後継者 二代目 社長

後継社長のための経営力強化法 18.組織設計図

2- 5.組織設計図で組織図を作成する

1.問題提起

組織設計図として組織図を作成している

 

  解説

なかなか組織化出来ないのは設計図を描かずにいきなり組織を作ろうとするからです。

現状からの積み上げ思考では組織作りに時間がかかります。あるいは、組織化出来ないままに終わります。それは、「出来るようになったら」次のステップへ進もうと考えるからです。社長一人しかいない会社であっても組織化を目指す会社であれば組織図を作る。各部門の責任者名は全て自分の名前となりますが。「本来のあるべき姿と現状の差」が見えるとその差異を埋めるために組織作りがスムーズに進みます。

そのためにも設計図が重要です。

 

 

2.解決策提示

人・モノ・金の経営三資源をどのように機能させるのかを組織図で表します。
中小企業では黄色の現場の部分をいかに効率よく機能させるかが重要です。
社長は黄色い部分を部下に任せ、白い部分=考える部分を担う。
そのためにも黄色部分のマニュアル化が重要です。
黄色い部分のマニュアルを作り、
部下が出来るように教育するのが組織化を目指す社長の最初の仕事です。

 

師匠の長谷川先生は、

「どのような組織が最適か?」

との問いに対して、

「経営者が経営しやすい組織が良い組織だ。」と答えています。

最終的には、経営者にとって経営しやすい組織こそが良い組織となります。
結果としてそこで働く従業員も働きやすい職場となるでしょう。

手順

1組織図を作成する

2考える部分と現場を分ける

3現場については、後述するマニュアルに落とし込む

道具・

 

コツ

まずは全体を作る

 

事例紹介

ある専門出版社の事例です。社員数は10人程度です。その出版社は出版以外にセミナーなどのイベントを実施しています。組織図はあったのですが、自社の組織機能を考えて組織図を作りなおしました。その結果、「記事も広告もイベントも連動させていないから振り回されているんだ。」との発見がありました。編集局、広告局、イベント部を統括する企画部門を置く事で全体最適を図る事が可能となりました。少人数の会社なのに、私は原稿を書く事が仕事。私は広告を取る事が仕事。と縦割りになっているため効果的な記事広告の企画やイベントと連動させた記事が書けていませんでした。組織図を設計図として全体を見渡す事が出来るようになりました。

 

4.得られる成果(評価基準)

組織の設計図

 

5.実践への最初の一歩行動

自社の機能を洗い出す

 

 
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後継社長のための経営力強化法 17.目標設定

2-4.正しく目標を設定する

 

1.問題提起

正しく目標を設定している

 

  解説

目標達成出来ずに悩んでいる企業の根本の問題は適切な目標設定が出来ていない事です。将来ビジョン実現に必要で、且つ、社員が「頑張れば出来る」と思える絶妙な目標を設定する事が重要です。貴社では論理面と心理面で適切な目標を設定していますか?

            

 

 

(移動年計グラフ=Zグラフで傾向を把握)

創業社長は感覚を最優先。「やりたい事は何が何でもやる!」大胆な目標を掲げて突っ走り続けます。一つづつ実現できれば周囲の人は否応なく動くしかありません。しかし、後継社長は大胆だけでは人は動かせません。成行値や外部環境などの情報と事実を取り込んで合理的に目標を設定する繊細さが必要となります。 

 

 

2.解決策提示

論理と心理の両面からのアプローチ

2-1.論理面

 

目標設定は逆算で行います。

得たい利益を最初に設定、その金額に返済金額を加えます。その後、税金を加えます。節税(脱税)ではなく、税金は支払うものの前提で組み立てます。税引き後利益から返済するので当然です。しかし、中小企業の現場を見ていていつも感じるのは返済については計算しているのに税金は考えていない経営者が多い事です。

「そんなに儲けなければいいじゃん。」の思考です。赤字と黒字のスレスレで経営する事が良い事のように考えて多額の経費を使っている会社すら見受けられます。

逆算的に目標設定する方法は、和仁達也さんの超・ドンブリ経営のすすめが参考になります。図で見える化するのでわかりやすいです。

目的と目標は違います。企業の目的は会社のミッション、理念です。その姿を実現した状態がビジョンです。そのビジョンを実現するために目標を設定します。

この目標が実現できると次はこれだ。と次々に訂正目標が現れます。

 

手順・

  • 得たい利益(将来ビジョンから落とし込む)を最初に設定します。
  • その金額に返済金額を加えます。
  • 税金を加えます。
  • その上で固定費と変動費を足します。
  • 合計が売上目標となります。

 

道具・

エクセルワークシート

 

コツ

考えすぎない。単純な足し算でいったん作成。

 

2-2.心理面

目標を具体化する方法としてSMARTの法則を活用する。

SMARTの法則

S:Specific (具体的である)

M:Measurable (測定可能である)

A:Agreed upon (本人が同意している、意欲がある)

R:Realistic (現実的である)

T:Timely (期限が明確である)

 

手順・

 

1.上記SMARTの法則に則り自分なりの目標設定の基準を決める。

2.目標を達成出来た場合と出来ない場合の本人の心理的影響、周囲への影響を勘案する。

3.具体的な数値で目標設定する

 

道具・

 

 

コツ
頑張れば出来そうな目標を設定する事だ。さじ加減。

前年対比200%の目標であれば、「無理」「出来ない」言い訳が先行します。前年並みの目標であれば、「出来る」でしょうが「挑戦心」や動機付けがうまくいかなくなるでしょう。

頑張れば出来る。の感覚を数値として落とし込む事が大事な仕事となります。概ね120%くらいでしょうか。成熟市場であれば105%程度でしょうか。頑張れば実現できる「気がする」感覚を持てる目標です。目標達成できれば本人の自信にもつながります。

 

 

目標を設定させるときに部下がありありとイメージを持てるようにすることが重要。

 

 

3.事例紹介

経営者(社長、営業部長)が何を目指したいのか?が会社の目標として掲げられていなければ、社員は何をしたら良いか分かりません。

私が地域密着コンサルタントに舵を切り、それまでの中堅企業対象ではなく、中小零細企業を対象としたセミナーに登壇したのは2011年の東京商工会議所のセミナーでした。中小企業経営者に分かるように簡単な言葉で伝えました。

その時の前提として、「いくらなんでも目標位はあるだろう。」と考えていました。

しかし、セミナー参加者から、「私たちの業界は非常に厳しい業界です。取りあえず毎年、前年比3%の売上目標を設定しています。が、実態は前年並みで推移しています。右肩下がりの業界の中で頑張っている方だと思います。」

この言葉を売上20億円規模の社長に聴いた時には耳を疑いました。

そもそも論として「目標はある。しかしなかなか達成出来なくて困っている。」人達が私のセミナーを受講して、目標達成の方法を知り自社で活かしてもらうのがセミナーで話す私の目的でした。

が、「目標はあってないようなもの、毎日の問題解決に振り回されています。」

「どうせ目標を掲げても達成出来ないので努力目標しか掲げられません。」

などセミナーに登壇するたびに皆さんの声を伺いました。

目標を設定していなければ、目標を達成するためのPDCAサイクルは機能するはずがありません。しかし、中小企業の現実として、「そもそも~」から始める事が大事だと実感しています。

 

4.得られる成果(評価基準)

正しく目標を設定できれば「自動」で人は動くものです。

 

5.実践への最初の一歩行動

業界、自社の過去の推移を調べる。

 

目標設定が一番難しい。正しく目標設定するための方法が書かれた本が少ない理由でしょう。逆に正しい目標を設定が出来れば継続的に目標達成させられます。適切な目標を設定したいものです。

 
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後継社長のための経営力強化法 16.経営戦略

2-3.経営戦略

 

1.問題提起

経営戦略がある

 

解説

戦略とは、究極的には戦いを略す事。戦わずして勝てる市場を探し出し勝てる商品を作り勝ち残る事です。戦術は見えるが、戦略は見えません。誰にでも見える戦術を磨いても他社との競争は無くなりません。戦略視点で、競争しない環境を作るのが社長の仕事です。大企業が総力を結集すると中小企業はひねり潰されます。あなたの会社には「戦略」があるだろうか?

 

 

2.解決策提示

戦略は3つしかありません。第一はコストリーダーシップ戦略です。覇権争いの世界です。とにかく世界市場で1位を取るために戦い続けます。第二は差別化戦略です。トップ企業と同じ土俵で戦わず自社独自の市場を確立します。残された差別化集中戦略が中小企業が取れる唯一の戦略です。まずは商品やサービスで大手と差別化を図ります。面倒くさい事や手間のかかる事・モノを提供します。地域や業界を絞り込み限られた市場で1位を勝ち取ります。

 

手順・

1.大手企業や競合他社と差別化した商品やサービスを開発、提供する。

2.その上で集中した市場での1位を勝ち取る。

3.他社に付け入るスキを与えない

 

道具・

考える頭

 

 

コツ

他社との差別化=イノベーションを生み出す事。ですが、イノベーションは難しいことではありません。シュンペーター「経済発展の理論」の中で「全く新しいものである必要はない。既に存在するもの、誰もが知っているものを結合させて新しいものを生み出すことが出来ればそれがイノベーションになる」といっています。自社の強み、売れている商品と何かを組み合わせることでイノベーションを生み出し新たな戦略を描くことが可能となります。

普段から物事を見る時に様々な視点で見る事で発見が可能になります。

戦略視点でスポーツを観るのも面白い。リオオリンピックの4×100mの日本の戦い方は戦略的に勝ち取った銀メダルでした。ジャマイカやアメリカの強豪選手と真っ向勝負しても勝ち目はありません。日本の4選手の合計タイムは8位相当。普通に走っていてはメダルはおろか決勝進出すら難しいです。しかし、彼らは自分たちの弱みを知ったうえで強みへと転化させました。それがバトンパスの技術です。決勝進出した他の国はすべてオーバーハンドパス。日本だけがアンダーハンドパス。バトンパスでのスピードダウンを避ける方法ですが技術的に難しい。日本人の強みである器用さと練習熱心さでバトンパスを修得しました。自分たちの強みをうまく活かすことで勝つことができる。中小企業の戦い方を見出せます。

と、常にどうすれば自社に活かせるか?

の視点で物事を見ると戦略へと繋げる事が可能となります。

 

3.事例紹介

なかなか他社との差別化を見出せない場合は、「スピード」を掲げてしまうのも一つの方法です。中小企業の場合は、大企業と違い意思決定の時間が不要です。社長や経営幹部の独断で周知・共有を短時間で出来ます。現場の対応スピードさえ速くする事が出来れば、提供できるサービスや製品に独自性が無くてもお客様の信頼を獲得する事が可能となります。スピード重視で精度が落ちるかと言うとそのような事はありません。スピードを速くする事で経験値が高まります。その結果仕事の精度、品質がさらに高まります。

 

戦略ではなく戦術レベルの話なのですが、まずは他社との差別化を図り経営を安定させる。その上でじっくりと戦略を組み立てましょう。

 

4.得られる成果(評価基準)

頑張っても頑張っても窮境を脱しきれない状況から脱却できるようになります。

 

5.実践への最初の一歩行動

期間限定で仕事のスピードアップを図る。

 
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後継社長のための経営力強化法 15.中・長期計画

2- 2.中・長期計画

 

1.問題提起

 中・長期計画がある

 

解説

ビジョン同様に社員が不安、不満を持つのが自社は今後どうなるのか?の具体的な計画が見えない事です。外部環境も急激に変化します。5年後、10年後は誰にも想像出来ません。しかし、将来ビジョンを計画に落とし込んでおくと「違い」「想定外」の事態への対応で済ませる事が出来ます。計画すらなければ、常に外部環境に振り回される事になります。大抵の事は計画通りに行くわけはない。しかし、計画すらなければうまくいく事が奇跡です。

 

2.解決策提示

第一章で分析した要素と前項で描き出したビジョンを統合して数値に落とし込みます。

 

手順・

  • 社員の年齢から落とし込むとイメージしやすいです。
  • 〇年後に社長が引退。
  • その前の5年間は引継ぎ。
  • その前の10年間で組織拡大。
  • その前の5年間で組織確立。

  と逆算で計画していきます。

 

道具・

エクセルワークシート

 

コツ・

今まで数字で計画を作れなかった人は年齢から落とし込むとうまくいきます。20年後、30年後の社長の年齢が現役世代であれば「やりたい事」を〇年後に落とし込む。後継社長への引継ぎには5年はかかります。40代以上の社長であれば今から20年後まで全開で。以降は引継ぎ時期と想定する。今の自分の全開パワーで走れる年数が限られると目標数字は自ずと固まるでしょう。

事例紹介

途中に〇周年を組み込むと中期計画もプロジェクトとして取り組みやすい。ある会社では創業28年目に30周年の記念式典へのプロジェクトをスタート。30周年時にこれから50年目に向けてのビジョンを描く流れを組み立てて中期計画を策定しました。2年後の30周年は今とそんなに変わらないイメージです。しかし、そこから20年先は誰にとっても「分からない世界」です。

 

4.得られる成果(評価基準)

将来的な計画が大骨格としてある事でぶれずに社員が一致団結出来ます。

 

5.実践への最初の一歩行動

ビジョンワークショップを行った後に、実現するのに「いくら=金額」かかるのかを明確にする。

 

実際に一緒に作成しないと伝わりにくいですね。

目指す未来像がある。
未来に向けて計画がある。
多少横に振れても軌道修正が出来る。

 

 
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後継社長のための経営力強化法 14.構想力

2・構想力

1章では現状を客観的に分析する方法を解説しました。
しかし現状を分析するだけでは得たい未来を実現できません。
そもそも実現したい将来像を思い描かなければ組織は前へ進めません。
本章では、ビジョンを思い描き具体化する構想力について解説します。

 

2-1.ビジョン

問題提起:

将来ビジョンを描き、伝えている

 

説:「経営者はビジョンを描き、部下に夢と希望を伝えろ」と言われます。

今のように将来が見えない時代に目指す世界を描き伝える事は容易ではありません。戦後復興を目的として成長を遂げた日本企業はビジョンを描けずにいます。今やジャパンパッシングで日本は世界のガラパゴスと化しています。どのような時代であっても経営者は環境変化に対応して新たなビジョンを描く必要があります。

 

解決策:
自社の将来ビジョンを思い描く。部下に将来ビジョンを夢と希望を持って伝えていく。しかし、日本人はビジョンを伝えるのが苦手な民族です。大きなビジョンを掲げその実現を勝ち取るビジョン型の欧米人に比べて目の前の仕事を一つ一つコツコツと熟す価値観型人種だからです。ビジョンの実感を持たせるためにグループワークで実習することが効果的です。5年後、10年後に社員それぞれが自分の現在の年齢と将来の年齢を描くことで会社と自分の将来像が描けるようになります。

 

・手順

1.自分の10年後の年齢、家族の年齢、社員の年齢。社屋の年数。を付箋に書き出させます。

2.その付箋紙を模造紙やホワイトボード上に貼付けグルーピングしていきます。

3.上記の項目を実現するとしたらいくら(金額)必要なのかを算出させます。

4.10年後→5年後→3年後→1年後に必要金額を算出して自社の目標に落とし込みます。

5.1年後の目標に向けて具体的な行動計画に落とし込む。

 

・コツ:
将来ビジョンを描くときに、「実現可能性」はいったん無視させます。現状から思い描くと壮大なビジョンを描けません。自由に描くからビジョンなのです。社長は誰が何を書いたのかを「こっそりと」覚えておきましょう。機会があるごとに「○○さんのビジョンである○○を是非、一緒に実現しよう。」と声を掛けます。

「覚えていてくれたんだ。」と社員のモチベーションが上がります。

 

事例

これまで多数の会社で研修形式でビジョンを描くグループワークを実施してきました。初回は、自社ビル、工場移転、給料など個人の待遇や社内の改善レベルの将来ビジョンが多いのが現実です。また、年代によって将来ビジョンは違います。20代社員は大きな仕事をしたい。30代は給料などの待遇改善。40代以上になると将来ビジョンより将来不安の解消が多くなります。

経営理念は、「世の中を変えるような大きな事」を掲げているのに、社員の描くビジョンの「小ささ」に歯がゆい思いをする社長が多いのも現実です。

そういう社長は、社員が掲げた将来ビジョンを基に、再度社長自身がビジョンを描きなおしています。なかなか言語化できなかった事がうまく表現出来るようになっていきます。ホンダの創業者である本田宗一郎氏や京セラの創業者の稲盛和夫氏などは、小さい町工場時代からミカン箱にのり、「世界一」を目指していました。何度もビジョンを描き直し目の前の改善ではなく世の中を変えるビジョンを確立してほしい。

 

未来組織図への展開

将来ビジョンを描いてもいつまでに誰がなにをどれだけやるのか?

を明確にしなくてはただの妄想です。特に上記のグループワークを実施した後では昂揚感は高まるものの行動できずに逆効果の場合もあります。そこで、グループワーク実施後、各項目ごとに責任者をたて具体的な行動計画に落とし込む事をお勧めします。(会社規模にもよりますが。)
また、組織の構成メンバーの年齢層が広い場合には、現在の組織図と将来の組織図を作成するとそれぞれのメンバーが「5年後10年後にどうなっていなくてはいけないのか?」を本人が自覚しやすくなります。会社としては人材採用、及び育成計画の必要性が明確になります。

 

会社のビジョンが社員のビジョンに落とし込まれた会社は無敵です。

 
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後継社長のための経営力強化法 13.理念浸透

1-11.理念浸透度分析

1.問題提起

        働く全社員に理念が浸透している

解説
ドラッカー氏の著書に
「ここに、煉瓦を積む作業をしている人たちがいます。
「あなたは何をしているのですか?」との問いに対して、以下の5通りの答えがあります。
(1)わたしは、煉瓦を積んでいます。
(2)わたしは、壁をつくっています。
(3)わたしたちは、建物をつくっています。
(4)わたしたちは、教会をつくっています。
(5)わたしたちは、人々の心を癒す空間を造っています。」
 (著者意訳)

(私、内海透が生まれた久留米教会です。100年前の人々はどのような想いで煉瓦を積んだのだろうか?)

その人の仕事に対する認識が自分の仕事の価値を決定付けます。ここでいう「人々の心を癒す」という理念を共有することが働く人のエネルギー源となり、「やり甲斐」をもたらしてくれるものです。
しかし、多くの会社では、「煉瓦を積んでいます。」レベルです。良くても「誰にも負けない、誰にも出来ない素晴らしい煉瓦を積んでいます。」と答えるレベルです。一見プロフェッショナルに見えますが、組織で働く上でのチームワークも無く、自分の満足のために煉瓦を積むことが最大の害となります。こうした職人はどこの会社にもいます。
社長は「仕事の目的である理念」を社員に伝え、浸透させる事が仕事です。「よし、俺たちで人の心を癒す空間を作ろう!」と社員に仕事の目的を持たせ、彼らのプロフェッショナル魂をくすぐりたい。

2.解決策
安直な解決策がありません。
だからこそ、良い会社と偉大な会社に分かれます。

手順・道具・コツ
自社の理念が形としてない場合は、
「 尊敬できる会社の理念を真似」します。言葉として発してみて違和感を感じるのであれば修正を加えま す。繰り返す事で自分の言葉になるでしょう。
その上で、自社の理念を多くの人に伝えるための経営計画発表会を開催します。(正直、理念を聞きたい人は多くはないでしょう。)しかし、大事な事は外部の人に向かって社長が理念を語る姿を社員が見る事です。


3.事例紹介
ある福祉団体の経営理念は、
「一人ひとりの自己実現と、誰にとっても暮らしやすい地域づくり」です。福祉で働く人にとって「一人ひとりの自己実現」は利用者、患者さんに寄り添う当たり前の事です。しかし、福祉の利用者や施設の職員だけでは実現できません。地域との繋がりを持たなければ存在すら出来なくなります。良いヘルパーですでは上記煉瓦積み職人となってしまいます。人の心を癒す空間を作るイメージを全職員に持たせる事が重要です。理事長は、機会あるごとに「誰にとっても暮らしやすい地域づくり」をしているのか?を職員に問うています。人事評価の仕組みにも組み込んでいます。

4.得られる成果(評価基準)
グッドな会社ではなく、偉大なグレイトな会社になる。

5.実践への最初の一歩行動
明日の朝礼で自社の経営理念を伝える。うまくいかなくて当然です。

 

 

 

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後継社長のための経営力強化法 12.情報収集力分析

1-10.情報収集力分析

問題提起

欲しい情報が集まっている

 

解説

業界や地域の情報の入手が遅れると命取りになります。情報収集の伝手やルートがあるのは当然です。さらに一歩進めて自社が情報収集のハブになれるような仕組みづくりが必要です。

情報の流れの基本は中央から枝葉末節へと流れます。国の機関→都道府県→市区町村です。元請→下請け→孫請けです。業界トップ→業界団体→個別企業に流れます。国レベルの情報を早く得る事が出来れば地域で一番乗り出来ます。元請レベルの情報をいち早く得る事が出来れば下請けを脱却出来ます。情報の有無が企業の存亡のカギを握ります。情報通と呼ばれる人がいます。市区町村レベルなのに国レベルの情報を、孫請けレベルなのに元請レベルの情報を持っている人がいます。彼らは情報戦で優位な立場に立ち続けています。

 

解決策

情報のハブ(基幹)となっている人と深い関係を構築する。

手順1.情報源を探す。

        2.情報源との関係構築

        3.関係強化

 情報は持っている人の所に集まる。キーマンにとって自分は何を価値として提供できるか?

 

コツ

関係作りは個人と個人の関係。会社の名刺、会社の経費でなく相手が腹を割るためには自腹での付き合い。情報は相手にとってのメリットが大事。相手が知りたい情報を提供して自分を価値ある存在と認めてもらう。ざっくばらんに自己開示。自分の弱みを見せる事が大事。

 

業界情報

業界

情報などでは業界紙や業界団体の会合に参加する事で、法律の改正などの業界情報は比較的得やすい。業界団体の集まりに定期的に顔を出す事で情報収集は可能となる。しかし、本当の1次情報は業界トップが握っている。中小企業の立場で業界トップとどうやって関係を構築できるか?がカギとなる。市場規模推移などは業界紙や行政関係のホームページで公表されている。簡単に入手できるので把握しておきたい。自社が属する業界の市場規模や近年の推移程度は常に更新しておきたい。業界の推移と自社業績推移を比較対象することにより自社の業界内での地位も明確になる。

 

地域情報

地域情報は、顔合わせが基本となる。あなたが地域内で信頼される存在とならなくては情報は伝達されない。地域の祭りやボランティア活動への積極的参加。接触回数を増やし顔を覚えてもらうことが第一歩。継続しか力にならない。が、新参者で地域に入り込むのに時間がかかるのであれば自分で何かを始めることもあり得る。

一般情報

偏った情報だけに頼らない。右とか左とかではなく、日経新聞と朝日新聞の両紙を読む。などにより一つの事実を各メディアがどのように捉えているのかの視点を持てるようになる。最後は自分の頭で考える。

独自の情報源を一朝一夕に持つ事は難しい。独自情報を持つ第一歩としてその道の第一人者の講演会やセミナーに参加する事をお奨めする。ただ出席するだけでは関係は出来ない。コツは最前列で「うなずく」「懇親会や少人数での集まりがある場合は積極的に参加する。」事だ。本当は教えたくないが一番良い方法がある。それは、自分が聞きたい講師のセミナーを主宰する事だ。集客や運営の手間はかかるが、それ以上の見返りはある。

情報は集まる所に集まる。あなたが情報源となる。

創業経営者は独自の情報網を持っていた。それは、経験の結果得られた有益な独自の情報元だ。後継社長だからと言って相手が一次情報を提供してくれるとは限らない。情報は会社と会社の関係ではなく、個人と個人との間で流れるものだ。あなたが有益な情報を提供することで相手も有益な情報を提供する。創業経営者に比べて経験が少ないあなたが最初から極秘情報を入手する事は難しい。あなたに情報が集まるようになると、人も集まり、仕事も集まる。インターネットの普及で一般情報は誰でも手に入れられる。有益な1次情報が集まるようにしたい。

 

 

3.事例紹介

○業界事例

法律改正や新製品、研究開発などの情報は上場企業しか持っていません。しかし、ある中堅企業の社長は独自の情報入手ルートを持っていました。その社長自身が研究者出身のため大学の人脈を通じて業界内での情報をいち早く入手していました。資金力に乏しい中堅企業ながら独自の商品開発路線を貫けているのはそうした地道な情報収集が出来ていたからです。

※他の事例もあるのですが、「秘匿性」の高い情報のため公開できません。

 

4.得られる成果(評価基準)

良質な情報が得られると、一段上のステージに上がれます。

 

5.実践への最初の一歩行動

徹底的に自己開示する。

 

 

 

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後継社長のための経営力強化法 11.財務安全性分析

1-9.財務安全性分析 BSに着目

 

問題提起

安全性を分析している

 

解説

G 当座比率(%)

当座資産/流動負債で求められ、当座資産と流動負債の金額を比較することで企業の短期的な支払能力を判断する指標です。。当座資産とは現預金、売掛債権、有価証券など資産の中でも特に換金性の高いものが該当し、棚卸資産は含みません。

 

H 流動比率(%)

流動資産/流動負債で求められ、流動資産と流動負債を比較することで企業の短期的な支払能力を判断します。当座比率と同じであるが、流動資産は1年以内に現金化される資産で当座資産ほど換金性の高くない棚卸資産や前払費用なども含まれます。

 

I自己資本比率(%)

自己資本/総資本で求められ、総資本(資産)のうちどの程度自己資本で賄われているかを示す指標です。企業が調達した資本のうち主に株主からの出資である自己資本には返済義務がありません。金融機関等からの借入である他人資本(負債)には返済義務があるため、自己資本比率が高いほど経営が安定します。収益性、生産性、安全性についての各指標について解説しました。

 

財務分析は自社の決算書の数字を入力して競合他社と比較する事で自社の強みと弱みを見出す事が出来るようになります。

 

 

 

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後継社長のための経営力強化法 10.財務収益性分析

1-8.財務収益性分析

 

問題提起

収益性を分析している

 

解説

財務諸表に現れるのは「結果」です。経営者の意思は計画に現れ、結果が財務諸表に現れます。ですので、結果に一喜一憂する必要はありません。成長を目指している会社が借入が多く安全性に問題があると分析されても違います。ここ数年は成長より安全を重視したい。との意思があっても実際にやっている事が違えば安全性は損なわれます。経営の意思と結果をどのように関連付けるかを理解した上で財務分析に取り組みましょう。

 

解決策:日本政策金融公庫の財務諸表分析

https://www.jfc.go.jp/n/zaimushindan/

のページを基に解説します。

 

チャートの各項目について解説する。

収益性

A 売上高総利益率(%)      

いわゆる粗利益率で売上総利益/売上高の式で求めます。売上総利益は売上-仕入であり、仕入れた商品にどれだけ利益を乗せて売っているかを示しています。売上高総利益率が高ければ収益性が高い付加価値のある商品が揃っている事を、低ければ収益性が低い付加価値のない商品が多い事を意味します。

B 売上高経常利益率(%)

売上総利益から営業や間接の経費である販売費及び一般管理費を引いたのが営業利益です企業本来の営業活動の成果となります。さらに営業利益から日常的に発生する財務活動から生じる営業外収益と営業外費用、すなわち経常損益を加減算して求めるのが経常利益です。営業外収益は受取利息、受取配当金、有価証券売却益、投資不動産の賃貸料など、営業外費用は支払利息、有価証券売却益などです。経常利益は企業の通常の事業活動から得られた成果として正常な利益を示し、経常利益/売上高で求められる売上高経常利益率は企業本来の利益を生み出す実力(収益性)やどれだけ効率の良い経営を行っているかを問われる指標となります。

C 総資本経常利益率(%)

経常利益/総資本(資産)で求められる総資本経常利益率は企業が投下した資本(資産)を活かしてどれだけの収益を上げているかの指標となります。総資本経常利益率は次のように前項の売上高経常利益率と総資本回転率に分けて考えます。

経常利益/総資本=①経常利益/売上高+②売上高/総資本

①はBで述べたように売上から利益を生み出す力で②は総資本回転率と呼ばれる指標であり、企業の資産を活用して売上に転換する力を見るものです。つまり売上高経常利益率という収益性と総資本回転率という効率性を同時に示す指標であり、利益率を高めるにはどちらか一方、または両方を高める必要があります。当社のようなコンサルティング会社はほとんど原価がかからないため比較的収益性は高いと言えますが大きな投資は必要としないため現預金が増えてもそのまま寝かせておくことになり、そこからさらにお金を生むことがあまりないので総資本回転率は低くなりがちです。これに対して例えばソフトバンクなどは資産を最大限に活用して調達した資金で企業を買収して効率的に規模を拡大しています。このタイプでは投資したものが収益を生まない場合に返済が滞り危機に陥る場合があります。ダイエーを代表とする大手流通業はまさしくこの例で高度成長時に借入をして土地を買い、値上りしていく土地を担保にどんどん店舗を増やしていったがバブル崩壊とともに土地の価値が急落、増やした店舗の採算も悪化して膨れ上がった借入を返済できなくなり衰退の道を辿りました。総資本経常利益率は売上高経常利益率と総資本回転率に分けることで企業の収益性と効率性を同時に分析できるため重要で企業のバランスを問われる指標となっています。

 

ダイエーのように「イケイケどんどん」ではなくても、成長期には借り入れが増えます。その局面のみを捉えて、「だからダメなんだ。」と分析するのではなく、今後の事業展開とリスクを勘案するために財務諸表を有効活用したいものです。

 
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後継社長のための経営力強化法 9.組織機能分析

1-7.組織機能分析

1.問題提起
組織を組み立てる設計図がある

解説:組織図は会社作りの設計図です。
組織図を作る時の考え方について解説します。
なかなか組織化出来ないのは設計図を描かずにいきなり組織を作ろうとするからです。現状からの積み上げ思考では組織作りに時間がかかります。それは、「出来るようになったら」次のステップへ進むからです。「本来のあるべき姿と現状の差」が見えるとその差異を埋めるために頑張る方がスピーディーです。あるべき姿を描いてから優先順位を決めて空白部分を描いていく。そのためにも設計図が重要です。

人・モノ・金の経営三資源をどのように機能させるのかを組織図で表します。
中小企業では黄色の現場の部分をいかに効率よく機能させるかが重要です。
社長は黄色い部分を部下に任せ、白い部分=考える部分を担う。
そのためにも黄色部分のマニュアル化が重要です。
黄色い部分のマニュアルを作り、
部下が出来るように教育するのが組織化を目指す社長の最初の仕事です。

私の師匠の長谷川先生は、
「どのような組織が最適か?」
との問いに対して、
「経営者が経営しやすい組織が良い組織だ。」と答えています。

 

2.解決策
手順
1.組織図を作成する。小規模の会社の場合は、(兼)社長の仕事が多いだろう。しかし、それでも組織図を作成しあるべき姿を描く。
2.各機能について考える仕事と現場の仕事を分けて考える。
3.設計図に則り人材採用育成を実現する。
道具:組織図
コツ:中期計画中で「いつまでに」を明確にする。

 

 

 

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