中小企業経営者のための経営力強化方法28.コミュニケーションの原則

コミュニケーションの原則

Q:あなたが伝えたいことは部下に正しく伝わっているか?

○問題提起:コミュニケーションの原則は「あなたが伝えたと思っている事と相手に伝わった事」は違うだ。「下記は有名な老婆の絵です。アンデルセン童話やグリム童話に出てくるようなおばあさんですね。」と私が説明を始めると、読者の皆さんは「おばあさん」を探し始めるだろう。

一方、「高貴な貴婦人」があちらを向いています。顔が見えないのが残念ですが...」と説明を始めるといかがだろうか?
老婆の絵として見ている人と貴婦人の絵として見ている人では同じ絵を見てもそれぞれ違った絵として理解する。コミュニケーションの大原則として、人はそれぞれ違った捉え方をしているとの前提に立つ必要がある。同じ絵を見ていても違って見える。違う絵を見ている人同士であれば違った理解をするのは当然だとの前提に立つことがコミュニケーションの大原則だ。この絵を老婆だと見ている人はあなた一人かも知れない。
実は、この絵は「老婆か貴婦人」だけの話ではない。帽子の所に猫が寝ている。老婆か貴婦人の話に捉われている時に、別の人は猫が気になっていたとする。三者が全く違う会話をすることになるだろう。それぞれが自分の意見を主張し始めれば、意思の疎通は出来なくて当然だ。この節の見出しは最初の段階では、「伝えた事は伝わった事」としていた。私は「(自分が)伝えた事は、(相手に)伝わった事(でしかなく、自分が伝えたい事が全て伝わっているのではないよ。)」の意味で見出しとしたつもりだった。しかし、ある研修講師の方と話していたら、「自分の伝えたい事が相手に正しく伝わっている」との誤解を招くかもしれないと指摘された。
○解決策:本書で正しい伝え方を習得する
・手順1.「伝えたい事は正しく伝わらない」事を前提とする。
2.そのうえでコミュニケーションの技術を本章で習得する。
3.日々の実践で伝心力を強化する。
・コツ:「コミュニケーションは成立しにくい。」の前提から始める。
伝えたい事を正しく伝える技術を習得出来るようになると、人を動かせるようになる。経営者に必要な「人を動かす」力の中で技術で対応出来る部分は技術で対応したい。人を動かす技術は危険な技術だ。人を動かす=操作的になると誰もあなたについてこなくなる。最後に全てを決するのは、あなたの経営者としての真摯な態度に他ならない。技術を習得しても、技術に溺れないで欲しい。