営業(セールス)マニュアルの作り方 0 目次

営業(セールス)マニュアルの作り方

 

 

目次■

はじめに:社長が頑張れば頑張るほど売上が下がる。頑張らなければもっと下がる。

第1章:なぜ、営業マニュアルはいつになっても完成しないのか?

第1章1節. ビジョン>組織>基準

第1章2節.当たり前を分解する

第1章3節.20:60:20の法則

第1章4節.学習ステップ

第2章:営業マニュアルの作り方(概論編)

第2章1節. 数式化(投入資源<営業実績)考える仕事と動く仕事

第2章2節. マーケティングと営業

第2章3節.マニュアルは手順×道具×コツ

第3章:営業マニュアルの作り方(実践編)

第3章1節.営業活動各論

第3章2節1項.認識を向上させる

第3章2節2項.関心を強化する

第3章2節3項.欲求を喚起する

第3章2節4項.商談力を高める

第3章3節.数値化で検証する

第4章:営業マニュアルに基づいた人材育成法

第4章1節.GROWモデル

第4章2節.進捗状況を見える化

第4章3節.ショートインターバル

 

 

はじめに

当ブログは、

「社長が頑張れば頑張るほど売上が下がる。でも頑張らなければもっと下がる。一体、どうしたものか...」

とお悩みの中小企業経営者のために執筆しています。

私(内海)はこれまで独立後10数年にわたり中小企業の組織化、特に営業部門の組織化を支援してきました。
2012年11月以降は5年間毎月連続でセミナーに登壇し1600人以上の経営者に対して「目標達成営業部の作り方」について伝えてきました。

組織化するには社長個人の営業力に頼らず会社としての組織営業力強化が必要です。
特に「何を」「どのような手順」で行うかについての営業マニュアルの重要性については何度も伝えてきました。

しかし、具体的な作成方法については、どうしても個別対応となってしまいます。当然ですが会社の強みは「100社あれば100様」だからです。今回当ブログの読者の方より「一般論で構わないので営業マニュアルの作り方を解説して欲しい。」とのリクエストを頂きました。

ルート営業、新規開拓中心営業、個人向け、法人向けでは営業の方法は違います。が、基本的な「考え方」と「方法」については伝えられる事があるはずだと考えました。せっかく「営業マニュアルの作り方」を執筆するのであれば読者にとって有益なものでなければ意味がありません。当社のこれまでのお客様の事例や各種勉強会での事例から引用する事で、抽象的な概念論ではなく具体的な実践論としてまとめました。ブログは双方向のコミュニケーションツールです。「読んで終わり」ではなく、読者の皆様からのご質問をお寄せいただければ回答していきます。一人でも多くの方が「営業マニュアル」を活用し一人当たり生産性を高められればと考えております。

 

第1章:なぜ、営業マニュアルはいつになっても完成しないのか?

「営業マニュアルはありますか?」と尋ねると、

「ええ、ありますよ。」...

「あれ~どこだったかな?以前作ったのがあったはずなのに…」

営業マニュアルがあると答えた会社ですらこのような状況でした。

マニュアルに対する根本的な誤解が原因です。マニュアルは常に手に取れる場所にあるべきです。マニュアル作りに着手はしたものの完成できていない会社も多くあります。私はそれで良いと思います。随時改訂があるべき姿だからです。常に現在進行形の状態です。しかし、経営者としてはつい「完成形」を求めてしまいます。人によっては「てにをは」レベルまで追求します。現場は「中途半端」な状態では上司に報告出来なくなってしまいます。その結果、営業マニュアルは日の目を見ないままお蔵入りとなってしまいます。

これまで営業マニュアルの作成を支援してきた中で分かったことは、

1.ちゃんとしたモノを作ろうとするから完成しない

2.何のための営業マニュアルなのかが明確でないから完成しない。

3.誰を対象にどのレベルで書けば良いのか分からないから完成しない。

が完成しない理由でした。

当ブログでは、何度も取り組んできたけど出来なかった会社が「とりあえず完成」と言えるレベルで作れるように解説します。

 

第1章1節. ビジョン>組織>基準
何のための営業マニュアル作成なのかの目的が明確でないから、
いつまでたっても完成しません。
それは、
何のための会社なのか?
何を目指す会社なのか?
の根幹が定まっていないからです。
何事も根幹が定まらなければ枝葉末節を充実させることは出来ません。
マニュアルは根幹ではありません。
根幹がぼやけているとマニュアルを読ませる対象者もレベルも不明瞭となります。全体像を一目で見渡せるものを作成すべきか?微に入り細に入るコツ中心なのかが不明確なので出来上がりません。
ところで、根幹の話をするため、少しだけ営業マニュアルから外れます。会社経営の全体像の話をします。会社のビジョン実現に重要なのが設計図です。なかなか組織化出来ないのは設計図を描かずに現状からいきなり組織を作ろうとするからです。あるべき姿を描いてから優先順位を決めて空白部分を描いていく。そのためにも設計図が重要です。

 

人・モノ・金の経営三資源をどのように機能させるのかを組織図で表します。中小企業では黄色の現場の部分をいかに効率よく機能させるかが重要です。社長は黄色い部分を部下に任せ、白い部分=考える部分を担う。そのためにも黄色部分のマニュアル化が重要です。黄色い部分のマニュアルを作り部下が出来るようにするのが社長の仕事となります。

 

 

中小企業 組織化 組織作り 

の記事で紹介しているように全体から部分へ落とし込まないと組織は作れません。今回のブログで営業マニュアルの作り方を解説しているのは、組織営業を目指す経営者が属人要素を排除出来るようにする事が目的です。

目的は組織作り。
組織で必要な人材の基準はどの程度なのか?
基準が明確であればやるべき事も明確になります。

1.基準に合致した人材を採用する
前節で取り上げた「したい事、出来る事、すべき事」を採用条件として提示します。面接時に確認します。何が出来れば基準を満たすのかを明確にしておきます。

2.今いる人材を基準に達するまで教育する
第4章以降で取り上げる人材育成の方法です。基準を明確にしないので部下はいつまで経っても「何が正解か」分からないのです。上司にとっても、いつまで経っても出来ない部下なのです。

「敷居が高く面倒くさい。」のが人事評価制度の仕組みです。

が、当社では3段階程度の基準で始める事を進めています。

ある仕事について

「上司と一緒に出来る」「一人で出来る」「指導出来る」の3段階です。

上司と一緒に出来るレベルの人を一人で出来るレベルにするのがマニュアルと教育です。

3.基準を超える人材が来る仕組みを作る
部下に惚れられる上司。人が来たくなる会社を作る。惚れられる事です。社長の情報発信力を向上させる事で人が集まる会社になります。

 

コラム:惚れさせる

少子高齢化、人口減少は待ったなしです。こうした外部環境下で中小企業が苦しめられるのが人材採用です。目の前に大きな市場があっても、「営業する人」がいなければ会社の存続はありません。人で苦しんだ徳川家康の大将の戒めによると「惚れさせる」事こそが人心掌握の肝です。企業経営者として肝に銘じたいものです。

 

大将の戒め   徳川 家康
大将というものは 

敬われているようでその実家来に
絶えず落ち度を探られているものだ
恐れられているようで侮られ
親しまれているようで疎んじられ
好かれているようで憎まれているものじゃ

大将というものは 

絶えず勉強せねばならぬし
礼儀もわきまえねばならね
よい家来を持とうと思うなら
わが食を減らしても
家来にひもじい思いをさせてはならぬ
 

自分ひとりでは何も出きぬ
これが三十二年間つくづく
思い知らされた家康が経験ぞ
家来というものは
禄でつないでならず、機嫌をとってはならず、
遠ざけてはならず、近づけてはならず、
怒らせてはならず、油断させてはならぬものだ
 

「ではどうすればよいので」 

家来は惚れさせねばならぬものよ
惚れさせる事が回り道に見えて近道です。

 

第1章2節. 当たり前を分解する

イチロー選手にとって打席に立ったらヒットを打つのは当たり前です。
また、打席に立つための準備、普段の練習は全てヒットを打つためには当たり前の事です。
しかし、凡人から見れば当たり前のことを当たり前に出来る事は凄すぎます。あなたが創業経営者でゼロから1を生み出したのであれば、売上を上げるための苦労は全て「当たり前」でしょう。

自分が当たり前に出来るのだから、みんな出来て当たり前だと思ってしまいます。

「何で出来ないんだ!」と怒鳴ったところで出来るようにはなりません。
しかし、怒鳴ってしまう自分がいる。

「営業マニュアルを作ったら良いよ。」と言われ取り組むものの、自分自身は感覚で身に着けた「当たり前」です。何をどのように伝えれば良いか分からない。着手はするもののなかなか完成にはたどり着けない。当ブログでは、そうした社長や営業部長に「当たり前」を分解する方法についてお伝えします。仕事には流れがあります。その流れを「箸の上げ下ろしレベルに分解する」事がマニュアル化の第一歩です。

動きのある仕事は動画撮影などで容易にマニュアル化出来ます。動きの見えない=考える仕事はなかなかマニュアル化できません。だからこそ、自社の営業マニュアルが他社との差別化となるのです。そのためにも、「当たり前」を「当たり前」で終わらせるのではなく細かく分解していきましょう。仕事が出来る人にとっては面倒くさいことですけど。


 

第1章3節. 20:60:20の法則

営業(セールス)マニュアルは誰を対象に作成するのか?を考えるときに組織構造を分析する事から始めます。組織は上位20%中位60%下位20%に分解出来ます。驚くほど正確に各企業でもあてはまります。上位20%は、社長(上司)の言った事の背景を理解し、言っていないことまで推測、先回りした仕事が出来る社員です。

社長が手放したくないレベルの人間です。

このレベルの社員には「これから」実現したいビジョンを共有し一緒に考え実行する「仲間」として扱う事が大切です。「やり方」ではなく「あり方」を伝える事で彼らの仕事の成果は上がります。中位60%レベルは、「言われたら、言われたことを最低限やる」レベルの社員です。基準を明確にしマニュアル化や社員教育の充実で結果を向上させられます。。良くも悪くも、自社のレベルはこの中位レベルに左右されます。下位20%レベルの社員には2通りあります。能力はあるが会社に対する不満があるため実力を発揮していないタイプと本当に仕事が出来ないタイプです。会社に不満があるタイプの人間に対しては、社長が本音で向かい合う事で上位20%になるか退職するかに分かれるでしょう。

残念だが最後の本当に仕事が出来ないタイプは辞めさせても中位レベルから落ちこぼれてくるので撲滅は出来ません。

「どのレベルの人材を採用するか?」を明確化すると下位レベルを採用しないようになります。

営業マニュアルは最も効果的な中位の60%に対して作成します。

やる気はあるけど出来ない子は育てられます。

出来るけどやる気が無い子は育てられません。

 

第1章4節.学習ステップ

物事を全く知らない段階から出来るようになるには学習の4ステップと呼ばれる段階があります。

1.出来ない事を知らない=無知→2.知る →3.意識して出来る →4.無意識に出来るの4段階です。これらの各ステップを知ったうえで人材育成プログラムを作って欲しい。学校を卒業したての新入社員であれば、ほとんどの事が「1」の状態です。中途入社の社員で同業他社で同様の仕事をしていた場合でも自社については新入社員同様です。新入社員に比べたら時間は少なくて済むが上記のステップを経る事になります。上記のステップを踏まえたうえで教育するプログラムが必要となります。

・手順

1.知識情報を提供し概要を理解させる

2.知っているが出来ていない事を実感させる

3.出来るまで量稽古を積ませる

4.無意識にできるレベルに体に覚えこませる

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ褒めてやらねば、人は動かじ。」は山本五十六の言葉。出来ないから出来るへのステップアップで重要なことは上司の率先垂範と量稽古です。自動車の運転免許を取得した時のことを思い出してほしい。初めて教習所に行ったときにどのような気持ちだったでしょうか?「みんな運転しているんだから自分でも運転できるだろう。」と思いつつも不安だったでしょう。学科で知識や情報を教えられ、横に教官が乗った状態で教習所内のコースを何度も運転した事でしょう。知らない=無知の状態から知識を得て安全な場所で何度も運転することでようやく「意識すれば出来る」状態になりました。更に何度も運転することで無意識に運転できるようになりました。無事に免許を取得し、プライベートで運転したり仕事で運転する事を繰り返し無意識で運転できるようになりました。音楽を聴いたり、会話をしたりしながら長距離ドライブにも行けるようになりました。仕事も同様です。最初はスーツにネクタイ姿もままらなず「おっかなびっくり」で出社した時期があったはずです。上司や先輩に教わりながら仕事を覚えていきました。やがて一人で無意識に仕事が出来るようになったのです。随分昔の事で忘れた人もいるかもしれませんが。このように新しい物事を知り出来るようになるためには必ず学習ステップの階段を登ります。上司は部下が今どの段階にいるのかを知ったうえで教育して欲しいものです。

 

 

第2章:営業マニュアルの作り方(概論編)

本章では、営業マニュアルの全体像について解説します。マニュアルを作る上で必要な要素は「手順・道具・コツ」です。しかし、大事なことは、マニュアルの目的と基準です。「誰」を対象にしたマニュアルなのか。マニュアルを使うことでどのレベルにまで到達させられるかを定義する事です。

 

第2章1節. 数式化(投入資源<営業実績)考える仕事と動く仕事

少しだけ、営業マニュアルから外れます。第1章でお伝えしたビジョン>組織>人材の設計図に再度触れます。組織化の最初のステップは、社長が白い部分を考える事です。黄色い部分の「人が動く」部分をマニュアル化すると伝えました。広告費やDMで集客する。その時にいくらの費用をかけるのか?その後の営業活動(=販売、受注、契約)でいくらの売上にするのか?を数式化しておくことが重要です。

この後、マーケティングと営業活動について解説しますが、投入した資源以上の成果を上げられる行動をさせるのがマニュアルの機能です。

 

第2章2節. マーケティングと営業

 

認識から購入までの心理変化5段階と営業活動及びツールサミュエル・ローランド・ホールがRetail Advertising and Sellingにて紹介したAIDMA理論を日本の中小企業の現場に合わせたのが当社考案の心理変化に応じた営業ステップです。焼き鳥屋が煙を外に出して、香ばしい香りで人を誘うのは人間の嗅覚に訴えるからです。テレビコマーシャルに綺麗なお姉さんが出るのはオッサンの男性性に訴えるからです。太っている人がダイエット食品を買うのは、ビフォーアフターのPOPや写真などの広告を見て自分もそうなりたいと思うからです。人間に心理変化を引き起こし購入させるまでのステップを理解し、組み立てる事で売上を向上させることが可能となります。

 

大企業などでは、マーケティングと営業を分けている場合が多くあります。営業については販売会社や代理店などにさせるケースも多くあります。中小企業ではマーケティングと営業を一貫して自社で行います。社長や経営幹部は自社のマーケティングを徹底的に考える。その上で営業活動は「マニュアル化」して「誰にでも」出来るように落とし込みます

 

マーケティングと営業の違い

マーケティングと営業の言葉の違いについて再定義します。
マーケティングとは市場と自社の商品・サービスを適合させていくことです。「Market+ing」と理解すると理解しやすいです。上記の心理ステップではお客様が当社商品・サービスを認識し、関心を持ち欲しくなるまでの3ステップに該当します。営業とは見込顧客と自社の商品・サービスと合致させる事です。見込顧客の潜在的な悩みや欲求を解決できる商品・サービスを顕在化させて決断させる事です。上記の各ステップを中小企業では自社内で完結させる事が望まれます。営業(セールス)マニュアルではマーケティングの目的とそれに対応したステップを共有した上で営業が何をすべきかを明確化していきます。

 

 

第2章3節.マニュアルは手順×道具×コツ

「何事も小さな仕事に分けてしまえば、特に難しくない。」

とはマクドナルドの仕組みを作ったレイクロックの言葉です。

彼は、業務用ジューサーのセールスマンを経て50代でマクドナルド兄弟からハンバーガーショップの権利を買い取り、フランチャイズ展開で世界的企業に育て上げました。マクドナルドの味はマクドナルド兄弟。仕組みはレイクロックが作り上げました。組織化とは仕組作りに他なりません。新入社員をぶらぶら遊ばせる事なくすぐに仕事を出来るようにするためにマニュアルは欠かせません。出来ない人が出来るようにするためには、「箸の上げ下ろしレベル」まで分解されている必要があります。出来れば「見てすぐに分かる」イラストや動画で解説出来れば尚良いでしょう。仕事を人に教えるときや標準的な仕事を共有化するためにマニュアルを作成している会社は多い。しかし、マニュアルのレベルがまちまちだったり、ずいぶん前に一度作って更新がされていなかったりします。せっかくマニュアルを作っても使われないのであれば意味がありません。随時更新して使えるマニュアルとしたいものです。あなたの会社では箸の上げ下ろしレベルに分解されたマニュアルを用意し更新していますか?

 

マニュアルの作り方(理論編)

箸の上げ下ろしに分解したマニュアルを作成、運用する。

・手順・道具・コツ

マニュアルは、それを理解できれば誰でも同じように再現できる方法です。「〇さんだから出来る」=属人的要素を排し、正しい手順通り行う事で誰もが再現可能となります。

マニュアル作りには欠かせない3つの要素があります。

  • 手順、2.道具、3.コツです。

例えば、掃除を例に説明します。

1.の手順は、上から下に掃除をする。天井から床にかけて掃除をする。なぜならゴミは上には上がらず下に溜まるからです。また、真ん中から四隅に向けて掃除する。ゴミは隅に溜まりやすいからです。一つ一つの手順が理に適っているため誰が行っても同じように掃除が出来ます。

2.の道具ははたき、ほうき、ちりとり、掃除機、雑巾、洗剤、空雑巾、ワックスなど手順に応じて決まります。

3.コツ(独自の方法)については昔であれば一子相伝的に現場を一緒に経験しないと伝わらない事とされていました。しかし、現在ではこのコツをどのように社内で素早く共有できるかが会社の競争力の源泉となっています。

この後、第3章で営業マニュアルの具体的なつくり方について解説します。

 

第3章:営業マニュアルの作り方(実践編)

全てのビジネスは、「誰」に「何」を「どのように」売る(提供する)のかに集約されます。「誰に、何を」の部分は100社100様です。「どのように」売るかについてを記すのが営業(セールス)マニュアルです。当然、「誰に、何を」により最適解は違います。当ブログをご覧の上、貴社独自の営業マニュアルを作成してください。

第3章1節.営業活動各論

心理変化に応じたそれぞれの営業活動について解説します。

認識向上:ダイレクトメール、飛び込み営業、テレアポ、ユーチューブ
関心強化:会社案内、商品(サービス)案内、ニュースレター

欲求喚起:サンプル、モニター、セミナー、コミュニティ
商談:商談シナリオ、ロールプレイ

 

第3章2節1項.認識を向上する

では、ここでそれぞれのステップについて解説します。
最初のAttention(注意)のステップです。認識されなければ、無関心です。誰の記憶にも残りません。私はセミナー登壇の際には大抵赤いネクタイをしています。そして、認知と認識の違いについて話す時に、スライドでこの図を投影した状態で、「では、みなさん目を閉じたままお答えください。この部屋の中に赤い物はいくつ思い浮かびますか?」と質問します。一つも思い浮かばない人は全体の1割程度。1つ思い浮かぶ人と2つ思い浮かぶ人とが4割程度。そして3つ以上思い浮かぶ人が1割程度になります。そして、目を開けてもらうと皆さんの目が無意識に会場内の「赤い物」を探します。会場前面には上記の図がスライドで投影されています。私のネクタイは赤い色です。ホワイトボードに赤い〇印が一つか二つ記されています。それ以外にも受講生のテキストは投影スライドと同じものがあります。周囲には飲み物や筆記具に赤い物がいくつもあります。

会場の受講者は認知と認識の違いについて身を持って体験されます。私たちが見込み客と出会う時に彼らが捜している「赤い物」として登場しないと認識されません。焼き鳥屋が煙を外に出して、香ばしい香りで人を誘うのは人間の嗅覚に訴えるからです。テレビコマーシャルに綺麗なお姉さんが出るのはオッサンの男性性に訴えるからです。太っている人がダイエット食品を買うのは、ビフォーアフターのPOPや写真などの広告を見て自分もそうなりたいと思うからです。ただ、見えているだけでなく、見ている認識の状態を作り出しているのです。「お客様は誰か?」を徹底的に探究する事で、お客様にとっての赤いネクタイを発見する事が可能となります。「お客様が夜も眠れないほど困っている事は何か?」が分かれば問題は8割解決です。それは、お客様が誰かが分かれば打ち手が決まってくるからです。お客様が高齢者で事業が店舗の場合はチラシが有効です。お客様が高齢者で無くネット検索する場合はユーチューブ。(詳細は後述します。)お客様が法人の場合は飛び込み営業もあり。戦略→戦術=方法手段の順番となるのがお分かり頂けるでしょう。

 

ダイレクトメール
・作成手順
1.予算(費用対効果)設定
2.対象と反応の明確化
3.送付先リスト、文面作成
4.送付
5.反応先への対応

・道具
PCソフト(エクセル、データベースソフト):リスト作成
PCソフト(ワード、パワーポイント、エクセル):文面作成
封筒

・コツ
1.リスト
「お客様は誰か?」が具体的であればあるほど、リストの精度が高まります。

どれほど多くのリストがあっても相手に「響かなければ」無意味です。
2.文面
「夜も眠れない困りごと」を相手の言葉で伝える。
3.欲求を喚起する提案
「是非、○○」をしたい。

自社のマニュアルへの落とし込み手順
1.予算(費用対効果)設定
費用:○○円(どこで印刷、どこで発送、期間の明確化)
2.対象と反応の明確化
何に、どれだけの反応があったのか?
目標と実績の把握
3.送付先リスト、文面作成
リスト入手先、作成手順
DM文面のテンプレート化
4.送付
5.反応先への対応
反応があった先へどのように対応するのか?
最終目的は受注です。接点をどのように次へ繋げるのかを明確にしておきます。

〇事例紹介
一貫生産和牛の美味しさを知ってもらい、取り扱ってもらおうと牧場・畜産加工会社が都内のシェフを新規開拓をした事例を紹介します。

和牛をステーキで使いそうなオーナーシェフのフランス料理店、イタリア料理店のリスト作成がカギでしたが、リストは比較的簡単に手に入りました。インターネットのグルメ、口コミサイトです。
しかし、オーナーシェフが使いたい部位は当初の想定と違いました。第一弾のDMを送信した後で部位を変更して第二弾を送信しました。

個人対象の場合はエリアの選び方がカギとなります。生活動線は地図上だけでは分かりにくいです。住宅街から駅までの最短距離にある店舗であっても住んでいる人にとっては近場のスーパーを経由する事が多い場合などがあります。直線距離上でも「知られていない」場合があります。また、大きな道を横断しなくてはいけない場合では、信号を避ける心理が働き最短コースでは無い経路を利用する場合があります。元、マクドナルドで出店戦略を立案していた当社パートナーコンサルタントの松下氏によると、マクドナルド以外で動線を捉えた出店戦略を行っている企業は非常に少ないとの事でした。マクドナルドは多額の経費をかけて出店の立地調査を行っているが、私たち小さな会社の場合には多額の費用はかけられません。現場を何度でも歩いて、顧客目線で「認識」させる方法を採りましょう。

 

〇健康食品専門店事例
足立区に本社を置く「アリス」社は以前は7店舗展開していましたが、現在はネットショップに移行し実店舗は足立本店と蒲田の2店舗のみです。

しかし、最近お店へ来るお客様から良く耳にするのは

「最近ではチェーン店ばかりで、親身になって相談してくれるお店が減ってしまったのでこういうお店を探していた。」と言う事です。

そこで、

「うちは頑張ります」というチラシを店舗の近隣にポスティングしました。

アリスの主要顧客は高齢者のためインターネットなどの方法より手渡し、ポスティング、新聞折り込みなどのアナログの方が効果的だからです。。

なお、アスカ蒲田店の店舗スタッフは70代、80代が多く、お客様の健康の悩みを知り抜いています。チラシには80うん才の看板娘が写真入りで掲載されています。本人のモチベーションもあがりお客様対応もますます親身になっているそうです。

 

飛び込み営業
飛び込み営業に即効性を期待するのは止めた方が良いです。しかし、飛び込み営業が全くムダだと切り捨てることもありません。業種と対象と目的次第です。地域密着で個人対象であればどんどんやってください。折込チラシや電柱広告よりよほど効果的です。法人対象で大手の競合がいない業界でも効果的です。お客様にとってどこで仕入れても同じという認識を持っているのであればそれは見込み客が情報を知らないだけです。飛び込みで自社の存在を知ってもらうチャンスとなります。このようにすぐに飛び込む前に見込み客と方法手段との整合性を整理したうえで目的に適うのであれば是非実行してみてください。私がお薦めしているのは認知度を向上する目的での飛び込み営業です。相手に当社の存在を知ってもらうことを目的とするのであれば効果的です。では、飛び込み営業は具体的にはどのようにやるのが良いのでしょうか?飛び込み営業の目的を認知向上と設定する場合は、自社の会社案内と名刺を持参して「ご挨拶に伺いました」とドアを叩きます。アンケートや調査を目的とする場合はその旨を伝えて訪問しましょう。ゴールは「社長、決裁者との名刺交換」です。相手が話を聴いてくれたからと言ってもその場で商談まで持ち込もうとしないでください。

「次回以降の訪問理由」が無くなります。
これが重要です。
挨拶は初回だけです。

初回訪問は、「2度目の訪問理由を作る」事が目的です。2回目の訪問は3回目の訪問理由を作る事です。では、飛び込み営業に適した時期ってあるのでしょうか? お盆休み前後、正月明けなどは狙い目です。また、雨の日や暑い日や雪の日は来客が少ないので狙い目です。
種明かしになってしまいますが、私はお盆時期を狙ってました。
最近ではお盆に一斉休業する会社が少なくなっています。
交代で出社しています。
出社した社員も特に仕事があるから出社しているわけではないので「ヒマ」です。
普段であれば突然の来訪は嫌がられますが、この時期に限って言えばちょうど良い話し相手が来てくれたと相手にしてくれます。
また、この時期は決裁者がいることは少ないので面談してくれた人には社長、決裁者の特徴やどの時期、時間帯に訪問すると会えるとかの情報収集に徹します。

効果的な飛び込み営業の方法は、地域密着型の場合はローラー作戦です。
ローラー作戦とは警察の捜査や調査のときなどに、事件からまだ時間が経過しないうちに余すところなくしらみつぶしに調べつくすやり方のことが語源です。
正に1区画ごとに徹底的に塗りつぶす方法です。法人向けでも個人向けでもエリア内の見込み客情報を収集・蓄積出来るためにこの方法を取る会社は少なくないのは効果が絶大だからです。

私は、25年以上前の新入社員時代にコピー機の飛び込み営業をやっていました。
コピー機を売るのに飛込み営業が最適な理由については...

コピー機の飛び込み営業の目的は情報収集です。いきなりコピー機を買ってくださいという営業はいないはずです。彼らは、「この地域の担当になりましたのでご挨拶に来ました。」と入って来るはずです。そして、「もし差し支えなければどのようなコピー機を使っているのか教えて頂けませんか?」と尋ねるはずです。ここで、コピー機のメーカーと機種名が分かれば、何年前のいくら位のコピー機か分かります。リース料と使用年数が推測できればその後はリース残高と機械の満足度で買い替えの促進が可能となります。それらをデータベースで共有しアタックリストを作成します。ただむやみやたらと汗かいて営業するだけではありません。

私が社会人最初の仕事がコピー機の飛び込み営業だったのがただの精神論だけでなく営業を科学するコンサルタントになった大きなきっかけとなりました。

 

テレアポ
いきなり「飛び込み営業」するのでは無く電話でアポ(約束)を取って訪問したい。
基本的には法人が対象となるでしょう。
準備するのは「では、まず資料を送って下さい。」と言われた時のための資料一式。
短時間で「こちらが何者であるのかと訪問目的」を伝えるための台本。台本は20秒程度の内容にまとめたい。
代表電話に対して「〇〇(事業概要)の〇〇会社(社名)の内海と申します。△△の件で□□担当の方にお繋ぎ頂ければと思います。」担当部署では「〇〇(事業概要)の〇〇会社(社名)の内海と申します。△△の件で電話いたしました。私たちは~をやっております。一度伺わせていただきたいのですが、〇日の週でご都合はいかがでしょうか?」とイエスを呼び込む台本を作成します。

余談ですが、今時はネット関連の企業も電話営業してきますね。あるブログの記事が参考になったので小冊子を申し込みました。すると、メールでの接触だけでなく電話がかかってきます。
しかも執拗なくらい。
ネットで完結させて欲しいなと思います。実は、私はテレアポはやるのも受けるのも好きではありません。

ごめん。マニュアルにならないですね。

 

展示会営業
は奥義です。
ちょっと考えてみてください。
展示会に出展している人はどんな人ですか?
彼らは「売り上げ増を目指している人です。」では、彼らにとってどんな人と出会いたいですか?自社の売上増に協力してくれる人です。
あなたの会社で出来る事はありませんか?
私の仕事は「売り上げを上げる事を支援する仕事」です。
私と同業のコンサルタントで、一緒に主催した勉強会で世話人を務めてくださった小澤氏は印刷業界の営業請負人です。
彼も展示会営業が得意技でした。
展示会に出展している人の売り上げ増に役に立つ提案がその場で出来ます。
あなたの会社で販売しているものが出展者の役に立つのであれば是非一度チャレンジしてみてください。
大企業の展示会出展者はマネキンや代理店です。
しかし、中小企業向けの展示会の出展者は営業担当者ばかりではなく、社長の参加も見込めます。
あなたが出展者への納品を検討している会社であれば決裁者である社長と出会えるチャンスです。
江戸川区内の鉄鋼関連卸の会社では大田区主催の展示会で受注しています。
出展者の社長は売り先と同時に仕入先との出会いも期待しています。

 

ユーチューブ
詳細はその道の第一人者の菅谷信一さんを検索してください。
私も検索上位に表示されるために使っている方法です。
1分程度の短い動画を多数アップする事で検索順位を上げる事が可能となります。
コツは検索されるキーワードをタイトルにする事です。
そして、数多く投稿する事です。
本当にこれだけです。
が、誰も続けないので勝てないのです。

より詳しくは菅谷さんにお聞きください。

 

営業ツール:名刺・会社案内:商品(サービス)パンフレット
営業ツールは揃っていますか?
あなたの売りたい商品・サービスが誰でも知っているものであれば別ですが、手ぶらで営業活動は出来ません。自社の事、商品・サービスの事を相手に分かってもらうための武器が必要です。名刺・会社案内・商品(サービス)案内はありますか?それらのツールは武器として機能していますか?武器とは「相手が一目見てあなたから買いたくなる」ものでなくてはいけません。お客様の声を掲載することが重要だと言われていますがなぜですか? 会社案内などで自社が「これだけスゴイ」と自画自賛しても誰も信じてくれませんし、書けば書く程「ひきます」よね。多くの会社で分かっていてもなかなか出来ていないことがお客様の声を掲載することです。お客様の声(他社からの推薦)があることで、この会社は信頼に値すると認識されます。

各ツールについては、専門のコンサルタントが多数います。自社の業界、対象者に応じて作り込んでください。

 

 

コラム:剣豪を目指すのか、武将を目指すのか?

「凄いパワー、素晴らしい気づかい、早い仕事。誰よりも早く出社し誰よりも遅くまで働く。他を寄せ付けない圧倒的存在感。」の人と仕事をするのは楽しい。ただし、社外パートナーとしてだったらの話です。同じ会社の上司だと「イヤ」だろうな~。
何をどうやっても勝てる気がしない社長の下で働くのは苦痛です。あなたが、誰にも負けない「仕事のプロ」を目指すのかそれとも人と組織を動かす社長を目指すのか。鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの墓碑「己より賢き者を近づける術知りたる者、ここに眠る。」にあるように組織を作り人を動かす術を身に着けたいのであれば当ブログがお役に立つでしょう。

アフリカには、
「早く行きたいなら一人で、遠くへ行きたいならみんなで行け(If You Want To Go Fast, Go Alone. If You Want To Go Far, Go Together)」という諺があります。

また、「剣豪を目指すのか、武将を目指すのか?」
私が師事している長谷川先生の著書社長のノートに「1対1の局地戦に強いだけでは、単なる「剣豪」どまり。戦いの全体像を見渡すことができ、剣豪たちを動かして初めて「武将」になれるのです。」

社長が何を、どこを目指すのか?決める事が最初の一歩。
営業マニュアルを作れないのは、、あなたが組織化を目指していないからではありませんか?
出来る人にとっての当たり前を分解する事の難しさ
対人
百社百様
口伝(くでん)OJT、同行、飲み会で伝える。
ある程度の成功パターンが出来れば、紙に落とし込む事が忘れ去られる。

私たちのようなコンサルタントとコンサルティング業。コンサルタントは、「○○さんだからお願いしたい。」と言われる属人営業の要素が強くあります。いっぽうコンサルティング業は「機能と価値」を訴求します。どちらが良いではなく、貴社がどちらの色合いが強いかにより変わります。一般的には「属人営業はダメだ。組織営業にしなくてはいけない。」と言われますが、サービス業で属人要素を価値として価格に転嫁できるのであれば属人営業でも良いでしょう。

 

第3章2節2項.関心を強化する

「見えている。聞こえている」の認知ではなく、「見ている、聞いている」の認識へとうまく転換出来ても、忘れ去られるのは一瞬です。

忘れ去られないためには短期間で複数回接触する事が重要です。
エビングハウスの忘却曲線グラフによると20分後には42%忘れられて...と悲しい状況になります。

そうならないためには、3日後、7日後、21日後までに接触を繰り返すことが出来ればその後も忘れられにくくなります。
しかし、用事もないのになかなか複数回会う事は出来ません。
以下では、相手との関係を構築しつつ関心を高めるための方法を紹介します。
とは言え、大前提として初回に相手に認知⇒認識⇒関心のステップを踏んでおかなくては以下の打ち手も相手にとっては余計なお世話となります。

ハガキは費用対効果が高い方法です。
名刺交換したらスグにハガキを書きましょうとは良く言われる事です。
しかし、色んな所で聞いてみても実行している人は3%程度です。
当社パートナーコンサルタントの松岡氏は生命保険の契約を550週連続契約獲得を継続しています。彼が実践している「基本はテンプレート化」一部直筆でが効果的です。
松岡氏は「会いたい」と思った人に対しては毎日出し続けているそうです。1か月程経ってから電話をすると相手もこちらの事を分かっています。その上で電話すると訪問しやすくなります。そこで会って頂いたお礼のハガキについては相手をびっくりさせたい時にはお客様先を後にして近くのベンチでハガキを書いてそのままお客様のポストに入れたこともあるそうです。それはお客様もビックリされてすっかり松岡さんのファンになったそうです。

電子メールの普及により手軽に簡単に(ほぼ、無料で)連絡をとれるようになりました。このため、一人の人が1日に目を通すメールの数は膨大になりました。名刺交換をして数日後にお礼メール、その後、欲しくも無いメールニュース、メールマガジンを一方的に送りつけられる。送信する側は手軽に送れるため意識していないが、受け取る人にとっては重要なメールが埋没してしまう原因となってしまう。同報メールはあくまで許可を取った上で送付したいものです。

お勧めしたい方法はステップメールです。
予めシナリオを設定しておく。
サンプルを希望された方には使い終わった頃に使用感を聞いたり、別の使い方を提案する。
あくまで、関係を維持する事を目的として複数回接触する事で興味、関心を引き寄せます。

アナログな方法で、私がお薦めするのはニュースレターを発行することによる関係構築法です。
自己紹介などでのアピールが苦手な人や世間話が苦手な人にお勧めの方法です。

店舗などで使えるオーソドックスなパターンは米満和彦さん保険営業などで個人のキャラを打ち出すには木戸一敏さんの「あなたレター」が参考になります。地元江戸川区の障がい者就労支援施設の一般社団法人EARTHBASEでは、利用者さんが中心となって作成しています。

 

夜討ち朝駆け
社長や決裁者に会うことが目的であれば相手の都合に合わせる。近江兄弟社営業マン時代にドラッグストアなどの量販店を担当していました。
当時はドラッグストアが伸び盛りの頃でそのチェーン店では1カ月に3店舗程出店していました。
バイヤーは新店舗対応で常に出歩いています。
本部商談が建前ですので、なかなかアポが取れず商談出来ません。
大手メーカーは「リベートつきの販売計画」があるためバイヤーも商談に応じますが中小メーカーの商談に付き合う暇はありません。
手をこまねいていてもしょうがないので、「夜討ち」営業をしていました。新店舗の陳列に応援参加した後、他社メーカーが帰った後にもう一度夜食を持参して夜中に店舗を訪問します。日中は他社メーカーの視線があるので「商談」には応じないバイヤーも夜中に再度訪問すると「ありがとう」と対応してくれます。夜中にバイヤーがする仕事は案外少なく店舗スタッフとの連絡や品番コードのチェックなどなので「商談」する時間は十分に確保できます。
また、心理的にも遅くまで付き合ってくれたとの好印象が残るためその後も良好な関係を築くことが出来ました。

近くに来たのでちょっと寄りました作戦
もちろん、アポなしです。本当にふらっと寄ります。
世間話、雑談、そして、何か困っている事は無いですか?

江戸川区で30年の歴史がある「ゼネック社」の埼玉支店長の仕事術です。ちょっとした汚れやネジ類の増し締め(緩みを確認して専用工具で締め直すこと)など日曜大工レベルはほとんど自分の手でやってしまいます。「こうした細かい事に職人さんを呼んでたら合わないんですよ。専門技術が必要なわけではないので、私に出来る事は私がやっています。」「そんなことをすると、売り上げにならないのでは?」との不安に対しても、「逆にこうした小さい事にその場で対応しているのがお客さんからの信頼につながっています。」と自信を持って言い切っています。実際に彼のお客さんは浮気(他社への乗り換え、相見積もり)をしません。お客様との関係が出来ているからです。「近くに来たのでちょっと寄りました。」と言って寄ってる人が少なくなった時代だからこそチャンスです。

私も良く使います。コンサルタント=先生職ですのでこちらから出向く営業は地位の低下を招くという同業もいます。しかし、私は営業関係のコンサルティングなので、「勘を鈍らせないために飛び込みました。」といえます。訪問するのに何らかの理由づけさえできれば良いのです。

 

第3章2節3項.欲求を喚起する

無料サンプル
「自分で食材を仕入れて調理している、味の分かるシェフであれば一度でも食べてもらえば、他の肉との味の違いが必ず分かるはずだ。」鳥山牧場が都内のオーナーシェフの新規開拓をする際に鳥山社長が発した言葉です。そこで、DMではアンケート形式で希望部位を問う形にしました。食材を探しているオーナーシェフは想定以上に多く、また、当初、こちらが想定していた部位とは違う部位の希望が多くありました。実際にサンプルを試食したシェフには好評でその後の契約へと繋がりました。

セミナー
目に見えないサービスを売る場合に効果的です。日用品などの形があるものであれば「一度使ってみてください」とサンプルを配布出来るが、目に見えないサービスでお試しはなかなか出来ません。そこで、セミナーなどの場で講師(先生)として話す事になります。敷居が高いのは正直な感想だと思います。しかし、安心して欲しい。前述した「学習サイクル」に置き換えると、どのように話せば良いのか「知らない」→「知る」→「出来ない」→「出来る」ようになるのです。下記の三段構成1.掴み2.セミナー本題3.余韻を残すの原則を守ることで相手の印象に残るセミナーを実施できます。

お掃除教室(セミナー)
江戸川区葛西の家事代行の会社ゼネック様で実施しているのがお掃除教室です。創業30年を機に地域の方々のお役にたてることは無いか?と考えた結果、自社の強みである「掃除」を地域の主婦に伝える場として開催することにしました。善き想いで初めても最初は集客に苦労しました。ここでも、もっとも重要な問いが「お客様は誰か?」でした。地域密着でありながら、「お客様」を定義するのに半年を要しました。その間、社員、パートスタッフによる研修会を実施し、手分けしてポスティングを行いました。開催時間も土曜日午後、平日午後と試行錯誤をした末、平日の午前中開催で定着しました。

特典
インターネットを使ってビジネスに繋げたい方は特典を効果的に使いたいものです。ネット上では無料で提供される特典が数多くあります。見込み客も「無料」だけでは反応しません。魅力的な特典の提供が必須です。当社の特典で効果的だったのが選ばせる特典でした。特典は一度作ってしまうと24時間勝手に働いてくれます。最初の手間を惜しまずに特典を作りたいものです。

 

第3章2節4項.商談力を高める

商談力を高める

ストーリー商談術
商談はシナリオ思考です。検討から購入へとつなげるのが商談です。購入の意思決定は全て「相手」に委ねられます。しかし、商談の進め方は「こちら」で組み立てられます。残念ながら商談の進め方を組み立てずに行き当たりの商談をしている方が多すぎます。ここでは商談の標準的な進め方を「シナリオ」として構築し購入の確度を高める方法をお伝えします。

起:商談の場を作る。(目的を確認する)

承:相手の困り事、欲求を汲みとる。

転:転じて当方からの提案、商品・サービスの説明

結:結論を促す

商談の主導権はこちら、購入の決定権はあちら。覆らない真理です。商談で100%全力を出し切り悔いを残さないものにしたいものです。

商談では

1.買いたい気持ちがあるか無いかを選別する。

2.買いたい気持ち(買い気)がある人に合った商品・サービスを決定するために現状を把握する

3.買い気の人に商品・サービスを提案する

4.買い気の人の心理的障壁を取り除く

の相手の心理を織り込んだシナリオを作成する。

商談は販売する商品・サービス、商談の方法によって形態は様々です。しかし、商談のステップは同一のパターンです。ここでは、中古車販売のショールームに来た「ある程度の見込み客」に対して、「ある程度のまとまった時間」で商談を行う場合についてのステップを想定します。中古車を買いたい⇔しかし、今の自分に必要なのか?どのような車が良いのだろうか?今買った方が良いのだろうか?を本人は明確にさせないままショールームに来ます。そこで、

1.(予測できる)見込み客の使用状況を聴きだします。

2.聴きだした情報を整理して提案を行います。

3.その上で「自分が持ったらどうなるだろうか?」をイメージさせます。

4.決断を促します。(金額、時期について「今」しかないことを切迫させます。)

4.検討

最初に言っておくと商談をシナリオ通りに運べることはほとんどありません。しかし、シナリオの作成無くして商談の成功はありません。シナリオ作成のポイントは相手の心理変化を設定する事です。何段階でゴールに到達できるのかを設定します。初対面の方に売る新規販売の場合では、大まかに下記の段階を経ます。

1.自己紹介で信頼を獲得する

2.相手の困りごと・情報を収集する

3.解決策を提示する
4.購入を促す・決断させる

 

シナリオ作成のポイント
起承転結を採り入れた商談シナリオを作成する上で重要なポイントがあります。受注までに商談を何度行うのか?の回数と、1回の商談に使える時間です。新規開拓が中心の場合とルートセールスでは、シナリオの作り方が違ってきます。

商談時に必要なのが、アプローチ(デモ)ブックです。ベテランこそ更新したい。商談の流れに沿って、会社案内・自己紹介(プロフィール)・商品・サービス案内を挟み込んだファイルです。新入社員時代には競合他社情報や新聞の切り抜きなどを集めて作り込むのだが、ある程度経験を積むにつれて疎かになっている営業が散見されます。ベテランこそ独自の情報網、独自の視点が蓄積されお客様にとってより有益な情報を提供しているはずです。

そしてシナリオを作成したら徹底的にロールプレイを行います。

ロールプレイ注意点

1.本番同様の時間配分で行う

2.全体、部分のバランスを考慮して行う

3.撮影する。

当社パートナーコンサルタントの松岡氏は生命保険の営業マンで550週(11年)以上連続で受注記録を更新しています。彼は一つのシナリオを50回はロープレし撮影しています。
最初のステップで見込み客と出会えても最後の受注率が悪いと全てが水の泡です。もったいない事にならないために、「これでもか!」とロールプレイを行いたいものです。上記の各ステップの目標と実績の数値を測定する事で費用対効果を算出できるようになります。

 

第3章3節.数値化で検証する

下記の図は当社のお客様のコンサルティング会社です。この会社では無料説明会への告知をファックスDMで行い、その後個別相談から契約の流れを構築しています。それぞれの活動が定量化されているため、何をどれだけ変化させると最後の契約率が上がるのかを検証しながら対策を打っています。

たまたま、運が良かったから受注出来たと運を天に任せるのではなく、
「○○を変化させてみたらどうなるだろうか?」と仮説→検証を繰り返す事で、自社の仕組みを儲かる仕組みに改善できます。

 

第4章:営業マニュアルに基づいた人材育成法

第4章1節.GROWモデル

GROWモデルでゴールを目指します。

GROWとは、G=Goal、R=Reality、O=Option

W=Willの略です。

ゴールと現状の差異を常に見える化し考えさせ実行させるサイクルを定着化させていきます。

 

GROW質問例

目標Q:あなたの今月の目標は?(本人に自覚させる)

現状Q:それに対して現状はどうですか?(オープン質問で広げる)

対策Q:どうすれば達成できますか?(オープン質問で、複数の対策を考えさせる)

意志Q:では、何から始めようか?(オープン質問で、最初の一歩行動、実行量を問いかける。)

                (クローズ質問で部下に実行宣言させる)

 

※「間」

問いかけで自ら考え、実行出来る部下を育てます。人は質問されると、答えます。質問の種類によって考えさせ、実行力を高める事が出来ます。「魚を釣ってやるのではなく、釣り方を教えてあげる。」と説明しています。
以下でそれらの質問の方法について解説します。

 

1・選択肢を広げる
オープン質問と呼ばれる質問の種類です。
「はい、いいえ。」で答えられるのではなく、答えが人によって違います。「あなたはどうしたら良いと思いますか?」
と問われると、「私はこうしたら良いと思います。」
と答えます。

質問の種類は、本書で何度も出てきた5W2Hを使います。
いつまでにやりますか?
どこでやりますか?
誰がやりますか?
何をやりますか?
どのようにやりますか?
と方法を考えさせます。
その上で、

なぜ、その日なのか?なぜ、そこなのか?
なぜ、その人なのか?なぜ、それなのか?
なぜ、その方法なのか?

を問いかける事で自ら考えるようになります。

 

2・考えさせる
問いかけた後で特に重要なのが待つ事です。
なかなか、自分なりに考えたことが無い人にとっては、突然
「あなたはどうしたら良いと思いますか?」と問われても、答えに窮します。そこで、問い詰めるのではなく、一呼吸待ちます。
この間を取る事で、部下は考えても良いんだと理解します。

3・復唱させる
問いかけと復唱で部下に「自分の仕事」として自覚させる
人の話を聞いただけでは、「自分の仕事」として自覚させる道半ばです。部下本人が自分の言葉で話せるようになってようやく自覚出来た状態です。人間は人の話を聞いただけでは、概念としての理解に留まるからです。頭では分かる状態です。
それを自分の言葉で復唱し直す過程で、自分の理解度と不明点、相違点を整理するからです。

4・行動へつなげる
最後に、行動が具体的になったところで、
「じゃ、次回のミーティングの時には〇〇を達成しているって事だよね?」と確認します。
「はい、達成しています。」
「楽しみにしているよ。」と声をかけて終了します。

部下に自分の言葉で発言させてください。
部下は「やらされる」仕事としてではなく、「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。

こうして、上司が「やれ!」と怒鳴るのではなく、部下の自発性を引き出せるようになるのです。

 

オートクラインとパラクライン
人間が物事を理解する際にオートクラインとパラクラインと呼ばれる仕組みがあります。自分が発した言葉を最初に聞くのは自分です。言葉に出しながら、その言葉を聞いて理解を深めているのです。突然質問されて、「あれ?自分は何でこんなことを言ってるんだろう?」と感じた経験はありませんか?
本人が自覚していない事が他人からの質問により気づき、引き出されるのです。私が質問を多用するのはこうした理由からです。問いかけが重要な理由としてもう一点、上司であるあなたと部下とでは知識・経験・情報量が違います。しかし、上司は自分の過去を全ては覚えていません。自分にも出来なかった事、知らなかった事が過去にあり、失敗した経験があったはずです。あなたの経験上、あなたには、部下がこれから行おうとしている事が予想できます。部下がこれから行おうとしている事が失敗につながる事まで予想できます。だから、あなたは部下がそうならないようにアドバイスをするのでしょう。しかし、経験したことの無い部下にとっては全てが未知の事です。あなたが伝えたことは「頭の中」では理解出来ても、実際には「何を言っているのか分からない」のです。
そこで、あなたは部下に問いかけてください。
「それをやるとどうなるんだろうか?」

「実現させるためには何が問題になるだろうか?」
部下に問いかけながら、不明瞭な点を明らかにしてください。
そして、部下にまとめさせて自分の言葉で発言させてください。
部下は「やらされる」仕事としてではなく、「自分の」仕事として取り組むようになるでしょう。

 

第4章2節.進捗状況を見える化

進捗状況を見える化する事で実行力を高める事が出来ます。上司の言うことに口では「はい」と答えながら行動しない面従腹背社員が多い会社では効果的です。「私は危機感を持って仕事をしています。」と言うのは誰でも言えます。口が上手な人や演技が上手な人はより「らしく」見せる事が出来ます。本当に危機感を感じていても伝える事が下手な人は傍から見れば、「あいつ、危機感ねえな。」となります。(世渡り下手)とも言えます。意識は見えないからです。問題や進捗状況を見える化することで意識の見える化が可能となります。
あなたの会社では危機を見せる事で行動に繋げていますか?

もっとも簡単な方法は目標対実績の進捗状況の見える化です。東日本大震災の時の夏に電力消費予想が毎日テレビで流れていました。視聴者は知らず知らず節電の意識付けがされていました。黄色や赤の色は目に飛び込んできます。自社でも色分けした進捗確認表で社員に見える化します。A4の用紙に今月の目標と実績を記入しクリアファイルに挟み込みます。

毎日の目標を朝出社時に記入します。退社時に実績をクリアファイルの上から記入します。目標を達成したら青、達成できなければ赤で記入するだけです。

・道具:クリアファイル進捗確認表

・コツ:瞬時に見える場所、見える形で実施します。「パソコンを開かなくては見えない。」や、印刷したものを貼り付けるのでは継続できないからです。誰にも見える場所で誰でも簡単に更新できる方法で実行する事がコツです。

 

〇事例:食器棚で進捗状況を見える化アサヒルミエル
川崎市にある新聞販売店のアサヒルミエル社では、食器棚の脇に物品販売の目標と実績を対比している。昨今の少子高齢化や紙離れ、活字離れの影響もあり新聞購読者を増加させるには厳しい社会環境が続いている。彼らの会社では新たな売上の確保のために物販に力を入れている。しかし、新聞販売以外の販売の経験もノウハウもないため、「頑張ろう!」の掛け声だけでは人が動かない。皆の見える台所の棚にクリアファイルを貼り更新する事で目標達成に対する意識付を行っている。

見える化による成果は、見えると動けるを実感できる事。今まで数字は他人事だった社員の目の色が変わる。これまで導入した企業では必ず実績が向上した。過去の事例では前年比140%以上の売上実績を計上した会社もあった。次はあなたの会社の番です。

 

 

第4章3節.ショートインターバル

週次の進捗確認で計画と行動と結果のズレを極小化します。短期間に修正改善を実行する事で目標達成の確度を高めます。1週間ごとの途中指標を定めることにより、「なぜ、出来ないんだ!」と怒鳴りたてるのではなく、上司と部下とで改善策立案が可能となります。1カ月単位で進捗状況を確認すると修正、改善が後手に回り時として「取り返し」が付かないこともあります。1週間程度の短期間であれば修正、改善を繰り返す事で計画を実現できます。私たち外部のコンサルタントが効果を発揮するのは、週一回程度定期的に訪問するため外圧として機能するからです。

・事例
ある会社の新規開拓プロジェクトで、期日までに担当者がテレアポをしていなかった。「今すぐ電話しなさい。」と伝え担当者は渋々電話した。担当者が電話している間は会議を中断した。自分が電話しなかった事で他の参加者に迷惑をかけた事を自覚させた。その日以降、担当者は決めた事は必ず実行するようになった。このような強制力を働かせる必要がある。私たちは、客観的に計画との進捗状況を確認します。前回訪問後に突発的なアクシデントが起こっても、決めた日程に訪問し、決めた事が出来ていたかを確認するだけです。出来ていなければ、「今すぐやりなさい。」と厳しく知的腕力を発揮します。知的腕力を行使できるようになると、部下に対する接し方にメリハリがつきます。硬軟両方の対応で部下の力を引き出し伸ばすことが可能となります。