2017年 12月 の投稿一覧

後継社長のための経営力強化法 29.現行業務を分解して改善する

3-5.改善のヒント 2.現行業務を改善する

 

1.問題提起

業務プロセスを改善している

 

解説

 

2.解決策提示

認識から購入までの心理変化5段階と営業活動及びツールサミュエル・ローランド・ホールがRetail Advertising and Sellingにて紹介したAIDMA理論を日本の中小企業の現場に合わせたのが当社考案の心理変化に応じた営業ステップです。

焼き鳥屋が煙を外に出して、香ばしい香りで人を誘うのは人間の嗅覚に訴えるからです。テレビコマーシャルに綺麗なお姉さんが出るのはオッサンの男性に訴えるからです。太っている人がダイエット食品を買うのは、ビフォーアフターのPOPや写真などの広告を見て自分もそうなりたいと思うからです。人間に心理変化を引き起こし購入させるまでのステップを理解し、組み立てる事で売上を向上させることが可能となります。

大企業などでは、マーケティングと営業を分けている場合が多くあります。営業については販売会社や代理店などにさせるケースも多くあります。中小企業ではマーケティングと営業を一貫して自社で行います。

各ステップを改善する事で全体の改善につなげる事がこの項で伝えたい内容です。

 

仕事の棚卸しを実施した後に、前工程と後工程の担当者と仕事のダブリ部分を無くす方法を考える事で改善できます。たとえば、経理と営業の仕事の請求書の受け渡しやサービスと営業の現場確認などで二度手間が発生しているなどの事例は良く見つかります。

その上で、やりたい仕事の洗い出しを実施します。
前述の2項目は現在の仕事の棚卸しから発見出来た事柄ですが、やりたい仕事の洗い出しを行う事で新しいヒントが生まれます。
その後、上記2項目と洗い出したやりたい仕事の中で優先順位を明確化させます。

1度に1つ

ゴールを複数設定しても達成出来ません。
最初の3カ月は全社で一つの同じ目標を設定します。そのうえで各部門ごとの目標に落とし込みます。
1回の仕事の棚卸しだけでは、「うっかり」の漏れがあります。
そこで、この機会に月に1度定期的に仕事の棚卸しを行うスケジュール化をしてもらいます。
また、仕事の棚卸しをさらに細分化することで業務マニュアルを作成する事が出来ます。
定期的に見直しのスケジュール化が出来れば現行業務の改善にもつながります。

 

 
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後継社長のための経営力強化法 28.アンゾフのマトリクス

3-4.改善のヒント 1.未完了を完了する

1.問題提起

未完了を完了させている

 

解説

未完了とはあまり聞きなれない言葉でしょう。物事を完了させていない状態を指す言葉です。

良くも悪くも未完了の状態は気持ち悪い状態です。何かをはじめたものの、うまく行き始め、忙しくなってしまい始めたことを完了させられなかったという事はありませんか?

完了させない間に他の事も入り込んでしまいそのうち忘れてしまった事です。
逆に「やろう」と思い準備に着手したが出来ずに放置してしまった事などもあります。
こうした「未完了」を洗い出し完了させることが時間と労力の点から早く成果を出せます。
90日程度で結果を出さなくてはいけない事業再生コンサルティングの現場では、すぐに着手出来る事として「未完了の完了」を最優先で取り組みました。特に即効性のある売上向上の方法です。

 

 

アンゾフのマトリクス 

全ての商売は「誰に」「何を」売っているのか?の組み合わせです。請求書伝票をひっくり返して自社のお客さんは誰か?その客さんに何をどれだけ売っているのか?

上記のマトリクスを参照して分析しましょう。
この分析作業を行うだけでここが弱い。もう少しこの企業を攻略しようといくつかのアイデアが出てきます。

 

0.過去客の掘り起し
アンゾフのマトリクスには出ていませんが、最初にやるべき方法が自社と過去に取引があったお客さんの掘り起しです。以前購入実績があったお客さんに対して電話1本掛けるだけです。
「最近、お見えになられていないようですが、いかがなさいましたか?」とひと声かけるだけですぐに戻って来てくれるお客様もいる一方、引越し、病気などの理由で二度と買いに来れない方もはっきりします。最初の1週間で社員に過去客に電話を掛けるようにさせると、新規開拓をしなくてはいけないと気付かされます。上司が部下に「新規開拓しなさい」と口を酸っぱくして言うよりも、部下に過去客に電話をさせる方が効果的な場合も多くあります。

 

1.既存×既存
既存のお客様に既存商品を更に買ってもらう事です。
売上を上げる方程式は、単価×数量のどちらを上げるかです。
単価は既存のお客様の場合は既に決定している場合が多いため、数量を多く売る事になります。

 

 

近江兄弟社事例
私が近江兄弟社の営業マン時代に既存顧客に対して既存商品を売っていたのかについて紹介します。ドラッグストアなどのチェーン店では、年に数回行われる棚割りで売り場が決定します。
この棚割りの時に参考にされるのは前年度の販売実績(POS実績)です。また、テレビCMの回数などの宣伝広告の施策にも影響されます。メンタームブランドは知名度があるため定番の棚は確保できていました。しかし、既存商品を定番の売り場で売っているだけであれば翌年度以降も定番確保できるかは不確定です。そこで、既存商品をさらに売るために私たちはドラッグストアの店頭を訪問していました。一般的な定番商品の棚以外のレジ前や店頭での陳列は店長の裁量にゆだねられる事が多いため夜討ち朝駆けで店舗を訪問しました。

 

小売店事例
当社のお客様で江東区住吉でフランス料理店を営んでいたランファン(現在は、銀座に移転)では、既存顧客に自店への訪問を促すためにワイン会や店内でのライブを実施しました。店舗ビジネスを行っている方はヘビーユーザーに更に通ってもらうためのイベントが効果的です。

 

2.既存×新規
既存のお客様に新規商品を買ってもらう事です。群馬県の食肉メーカーでは精肉以外の加工品の製造・販売も行っています。しかし、既存のルートを巡回する営業マンは冷蔵車の運転、配送も兼務しているため単価が低く、サイズが小さいトルトカレーやその他の加工品の販売には目が行き届いていませんでした。そこで、営業部の中で商品別販売担当者を選定してカレーを拡販する事としました。一般的な精肉の小売店ではレジ横に空スペースがあるためレトルトカレー数個を並べる事に抵抗あるお客さんはいませんでした。3カ月の拡販プロジェクトの結果、毎月3倍以上の数量を売ることが出来るようになりました

 

3.新規×既存
新規開拓です。新規開拓はさらに詳細なステップを組み立てる事となります。
1. 最初のアクション:当社の存在を相手に知らせる。(準備を含め開始から2週間程度)
2. 相手の反応を得る(送付から2週間程度、開始から1カ月程度)
3. 反応があった相手に試してもらう(訪問、サンプルの送付)(開始から1~2か月)
4. 商談(開始から1~2か月)
5. 受注(開始から1~3カ月)となります。新規開拓である程度の目標件数を達成するのであれば3カ月程度の期間で上記のステップを行いつつ検証を繰り返すことになります。

 

4.新規事業
ユニクロの柳井氏は、「商売は元々うまくいかないものだ。一勝九敗くらいのものだ。」と仰っています。現在、たまたま「食えている」「稼いでいる」状態だとしても未来永劫続く事はありません。他の事業を成功させるとしても初めから「一勝九敗」を前提と考えていると取り組みやすい。私は次の手順を踏まえたうえで新事業を展開するように進めています。まずは、既存事業で安定的に利益を出せるようになること。そのうえで新事業を行う。この順番は何が何でも死守させています。
一方、友人の経営者の中には経営計画の中に「過去三年の新規事業の売上を全体の売上の2割程度に伸ばす」事を明記している人もいます。彼によると、「既存事業で売上を伸ばす事は簡単で安直な道だ。新規事業は大変な道だ。大変な事を敢えてやる環境に自分たちを追い込むために新規事業のシェアを掲げている。」との事でした。当社の事業再生コンサルティングでは新規事業はご法度としていますが、本来の経営のあるべき姿として常に新規事業や新商品開発を行うのは大切にしたい事です。

 

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後継社長のための経営力強化法 27.改善策を5w2hで明確化する

3-3.改善策を5W2Hで具体化する

1.問題提起

改善策を5W2Hで具体化している

解説

成行予測値を悲観的冷徹に予測すると、改善しなければいけない改善目標の数値が明らかになります。この改善目標の数値を達成するための対策を具体化することが真の計画策定です。数値に基づいた具体的な計画立案の方法について解説します。

 

2.解決策提示

改善目標を具体的な行動計画へ落とし込むための打ち手を5W2Hで明確にする。

 

手順・

1.金額、担当者、具体的な方法、期限、実行量を明確にする。

2.改善目標を充足させるだけの打ち手を考案する。

3.それぞれの打ち手ごとに実行計画に落とし込む。

 

コツ

全く新しい事を実施するのであれば数値化が難しい。最初は粗い数字で仮説を組み立てます。週次の進捗確認の時点で数値に修正を加え追加対策が必要な場合はすぐに追加対策を加えます。

「走りながら考える!」

 

○事例:セミナー受講者への質問。

成行予測は、おおむね目標に対して80~90%の位置に線を引く人が多い。また、改善目標もヒントを上げると2、3個は出てきます。しかし、最後の最後まで詰め切らなくては意味がありません。改善目標を達成するための具体的な打ち手で金額を徹底的に詰め切ります。最期に出てくるアイデアは「新規開拓関連」になります。「新規開拓を○件実施することで○円になる。」となります。しかし、新規開拓は実現可能性は高いとは言えません。今までのやり方を自分たちで変えているとの視点で見ると悪くはありません。どのようなアイデアであっても、自分たちで考え出したアイデアです。上司は必ず実行させてください。

 

4.得られる成果(評価基準)

出来ない言い訳で数字を積み上げられない状況が、どうすれば出来るか?へと転換できる。社員が自ら考え行動する孝動へと変化する。

 

5.実践への最初の一歩行動

対策が具体的であれば、即行動出来る。行動出来ない対策であればもう一度具体化させる。

 

参考:行動量を指標化する

KPI(Key Performance Indicators)

行動量を数値化した指標です。

一昔前は「営業=根性」の精神論で良かった。今どき根性だけを掲げてもうまくいくはずがありません。営業活動を科学的に捉えるには行動量を数値化して対比する事が効果的です。新規開拓における成約率は初回訪問時○%、リピート訪問を繰り返すことで△%と計測可能となります。逆算する事で△%で毎月○件の成約を得るためには◇件の訪問が必要と定量的な数値化された行動目標が設定できるようになります。毎月のリピート訪問◇件が行動量の指標です。「頑張りますは、何をどれだけ頑張るのか」が誰にもわかりません。

頑張りである行動量を数値化することで行動を評価できるようになります。

 
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後継社長のための経営力強化法  26.悲観的・冷徹に成行値を予測する

 

3-2.悲観的・冷徹に成行値を予測する

1.問題提起

悲観的・冷徹に成行値を予測する

解説

悲観的=悲劇的ではありません。楽観ではなく現実を厳しく捉える事です。事実は事実ですが捉え方は悲観も楽観もあります。事実を事実のまま受け止められれば良いのですが、なかなか出来ないので悲観的に捉える事が大切です。

 

2.解決策提示

1.過去数年間の傾向より算出する

過去3年間の業界、自社の傾向を対比します。出来ればZチャートを作成して過去3年間程度の推移を対比出来ると良いでしょう。データ作成に時間を費やすことはムダなのですぐに集められる業界情報や自社の過去データで傾向値をつかめれば十分です。

Zチャートとは、毎月の業績の推移、最初の月を起点とした月ごとの累計、各月から過去1年間の合計(年計)をあらわし、この3本の線は必ず2点でつながり、「Z」の形になるグラフです。

2.予測できる外部環境の変化から推測する

第二章で分析した外部環境分析で自社を取り巻く外部環境を明らかにすることで、定量化=数値化して推測する事が可能となります。今後の顧客企業の減少数や地域人口の予測などは明確でしょう。技術革新や社会環境の変化も定量化して取り入れたいものです。少子高齢化の中では出生数が増える事はありません。ベビー、子供用品の市場は拡大する事は無いと考える事が妥当でしょう。活字離れの環境下に置かれている出版業界で今まで同様~ オンデマンド印刷。電子書籍への対応。企業のマーケティング支援などに取り組む出版社が増えています。嵐が通り過ぎるのを待つだけの対応では乗り切れません。ただ手をこまねいて座して死を待つのはやめたいものです。とは言え、自社だけは何とかなると達観している中小企業が多すぎですが。 

3.経営者の経験値

数十年経営してきた経営者であれば肌感覚である程度信頼出来る数値を算出します。下記の図は当社がセミナーに登壇した際受講者に実習してもらうシートです。何のデータも無くその場で記入するのですが、その後会社に戻って詳細なデータを確認すると経営者の経験値は概ね外していないようです。成行予測の算出の際にどれだけ「冷徹」「悲観的」に数字と向き合えるかがコツとなります。
上記の実習を行った経営者から
「今まで目を背けていた現実に直面させられた」
「厳しい現状に対して覚悟を迫られた」との感想を頂きます。
何となく、ぼんやりと「目標達成」の掛け声をかけるのではなく、定量化した現実を直視するためにもまた、「まさか」の事態に備えるためにも、「悲観的・冷徹」に成行予測値を算出して欲しいものです。

 

手順・

1.上記解説を参考にして成行値を算出する

 

道具・

上記成行値算出シート

 

コツ

もし、売上が半分になったら...を想定しながら算出する。

 

3.事例紹介

・成行値算出例
前年度売上    292百万円
今年度売上目標  300百万円
の場合、
変化が見込まれる要因を算出すると
▲20百万円
成行予測値は272百万円となります。
改善しなくてはいけない金額は29百万円と算出できます。
前年比103%の目標ではなく、前年比110%の売上向上が必要となります。
甘い期待ではなく、厳しい現実を直視しなくてはいけません。

 

4.得られる成果(評価基準)

改善の打ち手が増える。期待・楽観の経営ではなく現実を見据えた経営が出来るようになる。

 

5.実践への最初の一歩行動

まずは、予測する

 
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