後継社長のための経営力強化法 8.成長曲線分析

1-6.成長曲線分析

 

1.問題提起

自社は企業の成長段階のどの段階にいるか把握していますか?

 

 

 

解説:企業の成長曲線

企業は創業から一直線の右肩上がりでは成長できません。
成長の踊り場で力を蓄え、次のステージへと成長します。

創業時に頭を悩ませるのは、「売上」です。
0を1にするには、膨大なパワーが必要です。
創業期の会社に熱気があるのは、1つの目標=売上に向けて全社員が一丸となっているからです。昼は営業活動。夜は資料作成や商品開発。会社に泊まり込む事もしばしばです。

しかし、ある程度売上を上げる仕組みが整ってくると、違う悩みが経営者を襲います。
それは、組織化や仕組化の悩みです。
創業期の熱病にとりつかれて働いていた仲間とは違う人種が入社してきます。
創業メンバーとの仕事に対する取組み意識の違いなどに困惑し、「なぜ、出来ないんだ!」と怒りをぶちまけてしまう。
益々溝が深まる。場合によっては、労基に走り込まれて「パワハラ」と訴えられたりと…

これまでの創業メンバーでは起こらなかった問題が噴出する。nなだめようと飲み会に誘うと「それは、仕事なんですか?残業代出るんですか?」とこちらが萎えるような返答しか返ってこない。
このような問題に振り回される時期は、会社を組織にしなくてはいけない時期に突入したと考えるべきです。経営層は何をすべきか?管理職は何をすべきか?現場は何をすべきか?を明確にする。これまでのやり方を変える時期です。この時期に対応を間違うと次の段階へ登れません。場合によっては組織が崩壊してしまいます。自社がどの段階にあるのかを客観的に分析把握することで取るべき打ち手を間違わずにすみます。

 

2.解決策

手順

1.上記解説を読み、自社が企業の成長曲線のどの段階なのかを把握する。

2.それぞれの段階に応じた解決策を実行する。

・1.創業期:後継社長の場合は非該当

・2.組織化期:自分の代わりを育てる時期。3点セット(職務記述書、マニュアル・評価基準)に基づき「誰でも」仕事が出来る仕組みを作る。第2章組織設計の項目や第3章の実行力強化の項目を参考にして自社の組織力を強化する

・3.事業再構築期:外部環境変化に対応し自社を変化させる時期。第2章、第3章を参考にして事業再構築を行う。

コツ:感覚ではなく、数字と事実を根拠として分析します。

 

3.事例紹介

障害者福祉施設NPO法人における組織基盤構築事例

会社概要:沿革:2003年創業 社員数:40人

顧客:障害を持つ当事者。行政。

■実施事項:法人の縦割り機能に対して人・サービス・金の経営資源を横串化。労務管理とサービス品質の標準化と財務の健全化を実施(フェーズ1)、組織基盤

再構築(フェーズ2)、成長戦略実現へ向けての組織拡 大(フェーズ3)

■期間:2015年7月~2016年3月(フェーズ1)、2016年4月~2016年12月(フェーズ2)、2017年1月~(フェーズ3)

■課題:組織機能の健全化(フェーズ1)

■解決策:経営層も管理職層も自分の仕事の役割が不明確。最終的には全て理事長が判断していました。その結果、理事長が現場へのマイクロマネジメントを行う事になり、現場の判断が狭量化。全て「上」へお伺い状況だったものを理事に経営資源の担当を割り当てる事により現場の判断が早く出来るようになりました。

会議体も「決定」のための理事会と「共有、改善」のための管理職会議と切り分けました。
初期段階では労務管理規定整備に集中的に取り組み職員の労働環境保全に努めました。
その後業務、マニュアル整備により新人でも仕事に取り組みやすい環境を整備。管理会計を導入し、各事業所の管理職が目標と実績を対比しながら進捗状況を把握出来るようにしました。また、法人の縦割り機能に対して人・サービス・金の経営資源を横串化しました。労務管理とサービス品質の標準化と財務の健全化を実施しました。

 

組織は自らの効率化を追求するために分業化=縦割りが進みます。全体最適を目指したくても、各部門は自部門最適を優先してしまいます。人・モノ(サービス)・金の経営資源で各機能に横串を差す事で組織の全体最適が促進されるのです。

 

課題:組織基盤確立(フェーズ2)

■解決策:各事業所への権限を委譲するために管理会計制度を導入。管理職会議では毎月の収支の共有と改善策立案及び進捗状況確認を実施。理事会では法人全体のビジョン実現へ向けての中期計画立案を主要業務と分離。

■課題:組織拡大(フェーズ3)

■解決策:理事と管理職を兼務していた人事担当理事とサービス担当理事が理事専任となる。人材採用計画と人材育成計画を取りまとめ各事業所運営のサポートする。法律改正や地域ニーズを汲み取り理事会では財務担当理事と協議し積極投資へと舵を切る。理事長は理念浸透と外部団体での自法人認知度向上活動が中心となる。

 

事例紹介:私の友人に時代の寵児と言われた人がいます。
ダイヤモンド誌には10年後の大企業を紹介するコーナーで名前と顔写真入りで紹介されました。が、残念ながら彼らは組織化しなくてはいけない時期に、組織を膨張させ自社ビルを建てて潰れてしまいました。「今、やるべき事」を間違ったのです。他人の事は良く目につくが自分の置かれている状況はなかなか自分では分かりにくい物です。イケイケドンドンタイプの社長は、「自分は大丈夫」と過信します。周囲に「厳しい事」を行ってくれる人がいなくなったら崩壊の前兆です。

 

 

4.得られる成果

この分析ができるようになることで得られる成果は自分の悩みが組織の成長段階におけるどの段階の悩みかが分かる事です。何が課題なのか?何をすべきなのかが明確になる事で眠れない夜は減るでしょう。

 

5.実践への最初の一歩行動

まずは、自分なりに分析してみる。

「当社は成長段階の○○部分にいる。だから、このような問題が起こる。」を自分なりに言えるようにする事から始める。

 

 

 

中小企業経営者の経営力強化を目的として当社代表の内海が監修した
フレームワークで学ぶ社長のための経営力強化書が好評です。
当ブログでは書籍のエッセンス部分をお伝えします。
なお、お買い求めは下記リンクよりアマゾンで購入できます。

フレームワークで学ぶ社長のための経営力強化書

 

**********************************************************************

 

営業部長 研修
営業課長 研修
管理職  研修
講演・セミナー企画については、
お気軽に下記までお問い合わせください。

研修・講演企画提案書