後継社長のための経営力強化法 14.構想力

2・構想力

1章では現状を客観的に分析する方法を解説しました。
しかし現状を分析するだけでは得たい未来を実現できません。
そもそも実現したい将来像を思い描かなければ組織は前へ進めません。
本章では、ビジョンを思い描き具体化する構想力について解説します。

 

2-1.ビジョン

問題提起:

将来ビジョンを描き、伝えている

 

説:「経営者はビジョンを描き、部下に夢と希望を伝えろ」と言われます。

今のように将来が見えない時代に目指す世界を描き伝える事は容易ではありません。戦後復興を目的として成長を遂げた日本企業はビジョンを描けずにいます。今やジャパンパッシングで日本は世界のガラパゴスと化しています。どのような時代であっても経営者は環境変化に対応して新たなビジョンを描く必要があります。

 

解決策:
自社の将来ビジョンを思い描く。部下に将来ビジョンを夢と希望を持って伝えていく。しかし、日本人はビジョンを伝えるのが苦手な民族です。大きなビジョンを掲げその実現を勝ち取るビジョン型の欧米人に比べて目の前の仕事を一つ一つコツコツと熟す価値観型人種だからです。ビジョンの実感を持たせるためにグループワークで実習することが効果的です。5年後、10年後に社員それぞれが自分の現在の年齢と将来の年齢を描くことで会社と自分の将来像が描けるようになります。

 

・手順

1.自分の10年後の年齢、家族の年齢、社員の年齢。社屋の年数。を付箋に書き出させます。

2.その付箋紙を模造紙やホワイトボード上に貼付けグルーピングしていきます。

3.上記の項目を実現するとしたらいくら(金額)必要なのかを算出させます。

4.10年後→5年後→3年後→1年後に必要金額を算出して自社の目標に落とし込みます。

5.1年後の目標に向けて具体的な行動計画に落とし込む。

 

・コツ:
将来ビジョンを描くときに、「実現可能性」はいったん無視させます。現状から思い描くと壮大なビジョンを描けません。自由に描くからビジョンなのです。社長は誰が何を書いたのかを「こっそりと」覚えておきましょう。機会があるごとに「○○さんのビジョンである○○を是非、一緒に実現しよう。」と声を掛けます。

「覚えていてくれたんだ。」と社員のモチベーションが上がります。

 

事例

これまで多数の会社で研修形式でビジョンを描くグループワークを実施してきました。初回は、自社ビル、工場移転、給料など個人の待遇や社内の改善レベルの将来ビジョンが多いのが現実です。また、年代によって将来ビジョンは違います。20代社員は大きな仕事をしたい。30代は給料などの待遇改善。40代以上になると将来ビジョンより将来不安の解消が多くなります。

経営理念は、「世の中を変えるような大きな事」を掲げているのに、社員の描くビジョンの「小ささ」に歯がゆい思いをする社長が多いのも現実です。

そういう社長は、社員が掲げた将来ビジョンを基に、再度社長自身がビジョンを描きなおしています。なかなか言語化できなかった事がうまく表現出来るようになっていきます。ホンダの創業者である本田宗一郎氏や京セラの創業者の稲盛和夫氏などは、小さい町工場時代からミカン箱にのり、「世界一」を目指していました。何度もビジョンを描き直し目の前の改善ではなく世の中を変えるビジョンを確立してほしい。

 

未来組織図への展開

将来ビジョンを描いてもいつまでに誰がなにをどれだけやるのか?

を明確にしなくてはただの妄想です。特に上記のグループワークを実施した後では昂揚感は高まるものの行動できずに逆効果の場合もあります。そこで、グループワーク実施後、各項目ごとに責任者をたて具体的な行動計画に落とし込む事をお勧めします。(会社規模にもよりますが。)
また、組織の構成メンバーの年齢層が広い場合には、現在の組織図と将来の組織図を作成するとそれぞれのメンバーが「5年後10年後にどうなっていなくてはいけないのか?」を本人が自覚しやすくなります。会社としては人材採用、及び育成計画の必要性が明確になります。

 

会社のビジョンが社員のビジョンに落とし込まれた会社は無敵です。

 

 

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