怒鳴るのではなく、部下の自発性を引き出せるようになるのです。

 

オートクラインとパラクライン


人間が物事を理解する際にオートクラインとパラクラインと呼ばれる仕組みがあります。自分が発した言葉を最初に聞くのは自分です。言葉に出しながら、その言葉を聞いて理解を深めているのです。突然質問されて、「あれ?自分は何でこんなことを言ってるんだろう?」と感じた経験はありませんか?

本人が自覚していない事が他人からの質問により気づき、引き出されるのです。私が質問を多用するのはこうした理由からです。問いかけが重要な理由としてもう一点、上司であるあなたと部下とでは知識・経験・情報量が違います。しかし、上司は自分の過去を全ては覚えていません。自分にも出来なかった事、知らなかった事が過去にあり、失敗した経験があったはずです。あなたの経験上、あなたには、部下がこれから行おうとしている事が予想できます。部下がこれから行おうとしている事が失敗につながる事まで予想できます。だから、あなたは部下がそうならないようにアドバイスをするのでしょう。しかし、経験したことの無い部下にとっては全てが未知の事です。あなたが伝えたことは「頭の中」では理解出来ても、実際には「何を言っているのか分からない」のです。
そこで、あなたは部下に問いかけてください。
「それをやるとどうなるんだろうか?」

「実現させるためには何が問題になるだろうか?」
部下に問いかけながら、不明瞭な点を明らかにしてください。
そして、部下にまとめさせて自分の言葉で発言させてください。
部下は「やらされる」仕事としてではなく、「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。

 

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第3章3節.学習ステップ

物事を全く知らない段階から出来るようになるには学習の4ステップと呼ばれる段階があります。

1.出来ない事を知らない=無知→2.知る →3.意識して出来る →4.無意識に出来るの4段階です。これらの各ステップを知ったうえで人材育成プログラムを作って欲しい。学校を卒業したての新入社員であれば、ほとんどの事が「1」の状態です。中途入社の社員で同業他社で同様の仕事をしていた場合でも自社については新入社員同様です。新入社員に比べたら時間は少なくて済むが上記のステップを経る事になります。上記のステップを踏まえたうえで教育するプログラムが必要となります。

・手順

1.知識情報を提供し概要を理解させる

2.知っているが出来ていない事を実感させる

3.出来るまで量稽古を積ませる

4.無意識にできるレベルに体に覚えこませる

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ褒めてやらねば、人は動かじ。」は山本五十六の言葉。出来ないから出来るへのステップアップで重要なことは上司の率先垂範と量稽古です。自動車の運転免許を取得した時のことを思い出してほしい。初めて教習所に行ったときにどのような気持ちだったでしょうか?「みんな運転しているんだから自分でも運転できるだろう。」と思いつつも不安だったでしょう。学科で知識や情報を教えられ、横に教官が乗った状態で教習所内のコースを何度も運転した事でしょう。知らない=無知の状態から知識を得て安全な場所で何度も運転することでようやく「意識すれば出来る」状態になりました。更に何度も運転することで無意識に運転できるようになりました。無事に免許を取得し、プライベートで運転したり仕事で運転する事を繰り返し無意識で運転できるようになりました。音楽を聴いたり、会話をしたりしながら長距離ドライブにも行けるようになりました。仕事も同様です。最初はスーツにネクタイ姿もままらなず「おっかなびっくり」で出社した時期があったはずです。上司や先輩に教わりながら仕事を覚えていきました。やがて一人で無意識に仕事が出来るようになったのです。随分昔の事で忘れた人もいるかもしれませんが。このように新しい物事を知り出来るようになるためには必ず学習ステップの階段を登ります。上司は部下が今どの段階にいるのかを知ったうえで教育して欲しいものです。

 

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第3章4節.進捗状況を見える化

進捗状況を見える化する事で実行力を高める事が出来ます。上司の言うことに口では「はい」と答えながら行動しない面従腹背社員が多い会社では効果的です。「私は危機感を持って仕事をしています。」と言うのは誰でも言えます。口が上手な人や演技が上手な人はより「らしく」見せる事が出来ます。本当に危機感を感じていても伝える事が下手な人は傍から見れば、「あいつ、危機感ねえな。」となります。(世渡り下手)とも言えます。意識は見えないからです。問題や進捗状況を見える化することで意識の見える化が可能となります。
あなたの会社では危機を見せる事で行動に繋げていますか?

もっとも簡単な方法は目標対実績の進捗状況の見える化です。東日本大震災の時の夏に電力消費予想が毎日テレビで流れていました。視聴者は知らず知らず節電の意識付けがされていました。黄色や赤の色は目に飛び込んできます。自社でも色分けした進捗確認表で社員に見える化します。A4の用紙に今月の目標と実績を記入しクリアファイルに挟み込みます。

毎日の目標を朝出社時に記入します。退社時に実績をクリアファイルの上から記入します。目標を達成したら青、達成できなければ赤で記入するだけです。

・道具:クリアファイル進捗確認表

・コツ:瞬時に見える場所、見える形で実施します。「パソコンを開かなくては見えない。」や、印刷したものを貼り付けるのでは継続できないからです。誰にも見える場所で誰でも簡単に更新できる方法で実行する事がコツです。

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○事例:食器棚で進捗状況を見える化アサヒルミエル

川崎市にある新聞販売店のアサヒルミエル社では、食器棚の脇に物品販売の目標と実績を対比している。昨今の少子高齢化や紙離れ、活字離れの影響もあり新聞購読者を増加させるには厳しい社会環境が続いている。彼らの会社では新たな売上の確保のために物販に力を入れている。しかし、新聞販売以外の販売の経験もノウハウもないため、「頑張ろう!」の掛け声だけでは人が動かない。皆の見える台所の棚にクリアファイルを貼り更新する事で目標達成に対する意識付を行っている。

見える化による成果は、見えると動けるを実感できる事。今まで数字は他人事だった社員の目の色が変わる。これまで導入した企業では必ず実績が向上した。過去の事例では前年比140%以上の売上実績を計上した会社もあった。次はあなたの会社の番です。

 

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第3章5節.ショートインターバル

ショートインターバルコントロール

週次の進捗確認で計画と行動と結果のズレを極小化します。短期間に修正改善を実行する事で目標達成の確度を高めます。1週間ごとの途中指標を定めることにより、「なぜ、出来ないんだ!」と怒鳴りたてるのではなく、上司と部下とで改善策立案が可能となります。1カ月単位で進捗状況を確認すると修正、改善が後手に回り時として「取り返し」が付かないこともあります。1週間程度の短期間であれば修正、改善を繰り返す事で計画を実現できます。私たち外部のコンサルタントが効果を発揮するのは、週一回程度定期的に訪問するため外圧として機能するからです。

事例

ある会社の新規開拓プロジェクトで、期日までに担当者がテレアポをしていなかった。「今すぐ電話しなさい。」と伝え担当者は渋々電話した。担当者が電話している間は会議を中断した。自分が電話しなかった事で他の参加者に迷惑をかけた事を自覚させた。その日以降、担当者は決めた事は必ず実行するようになった。このような強制力を働かせる必要がある。私たちは、客観的に計画との進捗状況を確認します。前回訪問後に突発的なアクシデントが起こっても、決めた日程に訪問し、決めた事が出来ていたかを確認するだけです。出来ていなければ、「今すぐやりなさい。」と厳しく知的腕力を発揮します。知的腕力を行使できるようになると、部下に対する接し方にメリハリがつきます。硬軟両方の対応で部下の力を引き出し伸ばすことが可能となります。

 

第3章6節.継続≠反復

千日が鍛、万日が錬。という言葉があります。宮本武蔵の五輪書が出典です。石の上にも三年=鍛。その道を極めるには三十年=錬。私の会社員時代の上司が60歳頃に言っていたことを思い出します。接待が終わりお客様をタクシーに乗せた後、山の上ホテルのワインバーで飲んだ時の事でした。「俺はずっと営業一筋でやってきた。ようやく最近だよ。営業って仕事がこんな感じだな~。って分かってきたのは。」その上司は、それまでの薬局ルートから量販店ルート、コンビニルートを開拓した業界では知らない人はいないほどの人でした。いつも自信を持って堂々とした仕事ぶりでした。30歳そこそこで営業として自信をもっていた私はこの話を聞かされてショックでした。他にも、ローマは一日にして成らず。など古今東西継続に関する諺は多くあります。継続する事が難しいからこそ、こうした諺があります。
私はセミナーの最後に受講者の皆様にお伝えする事があります。
「継続と反復は違います。」
毎日、同じことを続けるのは継続ではありません。それは反復です。
毎日、改善を続ける事が継続です。
ある会社の事業承継の支援をさせて頂いた時に、会長と社長(親子)と飲む機会がありました。その席で会長(父親)が私に向かいつつも息子の社長に伝えた言葉があります。
「毎日その日を振り返り、今日1日上手くいったことと上手くいかなかったことを振り返った。うまくいかなかったことについては明日はどうしようか?を考えて寝る事にした。酔っ払って帰ってきても寝る前にこの事だけは考えた。他に大した事は出来なかったけど50年間毎日続けたから今があるんです。」本書でお伝えしたかった事は組織図で組織を設計し企業が永続するための方法です。
組織図は作って終わりではありません。最初は1ヶ月に1度程度見直し機能、責任者、職務内容について加筆・修正の改善を加えてください。

どうか皆さんに置かれましては、
短期決戦ではなく長期的に生き残る組織を作り上げて欲しいものです。

皆様のお役立てれば幸いです。

 

 

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今さら聞けない組織図の作り方

今さら聞けない組織図のつくり方

良い組織図は、

人と組織の潜在力を顕在化し、

あなたの会社を強くします。

 

目次

はじめに:その悩みは1枚の組織図で解消されます

1.組織図は会社作りの設計図

2.全体→部分で組み立てる

3.組織→人を動かす

 

はじめに

会社員時代に上司が社長になりました。
上司と共に社長室に異動しました。
社長はゴールだと思っていたのですが、全く違いました。
その後、独立して10年以上、1700社ほどの経営者の方とお会いしました。
社長は社長を終えるまで悩みが尽きない事を肌身に染みて実感しています。
あなたが、組織化の悩みを抱えているならば、

組織図を作成する事が悩み解消の最初の一歩となり得ます。

ただし、会社作りの設計図としての組織図で無ければ意味がありません。
一般的な組織図は会社の現状を図にしただけの組織図です。

当ブログでは会社作りの設計図としての組織図の作り方を解説します。

 

1.組織図は会社作りの設計図

設計図としての組織図の考え方について解説します。
組織化出来ないのは、設計図を描かずに現状から会社を作ろうとする

からです。現状からの積み上げ思考では時間がかかります。「出来るようになったら」次のステップへ進むことが積み上げ思考です。
経営とは「本来のあるべき姿と現状の差」を埋める逆算思考です。

あるべき姿を組織図として描く。現時点で足りていない部分を課題とする。
課題の解決策に取り組む事で会社が成長します。
課題については組織に必要な機能とその機能を充足させる
人材採用、育成の仕組が取り上げられます。

現状積上げ思考では、
課題が課題として認識されないため、
「良い人が来ない」「うちの社員は...」
現状否定で終わってしまいます。

 

2.全体→部分で組み立てる

具体的な組織図作成方法について解説します。

全ての事業の基本は、
「誰か」に「何か」を提供し「対価」を得る事です。
「誰か」が増え、「何か」が増える事態に対
応するために人を採用します。
計画ではなく対処としての人材採用です。


急成長中の会社が組織の成長ではなく膨張(やがて崩壊)への道を辿るのは、
対処療法を繰り返しているからです。

 

会社設計図の意味を持つ組織図では予め全体像を描きます。
枠組みは「誰か」に「何か」を提供する事業の機能を最初に描きます。
コツ頭を使って考える仕事作業する仕事に分けておく事です。
成長する時期に必要な人材は作業部分になります。
自社の基準とマニュアル化で採用・育成のスピードを上げられます。
一方で考える部分については社長が担当する事になります。
「社長が現場を離れられない。」との言い訳が出来なくなります。

・提供する:製造業などでは作る事。サービス業ではサービスする部分です。
「何を」「どのように」作るのかを考える部分と、作る・提供する部分に分かれます。
中小企業の
現場は、職人あがりの社長ばかりです。
「現場」が考えるべき「どのように」の部分も社長が考えて実行してしまいます。

 兵隊・コマを増殖するだけです。

 

・売る:同様に営業が出来すぎる社長も営業現場を離れられず、
 社長の人脈と関係性の限界が企業の成長の限界となってしまいます。

・人:これから最も重要なテーマが人材採用育成となります。
 待っていれば人材がやってくる時代ではありません。
来る人間は「出来の悪い子」ばかりです。
いかに採用し育てるかを考える事が重要です。

・お金:きちんと収支を記帳するだけの仕事はロボットに置き換わります。
財務視点で資金調達と運用の最適解を考える必要が出て来ます

 

3.組織→人を動かす

大まかな組織図の作成後は、一人一人の人材に落とし込みます。
組織図に連動する3点
セット(職務記述書・マニュアル・評価基準)の果たす役割が重要です。

職務記述書で「何をやるのか?」を決定

マニュアルで「どうやるのか?」を明確化

評価基準で「○か×」かを決定。

 

 

組織図から人に落とし込み、人を動かします。

たかが組織図ではありません。
組織図が良い会社を作る設計図として機能します。

 

※「はじめての組織図の作り方」とほぼ同内容です。
タイトルの違いと効果を測定しているためです。
検証完了したら統一します。

※人と組織に関する問題がなかなか解決できないのは、症状と真因を取り違えているからです。
「こちら」が上手くいったと思えば、「あちら」が上手くいかず…。
まるで「モグラたたき」のようです。

例:人事制度が無い事が問題だと思い制度を構築したものの、
評価者のレベルが合わない。そもそも自社の社風と合致しない評価の仕組みだった。

例:目標管理制度を導入したが、そもそもの目標設定が上意下達の一方通行だった。

例:多くのサイトや本を読んで情報収集したものの、
一体何から始めればよいか?行動へと繋げられていない。

人と組織の変革に携わり15年、1,700社以上の支援、指導実績の当社にお気軽にご相談ください。

 

 

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組織図作り方考え方中小企業3ステップ完成21継続≠反復

第4章3節.継続≠反復

千日が鍛、万日が錬。という言葉があります。
宮本武蔵の五輪書が出典です。
石の上にも三年=鍛。
その道を極めるには三十年=錬。
私の会社員時代の上司が60歳頃に言っていたことを思い出します。
接待が終わりお客様をタクシーに乗せた後、山の上ホテルのワインバーで飲んだ時の事でした。「俺はずっと営業一筋でやってきた。ようやく最近だよ。営業って仕事がこんな感じだな~。って分かってきたのは。」
その上司は、それまでの薬局ルートから量販店ルート、コンビニルートを開拓した業界では知らない人はいないほどの人でした。
いつも自信を持って堂々とした仕事ぶりでした。
30歳そこそこで営業として自信をもっていた私はこの話を聞かされてショックでした。
他にも、ローマは一日にして成らず。など古今東西継続に関する諺は多くあります。継続する事が難しいからこそ、こうした諺があります。

私はセミナーの最後に受講者の皆様にお伝えする事があります。

継続≠反復。

毎日、同じことを続けるのは継続ではありません。それは反復です。
毎日、改善を続ける事が継続です。
ある会社の事業承継の支援をさせて頂いた時に、会長と社長(親子)と飲む機会がありました。その席で会長(父親)が私に向かいつつも息子の社長に伝えた言葉があります。
「毎日その日を振り返り、今日1日上手くいったことと上手くいかなかったことを振り返った。うまくいかなかったことについては明日はどうしようか?を考えて寝る事にした。酔っ払って帰ってきても寝る前にこの事だけは考えた。他に大した事は出来なかったけど50年間毎日続けたから今があるんです。」

 

アフリカに
「早く行きたいなら一人で、遠くへ行きたいならみんなで行け
(If You Want To Go Fast, Go Alone. If You Want To Go Far, Go Together)
という諺があります。

人はより遠くへ行くために組織を作った。
当ブログでお伝えしたかった事は組織図で組織を設計し企業が永続するための方法です。
組織図は作って終わりではありません。
最初は1ヶ月に1度程度見直し機能、責任者、職務内容について加筆・修正の改善を加えてください。

どうか皆さんに置かれましては、
短期決戦ではなく長期的に生き残る組織を作り上げて欲しいです。

 

 

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組織図作り方考え方中小企業3ステップ完成20ショートインターバル

第3章5節.ショートインターバル

ショートインターバルコントロール

週次の進捗確認で計画と行動と結果のズレを極小化します。
短期間に修正改善を実行する事で目標達成の確度を高めます。
1週間ごとの途中指標を定めることにより、「なぜ、出来ないんだ!」と怒鳴りたてるのではなく、上司と部下とで改善策立案が可能となります。
1カ月単位で進捗状況を確認すると修正、改善が後手に回ります。
時として「取り返し」が付かないこともあります。
1週間程度の短期間であれば修正、改善を繰り返す事で計画を実現できます。
私たち外部のコンサルタントが効果を発揮するのは、週一回程度定期的に訪問するため外圧として機能するからです。

 

事例紹介

ある会社の新規開拓プロジェクトで、期日までに担当者がテレアポをしていなかった。
「今すぐ電話しなさい。」と伝え担当者は渋々電話した。
担当者が電話している間は会議を中断した。
自分が電話しなかった事で他の参加者に迷惑をかけた事を自覚させた。
その日以降、担当者は決めた事は必ず実行するようになった。
このような強制力を働かせる必要がある。私たちは、客観的に計画との進捗状況を確認します。
前回訪問後に突発的なアクシデントが起こっても、決めた日程に訪問し、決めた事が出来ていたかを確認するだけです。
出来ていなければ、「今すぐやりなさい。」と厳しく知的腕力を発揮します。
知的腕力を行使できるようになると、部下に対する接し方にメリハリがつきます。
硬軟両方の対応で部下の力を引き出し伸ばすことが可能となります。

 

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組織図作り方考え方中小企業 3ステップ完成 19.進捗状況を見える化

第3章4節.進捗状況を見える化

進捗状況を見える化する事で組織の実行力を高める事が出来ます。
上司の言うことに口では「はい」と答えながら行動しない面従腹背社員が多い会社では効果的です。
「私は危機感を持って仕事をしています。」と言うのは誰でも言えます。
口が上手な人や演技が上手な人はより「らしく」見せる事が出来ます。
本当に危機感を感じていても伝える事が下手な人は傍から見れば、「あいつ、危機感ねえな。」となります。(世渡り下手)とも言えます。
意識は見えないからです。
問題や進捗状況を見える化することで意識の見える化が可能となります。

あなたの会社では危機を見せる事で行動に繋げていますか?

 

もっとも簡単な方法は目標対実績の進捗状況の見える化です。
東日本大震災の時の夏に電力消費予想が毎日テレビで流れていました。
視聴者は知らず知らず節電の意識付けがされていました。
黄色や赤の色は目に飛び込んできます。
自社でも色分けした進捗確認表で社員に見える化します。
A4の用紙に今月の目標と実績を記入しクリアファイルに挟み込みます。

毎日の目標を朝出社時に記入します。退社時に実績をクリアファイルの上から記入します。
目標を達成したら青、達成できなければ赤で記入するだけです。

・道具:クリアファイル進捗確認表

・コツ:瞬時に見える場所、見える形で実施します。「パソコンを開かなくては見えない。」や、印刷したものを貼り付けるのでは継続できないからです。誰にも見える場所で誰でも簡単に更新できる方法で実行する事がコツです。

 

○事例:食器棚で進捗状況を見える化アサヒルミエル

川崎市にある新聞販売店のアサヒルミエル社では、食器棚の脇に物品販売の目標と実績を対比している。昨今の少子高齢化や紙離れ、活字離れの影響もあり新聞購読者を増加させるには厳しい社会環境が続いている。彼らの会社では新たな売上の確保のために物販に力を入れている。しかし、新聞販売以外の販売の経験もノウハウもないため、「頑張ろう!」の掛け声だけでは人が動かない。皆の見える台所の棚にクリアファイルを貼り更新する事で目標達成に対する意識付を行っている。

150419_141345

 見える化による成果は、見えると動けるを実感できる事。今まで数字は他人事だった社員の目の色が変わる。これまで導入した企業では必ず実績が向上した。過去の事例では前年比140%以上の売上実績を計上した会社もあった。次はあなたの会社の番です。

 

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組織図作り方考え方中小企業 3ステップ完成 18.学習ステップ

第3章3節.学習ステップ

物事を全く知らない段階から出来るようになるには学習の4ステップと呼ばれる段階があります。

1.出来ない事を知らない=無知→2.知る →3.意識して出来る →4.無意識に出来るの4段階です。
これらの各ステップを知ったうえで人材育成のプログラムを作ります。
学校を卒業したての新入社員であれば、ほとんどの事が「1」の状態です。
中途入社の社員で同業他社で同様の仕事をしていた場合でも自社については新入社員同様です。
新入社員に比べたら時間は少なくて済むが上記のステップを経る事になります。
上記のステップを踏まえたうえで教育するプログラムが必要となります。

・手順

1.知識情報を提供し概要を理解させる

2.知っているが出来ていない事を実感させる

3.出来るまで量稽古を積ませる

4.無意識にできるレベルに体に覚えこませる

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ褒めてやらねば、人は動かじ。」は山本五十六の言葉です。
出来ないから出来るへのステップアップで重要なことは上司の率先垂範量稽古です。
自動車の運転免許を取得した時のことを思い出してください。
初めて教習所に行ったときにどのような気持ちだったでしょうか?
「みんな運転しているんだから自分でも運転できるだろう。」と思いつつも不安だった事でしょう。
学科で知識を教えられ、横に教官が乗った状態で教習所内のコースを何度も運転した事でしょう。知らない=無知の状態から知識を得て安全な場所で何度も運転することでようやく「意識すれば出来る」状態になりました。
更に何度も運転することで無意識に運転できるようになりました。
無事に免許を取得し、プライベートで運転したり仕事で運転する事を繰り返し無意識で運転できるようになりました。
音楽を聴いたり、会話をしたりしながら長距離ドライブにも行けるようになりました。
仕事も同様です。
最初はスーツにネクタイ姿もままらなず「おっかなびっくり」で出社した時期があったはずです。上司や先輩に教わりながら仕事を覚えていきました。
やがて一人で無意識に仕事が出来るようになったのです。
随分昔の事で忘れた人もいるかもしれませんが。
このように新しい物事を知り出来るようになるためには必ず学習ステップの階段を登ります。
上司は部下が今どの段階にいるのかを知ったうえで教育して欲しいものです。

 

 

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組織図作り方考え方中小企業 3ステップ完成 17.GROWモデル

第3章2節.GROWモデル

GROWモデルでゴールを目指します。

GROWとは、G=Goal、R=Reality、O=Option

W=Willの略です。

ゴールと現状の差異を常に見える化し考えさせ実行させるサイクルを定着化させていきます。

GROW質問例

1.GOALのQ:あなたの今月の目標は?

         (本人に自覚させる)

2.R=RealityのQ:それに対して現状はどうですか?

              (オープン質問で広げる)

3.O=OptionのQ:どうすれば達成できますか?

              (オープン質問で、複数の対策を考えさせる)

4.W=WillのQ:では、何から始めようか?

              (オープン質問で、最初の一歩行動、実行量を問いかける。)

              (クローズ質問で部下に実行宣言させる)

※「間」

 

問いかけで自ら考え、実行出来る部下を育てます。
人は質問されると、答えます。質問の種類によって考えさせ、実行力を高める事が出来ます。
「魚を釣ってやるのではなく、釣り方を教えてあげる。」と説明しています。

以下でそれらの質問の方法について解説します。

 

1・選択肢を広げる
オープン質問と呼ばれる質問の種類です。
「はい、いいえ。」で答えられるのではなく、答えが人によって違います。「あなたはどうしたら良いと思いますか?」
と問われると、「私はこうしたら良いと思います。」
と答えます。

質問の種類は、5W2Hを使います。
いつまでにやりますか?
どこでやりますか?
誰がやりますか?
何をやりますか?
どのようにやりますか?
と方法を考えさせます。

その上で、

なぜ、その日なのか?なぜ、そこなのか?
なぜ、その人なのか?なぜ、それなのか?
なぜ、その方法なのか?

を問いかける事で自ら考えるようになります。

 

2・考えさせる
問いかけた後で特に重要なのが待つ事です。
なかなか、自分なりに考えたことが無い人にとっては、突然
「あなたはどうしたら良いと思いますか?」と問われても、答えに窮します。
そこで、問い詰めるのではなく、一呼吸待ちます。

この間を取る事で、部下は考えても良いんだと理解します。

3・復唱させる

問いかけと復唱で部下に「自分の仕事」として自覚させる
人の話を聞いただけでは、「自分の仕事」として自覚させる道半ばです。
部下本人が自分の言葉で話せるようになってようやく自覚出来た状態です。
人間は人の話を聞いただけでは、概念としての理解に留まるからです。頭では分かる状態です。

それを自分の言葉で復唱し直す過程で、自分の理解度と不明点、相違点を整理するからです。

 

4・行動へつなげる
最後に、行動が具体的になったところで、
「じゃ、次回のミーティングの時には〇〇を達成しているって事だよね?」と確認します。
「はい、達成しています。」
「楽しみにしているよ。」と声をかけて終了します。

部下に自分の言葉で発言させてください。
部下は「やらされる」仕事としてではなく、
「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。

こうして、上司が「やれ!」と怒鳴るのではなく、部下の自発性を引き出せるようになるのです。

 

オートクラインとパラクライン
人間が物事を理解する際にオートクラインとパラクラインと呼ばれる仕組みがあります。
自分が発した言葉を最初に聞くのは自分です。
言葉に出しながら、その言葉を聞いて理解を深めているのです。
突然質問されて、
あれ?自分は何でこんなことを言ってるんだろう?」と感じた経験はありませんか?


本人が自覚していない事が他人からの質問により気づき、引き出されるのです。
私が質問を多用するのはこうした理由からです。
問いかけが重要な理由として
もう一点、上司であるあなたと部下とでは知識・経験・情報量が違います。
しかし、上司は自分の過去を全ては覚えていません。
自分にも出来なかった事、知らなかった事が過去にあり、失敗した経験があったはずです。
あなたの経験上、あなたには、部下がこれから行おうとしている事が予想できます。
部下がこれから行おうとしている事が失敗につながる事まで予想できます。
だから、あなたは部下がそうならないようにアドバイスをするのでしょう。
しかし、経験したことの無い部下にとっては全てが未知の事です。
あなたが伝えたことは「頭の中」では理解出来ても、
実際には「何を言っているのか分からない」のです。

そこで、あなたは部下に問いかけてください。
「それをやるとどうなるんだろうか?」

「実現させるためには何が問題になるだろうか?」
部下に問いかけながら、不明瞭な点を明らかにしてください。
そして、部下にまとめさせて自分の言葉で発言させてください。
部下は「やらされる」仕事としてではなく、「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。

 

 

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組織図作り方考え方中小企業 3ステップ完成 16.仕事の棚卸

第3章1節.4・仕事の棚卸

上記3点セットを作成する際に全体から部分へ落とし込むのはなかなか難しいものです。
そこで、部分から全体へと組み立てるために仕事の棚卸の実施をお勧めします。
全体から部分と部分から全体を繰り返す事で職務記述書とマニュアルは作成しやすくなります。

下記、仕事の棚卸を実施します。

手順

1.仕事の棚卸シートにルーティン(毎日、毎週、毎月行っている)業務を記入します。

2.思いつく限りの業務を記入する。

3.右欄に「誰の仕事」かの振り分けを行う。

・道具:仕事の棚卸シート

・コツ:1回の仕事の棚卸で全ての業務を洗い出すのは難しいものです。月1回程度定期的な日程を決めて何度も繰り返す。

 

 

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組織図作り方考え方中小企業 3ステップ完成 15.評価基準

第3章1節.3・評価基準

1.基準に合致した人材を採用する

前節で取り上げた職務記述書を採用の必須条件として提示します。
面接時に確認します。
何が出来れば基準を満たすのかを明確にしておきます。
応募する側も採用する側も基準が明確なので困りません。

2.今いる人材を基準に達するまで教育する

次節以降で取り上げる人材育成の方法です。
基準を明確にしないので部下はいつまで経っても「何が正解か」分からないのです。
上司にとっても、いつまで経っても出来ない部下なのです。
「敷居が高く面倒くさい。」のが人事評価制度の仕組みです。

が、当社では3段階程度の基準で始める事を進めています。
ある仕事について
「上司と一緒に出来る」「一人で出来る」「指導出来る」
の3段階を基準とすれば一人で出来るようにするまでがマニュアル+上司の仕事と決定されます。

3.基準を超える人材が来る仕組みを作る

部下に惚れられる上司。人が来たくなる会社を作る。
要は惚れられる会社になる事です。
マーケティングと言えば、
これまでは自社の商品やサービスをどう売るか?
の活動でした。
今後は、自社が惚れられるための採用活動にマーケティング思考が必要となります。

下記に徳川家康の大将の戒めを紹介します。

 

大将の戒め 

徳川 家康

大将というものは 

敬われているようでその実家来に
絶えず落ち度を探られているものだ
恐れられているようで侮られ
親しまれているようで疎んじられ
好かれているようで憎まれているものじゃ

大将というものは 

絶えず勉強せねばならぬし
礼儀もわきまえねばならね
よい家来を持とうと思うなら
わが食を減らしても
家来にひもじい思いをさせてはならぬ
 

自分ひとりでは何も出きぬ
これが三十二年間つくづく
思い知らされた家康が経験ぞ
家来というものは
禄でつないでならず、機嫌をとってはならず、
遠ざけてはならず、近づけてはならず、
怒らせてはならず、油断させてはならぬものだ
 

「ではどうすればよいので」 

家来は惚れさせねばならぬものよ
回り道に見えて近道です。

 

 

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