目標達成営業チームの作り方 21 ソクラテスメソッド

第3章2節3.ソクラテスメソッドで自発的に考えさせる

 

問いかけで自ら考え、実行出来る部下を育てる事をソクラテスメソッドと呼んでいます。
人は質問されると、答えます。
質問の種類によって考えさせ、実行力を高める事が出来ます。
「魚を釣ってやるのではなく、釣り方を教えてあげる。」と説明しています。


以下でそれらの質問の方法について解説します。
 

 

1・選択肢を広げる
オープン質問と呼ばれる質問の種類です。
「はい、いいえ。」で答えられるのではなく、答えが人によって違います。
「あなたはどうしたら良いと思いますか?」
と問われると、「私はこうしたら良いと思います。」
と答えます。

質問の種類は、本書で何度も出てきた5W2Hを使います。


いつまでにやりますか?
どこでやりますか?
誰がやりますか?
何をやりますか?
どのようにやりますか?

と方法を考えさせます。

その上で、

なぜ、その日なのか?なぜ、そこなのか?
なぜ、その人なのか?なぜ、それなのか?
なぜ、その方法なのか?

を問いかける事で自ら考えるようになります。

 

2・考えさせる  
問いかけた後で特に重要なのが待つ事です。
なかなか、自分なりに考えたことが無い人にとっては、突然
「あなたはどうしたら良いと思いますか?」と問われても、答えに窮します。
そこで、問い詰めるのではなく、一呼吸待ちます。

この間を取る事で、部下は考えても良いんだと理解します。

 

 3・復唱させる
問いかけと復唱で部下に「自分の仕事」として自覚させます。
人の話を聞いただけでは、「自分の仕事」として自覚させる道半ばです。部下本人が自分の言葉で話せるようになってようやく自覚出来た状態です。人間は人の話を聞いただけでは、概念としての理解に留まるからです。頭では分かる状態です。
それを自分の言葉で復唱し直す過程で、自分の理解度と不明点、相違点を整理するからです。

 

4・行動へつなげる
最後に、行動が具体的になったところで、
「じゃ、次回のミーティングの時には〇〇を達成しているって事だよね?」と確認します。
「はい、達成しています。」
「楽しみにしているよ。」と声をかけて終了します。

部下に自分の言葉で発言させてください。

部下は「やらされる」仕事としてではなく、「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。

こうして、上司が「やれ!」と怒鳴るのではなく、部下の自発性を引き出せるようになるのです。

 

オートクラインとパラクライン
人間が物事を理解する際にオートクラインとパラクラインと呼ばれる仕組みがあります。自分が発した言葉を最初に聞くのは自分です。言葉に出しながら、その言葉を聞いて理解を深めているのです。

突然質問されて、「あれ?自分は何でこんなことを言ってるんだろう?」と感じた経験はありませんか?


本人が自覚していない事が他人からの質問により気づき、引き出されるのです。

私が質問を多用するのはこうした理由からです。問いかけが重要な理由としてもう一点、上司であるあなたと部下とでは知識・経験・情報量が違います。しかし、上司は自分の過去を全ては覚えていません。

自分にも出来なかった事、知らなかった事が過去にあり、失敗した経験があったはずです。あなたの経験上、あなたには、部下がこれから行おうとしている事が予想できます。部下がこれから行おうとしている事が失敗につながる事まで予想できます。

だから、あなたは部下がそうならないようにアドバイスをするのでしょう。しかし、経験したことの無い部下にとっては全てが未知の事です。あなたが伝えたことは「頭の中」では理解出来ても、実際には「何を言っているのか分からない」のです。

そこで、あなたは部下に問いかけてください。

「それをやるとどうなるんだろうか?」

「実現させるためには何が問題になるだろうか?」


部下に問いかけながら、不明瞭な点を明らかにしてください。
そして、部下にまとめさせて自分の言葉で発言させてください。
部下は「やらされる」仕事としてではなく、「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。