2017年 10月 の投稿一覧

営業(セールス)マニュアルの作り方 11 マニュアルは手順×道具×コツ

第2章3節.マニュアルは手順×道具×コツ

「何事も小さな仕事に分けてしまえば、特に難しくない。」

とはマクドナルドの仕組みを作ったレイクロックの言葉です。

彼は、業務用ジューサーのセールスマンを経て50代でマクドナルド兄弟からハンバーガーショップの権利を買い取り、フランチャイズ展開で世界的企業に育て上げました。マクドナルドの味はマクドナルド兄弟。仕組みはレイクロックが作り上げました。組織化とは仕組作りに他なりません。新入社員をぶらぶら遊ばせる事なくすぐに仕事を出来るようにするためにマニュアルは欠かせません。出来ない人が出来るようにするためには、「箸の上げ下ろしレベル」まで分解されている必要があります。出来れば「見てすぐに分かる」イラストや動画で解説出来れば尚良いでしょう。仕事を人に教えるときや標準的な仕事を共有化するためにマニュアルを作成している会社は多い。しかし、マニュアルのレベルがまちまちだったり、ずいぶん前に一度作って更新がされていなかったりします。せっかくマニュアルを作っても使われないのであれば意味がありません。随時更新して使えるマニュアルとしたいものです。あなたの会社では箸の上げ下ろしレベルに分解されたマニュアルを用意し更新していますか?

マニュアルの作り方(理論編)

箸の上げ下ろしに分解したマニュアルを作成、運用する。

・手順・道具・コツ

マニュアルは、それを理解できれば誰でも同じように再現できる方法です。「〇さんだから出来る」=属人的要素を排し、正しい手順通り行う事で誰もが再現可能となります。

マニュアル作りには欠かせない3つの要素があります。

  • 手順、2.道具、3.コツです。

例えば、掃除を例に説明します。

1.の手順は、上から下に掃除をする。天井から床にかけて掃除をする。なぜならゴミは上には上がらず下に溜まるからです。また、真ん中から四隅に向けて掃除する。ゴミは隅に溜まりやすいからです。一つ一つの手順が理に適っているため誰が行っても同じように掃除が出来ます。

2.の道具ははたき、ほうき、ちりとり、掃除機、雑巾、洗剤、空雑巾、ワックスなど手順に応じて決まります。

3.コツ(独自の方法)については昔であれば一子相伝的に現場を一緒に経験しないと伝わらない事とされていました。しかし、現在ではこのコツをどのように社内で素早く共有できるかが会社の競争力の源泉となっています。

この後、第3章で営業マニュアルの具体的なつくり方について解説します。

営業(セールス)マニュアルの作り方 10 マーケティングと営業

認識から購入までの心理変化5段階と営業活動及びツール

サミュエル・ローランド・ホールがRetail Advertising and Sellingにて紹介したAIDMA理論を日本の中小企業の現場に合わせたのが当社考案の心理変化に応じた営業ステップです。焼き鳥屋が煙を外に出して、香ばしい香りで人を誘うのは人間の嗅覚に訴えるからです。テレビコマーシャルに綺麗なお姉さんが出るのはオッサンの男性性に訴えるからです。太っている人がダイエット食品を買うのは、ビフォーアフターのPOPや写真などの広告を見て自分もそうなりたいと思うからです。人間に心理変化を引き起こし購入させるまでのステップを理解し、組み立てる事で売上を向上させることが可能となります。

大企業などでは、マーケティングと営業を分けている場合が多くあります。営業については販売会社や代理店などにさせるケースも多くあります。中小企業ではマーケティングと営業を一貫して自社で行います。社長や経営幹部は自社のマーケティングを徹底的に考える。その上で営業活動は「マニュアル化」して「誰にでも」出来るように落とし込みます。

 

マーケティングと営業の違い

マーケティングと営業の言葉の違いについて再定義します。
マーケティングとは市場と自社の商品・サービスを適合させていくことです。「Market+ing」と理解すると理解しやすいです。上記の心理ステップではお客様が当社商品・サービスを認識し、関心を持ち欲しくなるまでの3ステップに該当します。営業とは見込顧客と自社の商品・サービスと合致させる事です。見込顧客の潜在的な悩みや欲求を解決できる商品・サービスを顕在化させて決断させる事です。上記の各ステップを中小企業では自社内で完結させる事が望まれます。営業(セールス)マニュアルではマーケティングの目的とそれに対応したステップを共有した上で営業が何をすべきかを明確化していきます。

営業(セールス)マニュアルの作り方 9 営業マニュアルの作り方(概論編)

第2章:営業マニュアルの作り方(概論編)

本章では、営業マニュアルの全体像について解説します。マニュアルを作る上で必要な要素は「手順・道具・コツ」です。しかし、大事なことは、マニュアルの目的と基準です。「誰」を対象にしたマニュアルなのか。マニュアルを使うことでどのレベルにまで到達させられるかを定義する事です。

 

第2章1節. 数式化(投入資源<営業実績)考える仕事と動く仕事

少しだけ、営業マニュアルから外れます。第1章でお伝えしたビジョン>組織>人材の設計図に再度触れます。

組織化の最初のステップは、社長が白い部分を考える事です。黄色い部分の「人が動く」部分をマニュアル化すると伝えました。広告費やDMで集客する。その時にいくらの費用をかけるのか?その後の営業活動(=販売、受注、契約)でいくらの売上にするのか?を数式化しておくことが重要です。

この後、マーケティングと営業活動について解説しますが、投入した資源以上の成果を上げられる行動をさせるのがマニュアルの機能です。

営業(セールス)マニュアルの作り方 8 学習ステップ

第1章4節.学習ステップ

物事を全く知らない段階から出来るようになるには学習の4ステップと呼ばれる段階があります。

1.出来ない事を知らない=無知→2.知る →3.意識して出来る →4.無意識に出来るの4段階です。
これらの各ステップを知ったうえで人材育成プログラムを作って欲しい。
学校を卒業したての新入社員であれば、ほとんどの事が「1」の状態です。
中途入社の社員で同業他社で同様の仕事をしていた場合でも自社については新入社員同様です。
新入社員に比べたら時間は少なくて済むが上記のステップを経る事になります。
上記のステップを踏まえたうえで教育するプログラムが必要となります。

・手順

1.知識情報を提供し概要を理解させる

2.知っているが出来ていない事を実感させる

3.出来るまで量稽古を積ませる

4.無意識にできるレベルに体に覚えこませる

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ褒めてやらねば、人は動かじ。」
は山本五十六の言葉。
出来ないから出来るへのステップアップで重要なことは上司の率先垂範と量稽古です。
自動車の運転免許を取得した時のことを思い出してほしい。
初めて教習所に行ったときにどのような気持ちだったでしょうか?
「みんな運転しているんだから自分でも運転できるだろう。」
と思いつつも不安だったことでしょう。
学科で知識や情報を教えられ、
横に教官が乗った状態で教習所内のコースを何度も運転した事でしょう。

知らない=無知の状態から知識を得て安全な場所で何度も運転することでようやく
「意識すれば出来る」状態になりました。
更に何度も運転することで無意識に運転できるようになりました。

無事に免許を取得し、
プライベートで運転したり仕事で運転する事を繰り返し無意識で運転できるようになりました。
音楽を聴いたり、会話をしたりしながら長距離ドライブにも行けるようになりました。

仕事も同様です。
最初はスーツにネクタイ姿もままらなず
「おっかなびっくり」で出社した時期があったはずです。
上司や先輩に教わりながら仕事を覚えていきました。

やがて一人で無意識に仕事が出来るようになったのです。
随分昔の事で忘れた人もいるかもしれませんが。
このように新しい物事を知り出来るようになるためには必ず学習ステップの階段を登ります。
上司は部下が今どの段階にいるのかを知ったうえで教育して欲しいものです。

営業(セールス)マニュアルの作り方 7 20:60:20の法則

第1章3節. 20:60:20の法則

営業(セールス)マニュアルは誰を対象に作成するのか?を考えるときに組織構造を分析する事から始めます。組織は上位20%中位60%下位20%に分解出来ます。驚くほど正確に各企業でもあてはまります。上位20%は、社長(上司)の言った事の背景を理解し、言っていないことまで推測、先回りした仕事が出来る社員です。

社長が手放したくないレベルの人間です。

このレベルの社員には「これから」実現したいビジョンを共有し一緒に考え実行する「仲間」として扱う事が大切です。「やり方」ではなく「あり方」を伝える事で彼らの仕事の成果は上がります。中位60%レベルは、「言われたら、言われたことを最低限やる」レベルの社員です。基準を明確にしマニュアル化や社員教育の充実で結果を向上させられます。。良くも悪くも、自社のレベルはこの中位レベルに左右されます。下位20%レベルの社員には2通りあります。能力はあるが会社に対する不満があるため実力を発揮していないタイプと本当に仕事が出来ないタイプです。会社に不満があるタイプの人間に対しては、社長が本音で向かい合う事で上位20%になるか退職するかに分かれるでしょう。

残念だが最後の本当に仕事が出来ないタイプは辞めさせても中位レベルから落ちこぼれてくるので撲滅は出来ません。
「どのレベルの人材を採用するか?」を明確化すると下位レベルを採用しないようになります。
営業マニュアルは最も効果的な中位の60%に対して作成します。
やる気はあるけど出来ない子は育てられます。
出来るけどやる気が無い子は育てられません。

営業(セールス)マニュアルの作り方 6 当たり前を分解する

第1章2節. 当たり前を分解する

イチロー選手にとって打席に立ったらヒットを打つのは当たり前です。
また、打席に立つための準備、普段の練習は全てヒットを打つためには当たり前の事です。
しかし、凡人から見れば当たり前のことを当たり前に出来る事は凄すぎます。

あなたが創業経営者でゼロから1を生み出したのであれば、
売上を上げるための苦労は全て「当たり前」でしょう。
自分が当たり前に出来るのだから、みんな出来て当たり前だと思ってしまいます。
「何で出来ないんだ!」と怒鳴ったところで出来るようにはなりません。
しかし、怒鳴ってしまう自分がいる。

「営業マニュアルを作ったら良いよ。」
と言われ取り組むものの、自分自身は感覚で身に着けた「当たり前」です。
何をどのように伝えれば良いか分からない。
着手はするもののなかなか完成にはたどり着けない。
当ブログでは、そうした社長や営業部長に「当たり前」を分解する方法についてお伝えします。
仕事には流れがあります。
その流れを「箸の上げ下ろしレベルに分解する」事がマニュアル化の第一歩です。

動きのある仕事は動画撮影などで容易にマニュアル化出来ます。
動きの見えない=考える仕事はなかなかマニュアル化できません。
だからこそ、自社の営業マニュアルが他社との差別化となるのです。
そのためにも、「当たり前」を「当たり前」で終わらせるのではなく
細かく分解していきましょう。

仕事が出来る人にとっては面倒くさいことですけど。

営業(セールス)マニュアルの作り方 5 惚れさせる

コラム:惚れさせる

少子高齢化、人口減少は待ったなしです。
こうした外部環境下で中小企業が苦しめられるのが人材採用です。
目の前に大きな市場があっても、「営業する人」がいなければ会社の存続はありません。
人で苦しんだ徳川家康の大将の戒めによると「惚れさせる」事こそが人心掌握の肝です。
企業経営者として肝に銘じたいものです。

 

大将の戒め   徳川 家康
大将というものは 

敬われているようでその実家来に
絶えず落ち度を探られているものだ
恐れられているようで侮られ
親しまれているようで疎んじられ
好かれているようで憎まれているものじゃ

大将というものは 

絶えず勉強せねばならぬし
礼儀もわきまえねばならね
よい家来を持とうと思うなら
わが食を減らしても
家来にひもじい思いをさせてはならぬ
 

自分ひとりでは何も出きぬ
これが三十二年間つくづく
思い知らされた家康が経験ぞ
家来というものは
禄でつないでならず、機嫌をとってはならず、
遠ざけてはならず、近づけてはならず、
怒らせてはならず、油断させてはならぬものだ
 

「ではどうすればよいので」 

家来は惚れさせねばならぬものよ
惚れさせる事が回り道に見えて近道です。

営業(セールス)マニュアルの作り方 4 ビジョン>組織>基準

第1章1節. ビジョン>組織>基準

何のための営業マニュアル作成なのかの目的が明確でないから、
いつまでたっても完成しません。
それは、
何のための会社なのか?
何を目指す会社なのか?
の根幹が定まっていないからです。
何事も根幹が定まらなければ枝葉末節を充実させることは出来ません。
マニュアルは根幹ではありません。
根幹がぼやけているとマニュアルを読ませる対象者もレベルも不明瞭となります。
全体像を一目で見渡せるものを作成すべきか?
微に入り細に入るコツ中心なのか?
が不明確なので出来上がりません。
ところで、根幹の話をするため、少しだけ営業マニュアルから外れます。会社経営の全体像の話をします。会社のビジョン実現に重要なのが設計図です。なかなか組織化出来ないのは設計図を描かずに現状からいきなり組織を作ろうとするからです。あるべき姿を描いてから優先順位を決めて空白部分を描いていく。そのためにも設計図が重要です。

人・モノ・金の経営三資源をどのように機能させるのかを組織図で表します。中小企業では黄色の現場の部分をいかに効率よく機能させるかが重要です。社長は黄色い部分を部下に任せ、白い部分=考える部分を担う。そのためにも黄色部分のマニュアル化が重要です。黄色い部分のマニュアルを作り部下が出来るようにするのが社長の仕事となります。

 

中小企業 組織化 組織作り
http://bit.ly/2xXwsNy
の記事で紹介しているように全体から部分へ落とし込まないと組織は作れません。今回のブログで営業マニュアルの作り方を解説しているのは、組織営業を目指す経営者が属人要素を排除出来るようにする事が目的です。

目的は組織作り
組織で必要な人材の基準はどの程度なのか?
基準が明確であればやるべき事も明確になります。

1.基準に合致した人材を採用する
前節で取り上げた「したい事、出来る事、すべき事」を採用条件として提示します。面接時に確認します。何が出来れば基準を満たすのかを明確にしておきます。

2.今いる人材を基準に達するまで教育する
第4章以降で取り上げる人材育成の方法です。基準を明確にしないので部下はいつまで経っても「何が正解か」分からないのです。上司にとっても、いつまで経っても出来ない部下なのです。

「敷居が高く面倒くさい。」のが人事評価制度の仕組みです。
が、当社では3段階程度の基準で始める事を進めています。
ある仕事について
「上司と一緒に出来る」「一人で出来る」「指導出来る」の3段階です。
上司と一緒に出来るレベルの人を一人で出来るレベルにするのがマニュアルと教育です。

3.基準を超える人材が来る仕組みを作る

部下に惚れられる上司。人が来たくなる会社を作る。惚れられる事です。社長の情報発信力を向上させる事で人が集まる会社になります。

営業(セールス)マニュアルの作り方 3 なぜ、営業マニュアルは完成しないのか?

なぜ、
営業マニュアルはいつになっても完成しないのか?

「営業マニュアルはありますか?」と尋ねると、

「ええ、ありますよ。」...

「あれ~どこだったかな?以前作ったのがあったはずなのに…」

営業マニュアルがあると答えた会社ですらこのような状況でした。

マニュアルに対する根本的な誤解が原因です。
マニュアルは常にと手に取れる場所にあるべきです。
一方で、マニュアル作りに着手はしたものの完成できていない会社も多くあります。私はそれで良いと思います。随時改訂があるべき姿だからです。常に現在進行形の状態です。しかし、経営者としては「完成形」を求めます。人によっては「てにをは」レベルまで追求します。現場は「中途半端」な状態では上司に報告出来なくなってしまいます。その結果、営業マニュアルは日の目を見ないままお蔵入りとなってしまいます。

これまで多くの中小企業で営業マニュアルの作成を支援してきた中で見えた事は、

1.ちゃんとしたモノを作ろうとするから完成しない

2.何のための営業マニュアルなのかの目的が明確でないから完成しない。

3.誰を対象にどのレベルで書けば良いのか分からないから完成しない。

が営業マニュアルが完成しない理由でした。

当ブログでは、何度も取り組んできたけど出来なかった会社が「とりあえず完成」と言えるレベルで作れるように解説します。

営業(セールス)マニュアルの作り方 2 はじめに

はじめに

当ブログは、

「社長が頑張れば頑張るほど売上が下がる。でも頑張らなければもっと下がる。一体、どうしたものか...」

とお悩みの中小企業経営者のために執筆しています。

私(内海)はこれまで独立後11年以上にわたり中小企業の組織化、特に営業部門の組織化を支援してまいりました。
2012年11月以降は毎月セミナーに登壇し1600人以上の経営者の方々に対して「目標達成営業部の作り方」についてお伝えしてまいりました。
組織化するには社長個人の営業力に頼らず会社としての組織営業力強化が必要です。
特に「何を」「どのような手順」で行うか
についての営業マニュアルの重要性については何度も伝えてきました。
しかし、具体的な作成方法については、どうしても個別対応となってしまいます。
当然ですが会社の強みは「100社あれば100様」だからです。
今回当ブログの読者の方より
「一般論で構わないので営業マニュアルの作り方を解説して欲しい。」
とのリクエストを頂きました。
ルート営業、新規開拓中心営業、個人向け、法人向けでは営業の方法は違います。
が、基本的な「考え方」と「方法」については伝えられる事もあるはずだと考えました。

せっかく
「営業マニュアルの作り方」
を執筆するのであれば読者にとって有益なものでなければ意味がありません。
当社のこれまでのお客様の事例や各種勉強会での事例から引用する事で、
抽象的な概念論ではなく具体的な実践論としてまとめました。