中小企業経営者のための経営力強化方法 15.仕事の棚卸

2-8.仕事の棚卸

Q:仕事の棚卸をしているか?

○問題提起:中小企業の社長は「何でも屋」だ。全てに目を配る事は必要だが、全てを自分でやる必要はない。しかし、多くの中小企業経営者に仕事の棚卸をしてもらうと驚くほど「どうでも良い仕事」に社長が時間を費やしている。日常業務の中で新しい仕事はどんどん降りかかる。社長は、社員の誰も気が付かない些細な事にまで気が付くので、つい自分でやってしまう。定期的に仕事の棚卸を行い社長は社長にしかできない仕事に集中したい。
○解決策:仕事の棚卸を実施する。自分に「しか」出来ない仕事に集中する。誰に「でも」出来る事は他の人にさせる。
・手順
1.仕事の棚卸シートにルーティン(毎日、毎週、毎月行っている)業務を記入する。
2.思いつく限りの業務を記入する。
3.右欄に「自分にしか」「誰でも」出来る業務の振り分けを行う。
・道具:仕事の棚卸シート
・コツ:1回の仕事の棚卸で全ての業務を洗い出すのは難しい。月1回程度定期的な日程を決めて何度も繰り返す。
○事例:ある小売店では社長が毎朝、店を開け、銀行の入出金や顧客の集金やちょっとした配達までやっていた。誰かに仕事を依頼するより自分でやった方が早いのは事実。しかし、それでは社員やバイトに給料を払って雇う意味がない。その社長は仕事の棚卸をして愕然とした。自分なりに人を使っていたつもりだったのが全て自分で抱え込んでいたことに気が付いた。本来自分がやりたい仕事は手付かずで雑用担当になっていたからだ。仕事の棚卸実施後、事務員に銀行関係の仕事、配達員に集金の徹底、店長に店舗の運営の仕事を任せた。「つもり」は実際に事実を見ないとわからないものだ。あなたの会社でも仕事の棚卸をして「つもり」を解消してほしい。

応用事例:
全社員の業務が棚卸されていると、人材採用時に効率が良くなる。中小企業の事務員にお局様がのさばるのは採用時に何をさせるのかの具体的業務を明確にしていないからだ。業務が忙しくなってきたから事務員を雇う。で人を雇ってしまうとお土産やおやつで仕事を頼まなくてはいけないお局社員を育てる羽目になる。ある印刷会社では、業務多忙につき事務員の募集を考えていた。募集前に全社員の棚卸と聞き取り調査を行った。「自分が行っている仕事の中で事務員に依頼できる仕事は何か?その仕事はどの程度のスキルが必要でどの程度の時間がかかるのか?」を募集要項に記載することとした。
下記仕事の棚卸表をコピーして使ってほしい。
仕事のモレ、ダブリが発見できるだろう。

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