中小企業経営者のための経営力強化方法 8.ビジョン構想

2・構想力
現状を分析し改善するだけでは得たい未来を実現できない。実現したい将来像を思い描き、どうすれば実現できるかを構想する。そのためには、将来ビジョンを思い描く事。そして、正しく目標を設定する事。その目標実現のための計画を策定する事。構想について解説する。

 

 

2-1.ビジョン

社員に自社の将来ビジョンを伝えているか?
問題提起 「経営者はビジョンを描き、部下に夢と希望を伝えろ」と言われるが、今のように将来が見えない時代に目指す世界を描き伝える事は容易ではない。あなたは部下にビジョンを描き伝えているだろうか?
解決策 部下に対して自社の将来ビジョンを伝える。しかし、日本人はビジョンを伝えるのが苦手な民族だ。大きなビジョンを掲げその実現を勝ち取るビジョン型の欧米人に比べて目の前の仕事を一つ一つコツコツと熟す価値観型人種だからだ。ビジョンの実感を持たせるためにグループワークで実習することが効果的だ。5年後、10年後に社員それぞれが自分の現在の年齢と将来の年齢を描くことで会社と自分の将来像が描けるようになる。
手順1 自分の10年後の年齢、家族の年齢、社員の年齢。社屋の年数。を付箋に書き出させる。
手順2 その付箋紙を模造紙やホワイトボード上に貼付けグルーピングする。
手順3 上記の項目を実現するとしたらいくら(金額)必要なのかを算出させる。
手順4 10年後→5年後→3年後→1年後に必要金額を算出する。
手順5 1年後の目標に向けて具体的な行動計画に落とし込む。
コツ 将来ビジョンを描くときに、「実現可能性」はいったん無視する。現状から思い描くと壮大なビジョンを描けない。自由に描くからビジョンである。社長は誰が何を書いたのかを覚えておく。機会があるごとに「一緒に実現しよう。」と声を掛ける。

事例
これまで多くの会社で研修形式でグループワークを実施してきた。
最初は、自社ビル、工場移転、給料など社内の改善レベルの将来ビジョンが多いのが現実。20代社員は大きな仕事をしたい。30代は給料などの待遇改善。40代以上になると将来ビジョンより将来不安の解消が多くなる。経営理念は、「世の中を変えるような大きな事」を掲げているのに、社員の描くビジョンの「小ささ」に歯がゆい思いをする社長が多い。そういう社長は、社員が掲げた将来ビジョンを基に、再度社長自身がビジョンを描く。なかなか言語化できなかった事がうまく表現出来るようになる。ホンダの創業者である本田宗一郎氏や京セラの創業者の稲盛和夫氏などは、小さい町工場時代にミカン箱にのり、「世界一」を目指していた。何度もビジョンを描き直し目の前の改善ではなく世の中を変えるビジョンを確立してほしい。
未来組織図への展開
将来ビジョンを作成してもいつまでに誰がなにをどれだけやるのか?
を明確にしなくてはただの妄想だ。特に上記のグループワークを実施した後では昂揚感は高まるものの行動できずに逆効果の場合もある。そこで、グループワーク実施後、各項目ごとに責任者をたて具体的な行動計画に落とし込む。また、組織の構成メンバーの年齢層が広い場合には、現在の組織図と将来の組織図を作成するとそれぞれのメンバーが「5年後10年後にどうなっていなくてはいけないのか?」を本人が自覚しやすくなる。会社としては人材採用、及び育成計画の必要性が明確になる。
会社のビジョンを社員のビジョンに落とし込む

 

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