後継社長のための経営力強化法 5.外部環境PEST分析 

1-3.外部環境PEST分析

1.問題提起

外部環境を客観的に分析していますか?

 

 

解説

PEST(politics政治、economics経済、social社会、technology技術)に代表されるマクロ環境の変化。
政治では政権交代、あるいは長期政権化など。
経済では円高(円安)、市場など。
社会環境では少子高齢化、出生率、離婚率などの自社に与える影響。
技術変化では、DPE印刷からデジタル出力へなど自社を取り巻く事業環境に対する技術変化の影響。
例えば富士フィルムではカメラ用フィルムの売り上げ激減を見越して、新事業の確立に急ピッチで取り組みました。現在の医薬・化粧品事業です。

 

外部環境の分析に留まらず環境変化を先読みする 

 

イギリスのEU離脱や米国のトランプ氏が大統領になるなど現在の社会環境は激変しています。

このような変化は何によって引き起こされたのでしょうか?

あるいは、今後何を引き起こすでしょうか?

正解は誰にも分かりません。

しかし、自分なりの仮説を持つことが大切です。

社長の仕事は、どのような環境下でも「会社を変化に対応させ、存続させる」事だからです。

 

では、どうすれば先読みできるようになるのでしょうか?

新聞やニュースなどの記事から今後の環境変化を予測するしかありません。私の師匠である長谷川先生は、50年間で283冊のノートにまとめています。だからこそ、「これからどうなる!」と未来予測が出来るのです。

 

2.解決策

・手順

1.前述の外部環境分析で紹介したPEST分析を将 来にわたって展開する。

2.自社を取り巻く環境がどのように変化するかを想定する。

3.具体化するために数値化できるものを数値化して把

握する。

・コツ

数字が算出出来るものは数字で捉える。今から20年後の新成人の人口は今年生まれた子供の人口とほぼ等しい。今から20年後の退職者数は現在45歳前後の人口から算出できる。未来は突然来るのではなく過去の延長にある。と理解することで先読みが出来るようになる。

この事をドラッカー氏は「既に起こった未来」と読んでいました。私たちの身の回りには多くの「既に起こった未来」があります。事実を認めたくないのは分かりますが、事実は事実として厳然と存在します。事実を感情的に捉えず事実として捉えましょう。

また、分析を始めると分析のための分析に陥りがちです。外部環境のデータは正確な物、新しいものを探すと際限ありません。最初は大まかで構いません。データ収集に時間をかけ過ぎない事が大事です。知っていれば「なんだ。こういうことだったのか。」ですが、知らないと不安や怖れに苛まれます。コンサルタントの仕事は、どれだけ適切にフレームワーク(道具)を使いこなせるかです。本書では他にもコンサルタントが使っているフレームワークを紹介します。

 

 

3.事例

 

駅前のDPEショップはどこへいったのか?

デジタルカメラが普及する以前は、カメラで撮影したフィルムを暗室に籠り薬液で現像していました。一般のカメラ利用者は駅前のDPE店を利用して現像していました。カメラの後部の蓋を開けてフィルムを取り出しDPE店に預ける。ネガフィルムを貰い、焼き増し数量を記入するアナログな仕事でした。やがて短時間で現像が出来るDPEチェーン店時代が到来しました。1時間程度で現像してくれるので一気に拡大しました。しかし、時代は変わりデジタルカメラの時代になりました。現像は不要となり、自宅のプリンターで誰でも簡単に印刷できるようになりました。DPEショップのお客さんがいなくなりました。今や駅前にDPEショップはほとんどなくなりました。

この事例は技術革新の急速な変化が引き起こした事例です。

 

PESTの他の要因で自社に影響を及ぼしそうなものは何があるのでしょうか?

 

建設業界ではすでに総世帯数減少に対する対策を打てるところとそうでないところの生き残りをかけた戦いが始まっています。2020年の東京オリンピックまでは需要が見込めるがその先のメドが立たない。自社を取り巻く環境はどのような変化が予想されるでしょうか?

 

私が今後の日本の環境変化として想定していることが二極化の格差拡大の加速です。お金を稼ぐ層と稼げない層の格差がますます拡大するでしょう。

「機械には出来ない、人間でなくては出来ない仕事。」を出来る人のみが生き残るのです。人間でなくては出来ない仕事とは難しい対人コミュニケーションが必要とされる仕事です。

当然高報酬の仕事となるでしょう。

 

本書では伝心力としてコミュニケーションの技術をいくつか紹介しました。また、教養や国語の力についても紹介しています。

私が今後の環境変化に対応するのに必要だと考えているからです。

読者の皆さんもご自身で環境変化を読み、先取り対応してほしいものです。

 

4.得られる成果

この分析ができるようになることで得られる成果は、勘に頼らない経営判断ができるようになることです。経験した事がない事に遭遇しても客観的に判断できるようになります。創業経営者やベテラン経営者の勘をすぐに真似する事は出来ません。しかし、客観的な分析を繰り返す事であなたの勘もさえるようになってきます。毎日の新聞の読み方も変わってくる事でしょう。

 

5.最初の一歩

日記をつける。

 

 

 

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